石田 智子 アイエスデンタルクリニック院長
プロとしての品位と真心で歯の健康と美を創出


撮影/本誌記者 呂鵬

日本の歯科治療はお金も時間もかかるという印象がある。そのため、私は留学生時代、歯が痛くなっても常に我慢していた。結果、今になってインプラントにより多くの代価を支払うことになっている。

今日、訪日中国人観光客の目的は「爆買い」を経て、美容と健康への投資、先端医療の体験へと向かっている。私の時代とは大きく異なり、この変化に感慨を覚えるとともに、この流れは間違いのないものなのだろう。

先ごろ、私は幸運にも『ミス・ワールド』日本代表の公式審美歯科医である、アイエスデンタルクリニックの石田智子院長を取材する機会に恵まれた。石田院長から歯科と審美歯科に関するお話をうかがい、私の固定観念は打ち砕かれた。今日、日本では歯の健康と美の両立は可能であり、しかも治療は短期間で完了するという。

歯科と審美歯科との違い

—— 先生が歯科医になったきっかけは何ですか。

石田 父が内科の医師で母が薬剤師で、父の兄弟も医師として父と共に病院経営をしており、常に身近に見ていたので、幼い頃から医療職に就くのが夢でした。小学生の時には、父の病院内の歯科で遊んだり、模型や石膏に触れたりする中で、手先の器用さもあり、将来的に医療と美容をつかさどる歯科を目指すことに決めました。
 
—— 先生は『ミス・ワールド』日本代表の公式審美歯科医として有名ですが、いわゆる
歯科と審美歯科の違いは何ですか。

石田 一般的に、歯科というのは、虫歯や歯周病などの歯科疾患を治すということだと思います。審美歯科というのは、虫歯や歯周病を治した後、歯並びや歯の色などを整えて、より美しくより機能的な口元を目指す治療です。

すなわち、一般歯科治療を終えて、お口の健康が保たれていることをベースに、審美歯科治療が成り立っていると言えます。

歯のかみ合わせが
口元の美しさを決める

—— 審美治療について、先生のこだわりは何ですか。

石田 その方の美しさは顔の下3分の1で決まると思っています。目元はメイクでほとんどの方が美しく演出出来るのですが、お口元はその方の生き方や生活が垣間見られる場所で、メイクでは誤魔化せません。

たとえば、ある方がマスクをしている状態で、綺麗だなと思っても、マスクを外したときにアレッと思うことがあるかと思いますが、その口元の美を追求していくのが私のこだわりです。

お口元の美しさをつかさどるのが、歯と歯並びとかみ合わせです。かみ合わせの良い方は左右の奥歯でバランス良く咬めて、お顔の左右の筋肉をバランス良く使うことが出来るので、お顔の輪郭が整って、お肌もみずみずしくなります。

逆に、左右のバランスが崩れていると、お顔の輪郭がゆがんだり、左右の大きさが違ってきます。

私は日本顎咬合学会認定のかみ合わせ専門医でもあり、かみ合わせを精密に測る最新精密機器を装備しているので、かみ合わせのバランスを数値で客観的に診断することによって、より精度の高いかみ合わせ治療を行うことが出来ます。

歯並びが綺麗ですと、笑顔の時に美しい歯が見えて、お顔の美しさがより際立ちます。また、日々のブラッシングもしやすく、歯周病や虫歯のリスクも軽減されます。特に歯周病は、全身疾患を増悪させるということが証明されているので、歯並びが美しいことが、全身の健康にも直結します。

すなわち、全身の健康はお口の中の健康から始まっていて、それがその方の美しさを決めていると言えるのです。お身体も健康で、お口元が綺麗な方が本当の美人だと思います。

さまざまな疾患が
口の中と関係している

—— 顔のシワやたるみ、頭痛、肩こり、視力低下、糖尿病なども口の中と関係しているとご著書にありますが、具体的に教えてください。

石田 左右のかみ合わせのバランスが整っていれば左右の咬筋のバランスも良いので、良く咬めて、お肌に酸素が行き渡り、お顔のしわやたるみなども予防できるのですが、左右のバランスが良くないと、使う側の筋肉が発達して咬筋に左右差が出来て、使ってない側にしわやたるみが出来てしまいます。奥歯の咬み合わせは美容にもとても大きな影響があるのです。

また、良く咬める側の筋肉だけが発達するとその側の肩こりや首のコリが出やすくなります。つまり、お顔の筋肉のコリが全身の筋肉のコリに繋がっているということです。

視力に関しても、良く使う側の視力は保たれることが多いのですが、使えない側の視力は落ちやすいと言われています。これも、お肌や筋肉への酸素の供給量の差によって起こりやすくなるのです。

