インタビュー >> 文化人


呉稚亮 上海恵風閣芸術品センター理事長

自然の移ろいにたゆたう心、恵みの風は穏やかに

江南の風光、三国は呉の都、西湖のほとり、十景の一つ、そこにそびえるは彼の建立した高殿。あらたに東風を巻き起こし、ひとり潮流を起こし、時代の声を記録する、彼は毅然と立つ中流...

楊多傑 日本中国茶研究所所長

祁門安茶:中国黒茶の逸品

紅、緑、青、黄、黒、白――茶は大きく六種に分類され、それぞれに異なる魅力がある。黒茶のなかでも逸品として誉れ高い祁門安茶は、山奥にひっそりと咲く蘭のように清く麗しく、それでいて誇らしげで、俗世を離れて独歩する孤高の存在といえよう。

渡辺満子 メディアプロデューサー

祖父は国交正常化の道を拓き、孫娘は文化の架け橋に 日中友好は世代を超えて

日中関係の歴史においては、両国の友好に尽力した多くの先人がいる。現在もなお、彼らの子孫が日中友好交流の最前線で活躍し、新たな歴史の一頁を刻んでいる。このたび本誌は、大平正...

太田雄貴 国際フェンシング連盟理事

戦略と絆が紡ぐフェンシングの未来

太田雄貴氏は、日本フェンシング界を代表するアスリートであり、改革者である。オリンピックに4度出場し、2008年北京大会では日本初の銀メダルを獲得。選手引退後は、日本フェン...

李巍 金銅仏像収集家、東方瑰宝(北京)芸術品有限会社会長

捨てるとは得ること 真善美を追求する文明の守護者

2024年の秋、日本の角川武蔵野ミュージアムにおいて、「刺繍タンカ芸術展~中国無形文化遺産の美~」と銘打たれた華々しい展覧会の幕が切って落とされた。李巍氏が提供した百点に...

生きること蓮華のごとく、衆生ともに楽しむ

――米須清二郎と「琉球かれん」の奇跡の旅

衆生ともに楽しむの「楽」は、「たのしむ」という意味であるが、もとは一種の弦楽器を指す。弦楽器の弦の振動は人体に共鳴を呼び起こし、経絡を結び連ねる気と血の流れを調節し、心身...

楊多傑 中国茶文化学者、日本中国茶研究所所長

君子は有す 常なる徳を、至宝は有す 永久なる価値を

日本東方出版社による数カ月に及ぶ計画と準備を経て、ついに楊多傑氏の新著『雅なる中国茶詩~茶文化の詩情と魅力~』(原題『中国最美茶詩』)が上梓された。先日、東京でその出版祝賀会がおこなわれ、多士済々の雅なる集いは、華僑コミュニティにとっても嘉すべき文化的な夕べとなった。

神農架を描く夢:生命の歌と色彩の交響曲

中国油絵画家 都天貴が描く、世界自然遺産「神農架」

自然と人文が織りなす壮大な絵巻。中国・神農架は、ユネスコが指定する「世界自然遺産」である。神農架の深い原生林の森、豊かな野生の動植物、神秘的な伝説は、数多の探検家や芸術家...

田志剛 青年画家、美術教育家

丹精込めて時代の絵巻を描く

もの寂しい冬のある日、突如嬉しい知らせが届いた。栄宝斎(南京)2022文物・美術品オークションにおいて、田志剛作『松鷹図』が115万元(約2540万円)で落札された。近年...

小島 康誉 新疆ウイグル自治区人民政府文化顧問

シルクロードの大道を行く

もしも、前世や前前世があったとしたら、小島康誉(こじま やすたか)氏は新疆で詩情豊かな四季を過ごし、肝胆相照らす友や心を寄せる女性がいたに違いない。そうでなければ、どうし...

于雷 日中教育促進協会理事

留学・就業のサポートシステムを構築

一橋大学大学院に所属している于雷氏は経営学分野の唯一の若手研究者として、ハーバード燕京研究所と香港大学中国制度研究センターとの共同プロジェクトに抜擢された。国際的視野を持...

凌慶成 在日華人脚本家

歴史劇『武則天女皇』の舞台上と舞台裏を語る

秋は実りの季節、収穫の季節である。在日華人社会で話題を集め、期待が高まる“文化の果実”——東京話劇芸術協会と東京話劇団の共同制作による四幕から成る歴史劇『武則天女皇』が、...

王治洪 独立芸術家

白髪の生ずるに任せ 青山を見晴るかす

これまで数多くの取材をおこなってきたが、王治洪氏ほど印象深い人はいない。年の頃はまもなく古希を迎えようかというところ、炯々たる光を放つその黒い瞳を見つめていると、不思議と...

宮城野親方 元横綱白鵬関

歩く神社――大横綱白鵬

ある人に言わせれば、相撲――それは日本古来の格闘技にして神秘的な文化、そして神聖なる儀式でもあるという。それゆえ日本では「国技」と称され、東京の両国には雄壮な佇まいを持つ...

福田 豊 恩賜上野動物園園長

中国と共にジャイアントパンダの保全に取り組みたい

1972年10月28日、中日国交正常化を記念して東京・恩賜上野動物園(以下、上野動物園)に最初のジャイアントパンダ、カンカンとランランがやって来た。同園はこの日を「パンダ...