日本中華總商会が『2023 CCCJ WEEK』を盛大に開催

中秋の名月の下、青年実業家が集結した。日本中華總商会が主催する『2023 CCCJ WEEK』が、9月28日~30日の3日間にわたって東京で開催され、香港、マカオ、マレーシアから集った青年実業家の代表が、日本のビジネス、産業、法務、メディア等の分野のゲストと共に、ビジネストレンドや成長のチャンスについて議論し、協力チャネルを模索し、イノベーションの機運を喚起した。また、異なるスタイルでの交流を通して、日本とアジア、日本と世界との共同提携の道を探った。

9月29日、『CCCJ WEEK』はクライマックスを迎えた。昼、CCCJ青年委員会メンバーとアジアの青年実業家たち、総勢50人ぐらいによるアジア青年茶話会が行われた。前夜の歓迎会での交流を経て、香港、マカオ、マレーシアの青年実業家と『CCCJ WEEK』に参加した在日の各界の代表は、多くの分野で共通認識に達した。

引き続き、『CCCJ WEEK』のハイライトである、コーポレート・ガバナンスを啓発する「第5回華商経済フォーラム」とテクノロジーとイノベーションの成果を競い合うビジネスコンテストが開催され、世界中の視聴者がオンラインでリアルタイムにフォーラムに参加し、青年華商たちの活躍の姿を目にした。

日本中華總商会の䔥敬如会長(株式会社オセアグループ代表取締役)が主催者を代表して挨拶した。䔥会長は、この1カ月半の間にマカオ、香港、深圳、アメリカを訪問したことを振り返り、道中に触れた発展の勢いについて語った。データソリューションの分野における、中国の応用技術の発展には目を見張るものがあり、電子決済のカバー率はほぼ100%で、驚嘆に値するものだと指摘した。そして、国情や人口構成の違いはあっても、革新的技術がもたらす効率化とコストの最適化は、日本社会が注目するに値するものであり、ビジネスの可能性を探り、協力の機会を創出することは、日本中華總商会の使命であると述べた。

䔥会長はさらに、『CCCJ WEEK』のキーワードは青年実業家であることを改めて強調し、今後、中華總商会の若い力と世界の青年華商の連携を強化し、相互補完とウィンウィンの関係をさらに深めていくことを期待していると述べた。

続いて、日本中華總商会の徐志敏常務副会長(株式会社ジェー・シー・ディ代表取締役社長)が、華商経済フォーラムの基調講演者である、みずほリサーチ&テクノロジーズ理事長の中尾武彦氏を紹介した。中尾武彦氏は、国際通貨基金(IMF)政策企画審査局審議役、アジア開発銀行(ADB)総裁、財務省財務官を歴任し、国際金融および国際開発の分野で豊富な実務経験をもつ。

中尾武彦氏による「グローバル経済の課題と日本の成長期待」と題する基調講演で華商経済フォーラムは幕を上げた。

中尾氏はロシア・ウクライナ情勢とそれに伴うエネルギーと食糧価格の高騰、中米の貿易対立、米連邦準備制度理事会の利上げ、地方債、少子高齢化等の問題が中国経済に及ぼす影響、2024年の米大統領選が米国に与える影響、エネルギー危機に瀕するヨーロッパは如何にして経済の低迷から脱却するかなど近年の世界情勢の変化から、日本の国内外経済の動向を詳細に分析し、多国間枠組みの下での自由貿易システム、グローバル・ガバナンスの危機的状況、日本経済が抱える問題、それらに対する対応や今後の展望など、人びとが関心を寄せるテーマについて建設的な提言を行い、日本経済の現状を知ることは、中国の経済発展の手掛かりとなると述べた。中尾氏の現実的、客観的、多角的視点からの講演に、会場の拍手はしばし鳴りやまなかった。

トークセッション1では、税法、M&A、国際法の専門家である、張翠萍弁護士(西村あさひ法律事務所パートナー弁護士)、鹿はせる弁護士(長島·大野·常松法律事務所パートナー弁護士)、鄧維維弁護士(PwCコンサルティング合同会社パートナー弁護士)、孫寅嶠氏(有限責任 あずさ監査法人ディールアドバイザー)が登壇し、「第一線の専門家からみた、日中双方向投資の機会と課題」をテーマに熱い議論が展開された。専門家の視点から政策を読み解き、世論の関心を集める中国が最近発布した一連の関連法規を分析したトークセッションに、惜しみない拍手が送られた。

トークセッション2では、程涛氏(issin株式会社代表取締役CEO)、門奈剣平氏(株式会社カウシェ代表取締役CEO)、杜垚氏(株式会Merry plus代表取締役CEO)が、「新鋭華人起業家が語る日本での起業」をテーマに熱い議論を展開した。連続して起業に成功した程涛氏は、中国の先進的情報技術を導入し、新たな産業モデルを構築した。門奈剣平氏は、かつて株式会社LocoPartnersで中国支社長を務め、年商50億円の記録を打ち立てた。日本版「拼多多」を独自に立ち上げるなど、日本のeコマース業界の新勢力を代表する一人である。東北出身の杜垚氏は、東京大学で分子薬学の修士号と博士号を取得した英才である。優秀な新華僑の代表による日本での起業体験は、聴衆の共鳴を呼んだ。彼らは、中日両国、さらにはアジア、世界が大きく注目する経済事象やトピックを取り上げ、経済モデルの変化の傾向について議論した。ハイライトが随所に光る刺激的思考は、国際舞台で活躍する新世代の華人実業家の魅力を遺憾なく発揮していた。