かみ合わせの左右差も歯周病の進行には関係していますが、歯周病が進むと、お口の中の歯周病菌が血液に入り込んで全身に回り、糖尿病などの全身疾患を増悪させると言われています。胃がんや脳血管疾患なども、歯周病菌が深く関与していると言われています。そして、女性の場合は、妊娠しにくかったり低体重児が生まれたり、色々と影響が大きいです。

最新技術と最高技法で
外国人観光客を治療

—— 先生のクリニックがある表参道はオシャレな若者を中心に、国内外問わず多くの方が訪れる人気観光スポットですが、外国人観光客にとって、先生のクリニックの強みは何でしょうか。

石田 表参道駅A3出口を出てすぐの立地ですから、アクセスはとても分かりやすいです。

治療においては、麻酔は完全無痛ですので、お痛みはほとんど感じず治療を受けていただけます。

そして、最新機器セレックシステムなどを駆使して最新の技術を提供いたしますので、治療期間も大変短いです。型取りなどのストレスもなく、ある程度の虫歯治療や審美治療は1時間程度で終えることが出来ます。

前歯を全部治すような審美歯科治療でも、数日あれば全部終えることが出来るので、短期間の日本滞在でも十分に綺麗になってお帰りいただけます。

私は自分の審美眼やセンスに非常に自信があり、施術の経験も豊富ですので、その方が、よりお綺麗に見える口元を再現していくことが出来ます。

技工士もハリウッドで学んだ世界最高峰の技術を持っている、芸能人御用達の方ですので、人工の歯とは思えないほど自然で美しいクオリティです。

もちろん、ミス・ワールドファイナリストの歯の治療を行う上では世界レベルの美意識と美しさを要求されますので、そのレベル以上の審美治療をご提供出来ます。また、器具の消毒滅菌に関しては完璧ですので、その点もご安心いただけます。

日本の歯科治療への
中国人の期待は大きい

—— これまで中国人患者を治療したことはありますか。どのような印象を持たれましたか。

石田 中国の方は非常に美意識の高くお綺麗な方が多いので、審美治療などの必要性を良く理解なさって来院される方が多く、ご自分の歯を大切になさっている方が多いという印象です。

また、治療に関しては、とても詳しい説明を望む方が多く、最新の治療なども良く理解してくださると実感しています。

中には、中国でこういう治療をしてきたが、もっと良い治療が日本にあると聞いたとおっしゃる方もいて、日本の歯科治療への期待が大きいということを実感します。その期待に応えられるように、プロとしての品位と真心をもって、世界最高水準の歯科医療をご提供できるように、当院もなお一層精進してまいります。

—— 中国人の口の中のケアについて、何かご提案はありますか。

石田 中国人の方は、歯並びが綺麗な方が多いのですが、水道水にフッ素が多い関係か、歯がグレイかかった色の方が多いですね。また、お食事の内容や体質にもよりますが、歯石がついている方が多いという印象です。

綺麗な歯並びの方は、ホワイトニングなどで歯を白くすると笑顔の印象が変わり益々美しく見えると思います。当院で行っている歯のホワイトニングは、歯の結晶を強くして虫歯になりにくくするという素晴らしい施術です。

また、歯石除去などのクリーニングを徹底して、歯を白く美しくすることによって、虫歯と歯周病を防ぐことが重要です。

歯周病に関しては、すでに罹患している方も多くお見受けしますので、日本で非常に進んでいる歯周組織(歯槽骨)再生治療などを行って、積極的な歯周病治療をなさることもお勧めいたします。

私は日本歯周病学会認定の歯周病専門医でもあるので、歯周病治療はより精密に最新の医療をご提供することが出来ます。現在、歯周組織再生薬剤リグロス®を駆使して失われた歯周組織の再生を日々行っております。

—— 先生が独自に開発されたリップ美容ジェルについてご紹介いただけますか。

石田 歯や歯並びが綺麗な方でも、唇が乾燥していたり縦しわがあったり、唇そのものが薄かったりすると、お口元の美しさが半減してしまいます。

そのような方に、塗るだけで唇がボリュームアップして、しわが改善され、唇が若々しく見えたら!との思いで、今までになかったリップ美容ジェルを開発いたしました。

主な特徴としては、無水ヒアルロン酸や成長因子を4種類も配合して、年齢と共に減少してしまう唇の再生成分を補給し、ふっくら感、透明感をあたえることです。昼間はグロスとして夜は美容液として、一日中使っていただけます。

「口元が綺麗だと美しさが格段にアップする、笑顔がますます輝いて本当の美人になれる」という思いから作られた新発想のリップケア商品です。

取材後記

石田院長への取材を通して、中国人観光客がわざわざ日本に歯科治療に訪れる理由が明確になった。口元の美しさと歯の健康には、最先端の器材、一流の技術、世界水準の審美眼、専門技術者チームが必要であり、この四つの要素のひとつが欠けてもならない。石田院長はこの四つの要素に加えて、幼い頃から歯科への情熱と、美を追求する心を持ち続けておられる。