コラム >> 藤文浩


鑑古堂の古美術鑑定〈6〉

宋代・龍泉青磁の瀟洒な魅力

最近、少し時間があったので京都の別宅に数日間滞在し、友人とフォーシーズンズホテルで昼食をとった後、京都国立博物館に立ち寄った。 当博物館ではちょうど、茶の湯をテーマにし...

鑑古堂の古美術鑑定〈5〉

帝王たちが愛した紅い色——剔紅の魅力

皇帝が好んだ朱色 皇帝が好んで用いた剔紅 これが、第5章となる今回のテーマである。 明・清両朝の皇宮である北京の故宮・紫禁城を訪れて、最も多く目にする色が赤だ。朱色...

鑑古堂の古美術鑑定〈4〉

収集に掻き立てられるコレクターの心理

コレクターたる者、幼い頃、何かの収集に夢中になった経験を持つ。これが4度目の寄稿となる。今回はコレクターの美術品収集熱の根源に迫ってみようと思いたった。 先日、部屋を片...

鑑古堂の古美術鑑定〈3〉

爵位の淵源となった古代の酒杯

中国の時代劇やテレビドラマで、古代の将軍や諸侯が華やかな宴席で、美女たちの舞を鑑賞しながら「爵(三脚の酒器)」を手に痛飲しているシーンをよく目にする。 今回はこの「爵」...

鑑古堂の古美術鑑定(2)

「如意」を巡るよもやま話

「如意」という言葉で思い浮かぶのは、天界で大暴れし、罰として天竺に経典をもらいに行く唐僧に連れ添うことになった孫悟空が操った、伸縮自在の如意棒であろう。当然、これは神話の...

鑑古堂の古美術鑑定(1)

取り戻された恭王府の至宝

北京市西城区の前海西街に、恭王府と呼ばれる恭親王の邸宅跡があり、今も世界中から観光客が絶えない。 愛新覚羅奕訢は道光帝の6番目の男子で、咸豊帝の異母弟。生母は、孝静成皇...