トークセッション3では、日本中華總商会の段卓副会長(株式会社アクシージア代表取締役社長)、管祥紅常務評議員(HOUSEI株式会社代表取締役社長)、呉文偉氏(株式会社エイシアンスター代表取締役社長)が登壇した。日本留学、起業、上場を経験した実業界の「先輩」3名がそれぞれ、自身の経験を通し、経営者、管理者の視点から、成功のためのビジネスモデルや管理システムについて語った。華商経済フォーラムの掉尾を飾るトークセッションは、経営者や管理者に必要な視点や経済再生のために何が急がれているかを提示するもので、収穫は実に大であった。郭健常務理事(IS CAPIRAL株式会社代表パートナー)が特別ゲストとして議論に加わった。

トークセッションが終了すると、「2023 CCCJビジネスコンテスト」を勝ち抜いた6チームが会場に入場し、全力で最終決戦に臨んだ。

2023 CCCJ賞月会・中日平和友好条約締結45周年記念イベントが幕を開けると、『CCCJ WEEK』は次なるクライマックスへと向かった。賞月会の進行役は日本中華總商会の孔怡執行理事が務めた。

䔥敬如会長は開幕の辞で次のように述べた。「日本中華總商会は、主に在日華僑華人が経営する企業から成る経済団体であり、現在500社以上の会員企業を有し、うち日本企業150社が賛助会員として加入しており、この点が当会の大きな特徴であり、当会が中日経済交流を促進し、日本社会に根差す上で重要な役割を果たしてきました。関西中華總商会及び新潟中華總商会を代表とする直属の分会の活動も活発化しています。本年6月、われわれはタイ・バンコクで開催された4000人規模の第16回世界華商大会に出席し、世界の華商と交流を深め、多くの成果を得ることができました。明年、設立25周年を迎える日本中華總商会は、初心を胸に四半世紀を駆け抜け、一貫してビジネスに軸足を置き、日本社会に根を張り、会員の事業拡大のためのコミュニケーションプラットフォームの構築に努めるとともに、各方面のご支援・ご協力を賜りながら、力を磨き、規模の拡大に努めて参りました。今後、会員企業1000社、2000社を目標に掲げ、活動をより活発化し、共に持続可能な未来を創造して参ります」。

中国駐日本国大使館から、呉江浩大使、陳巍公使参事官兼総領事が出席した。呉江浩大使は先ず「中国式に、国慶節と中秋節のお祝いを申し上げます」と挨拶し、続けて、「今日の催しがこれほどまでに盛大で、これほど多くの方々が集って来られることは想像していませんでした」と率直に喜びを表現した。

呉江浩大使は、日本中華總商会が今後も重要な架け橋の役割を果たし、華人社会の発展、華僑同胞の発展のために、中日友好交流及び経済協力を促進し、両国経済のより高いレベルでの相互補完と相互利益に貢献していただきたいと期待を寄せた。

日本中華總商会は明年設立25周年を迎えるが、その堅実な発展は会員企業の参画、貢献と切り離すことはできない。

『2023 CCCJ WEEK』では、創設メンバーの20数年来の赤誠を称えて功労者の表彰を行った。創設メンバーであるEPSホールディングス株式会社の厳浩代表取締役、K&Q株式会社の顔安社長、交通銀行東京支店の曹宇青支店長、株式会社菜香の曽徳深社長、大信実業株式会社の黄文清社長、ベース株式会社の中山克成社長などがステージに招かれた。

柏物産株式会社の陳熹代表取締役社長は、設立当初の苦闘を振り返るとともに、今後も中日両国の経済界・ビジネス界の力を結集し、両国の協力と発展のために更なる貢献をして参りたいと語った。

評議員会会長の厳浩氏(EPSホールディングス株式会社代表取締役)が特別功労賞を受賞した。厳浩氏は会長を前後2回就任、13年以上に渡って会の成長を支えてきた。氏の人間力と卓越した組織力を有する日本中華總商会は、国際社会で実力を発揮し、世界の注目を集めてきた。日本中華總商会の目覚ましい成果は、氏の弛まぬ努力の賜物であることは、誰の目にも明らかである。

その後、日本中華總商会青年委員会と香港、マレーシア、マカオの中華總商会青年企業家団との戦略提携セレモニーが行われた。日本中華總商会青年委員会の郭健委員長が簡潔に力強く状況説明を行った後、調印式は滞りなく運び、『アジア青年企業家リーダー宣言(東京)』が発表された。

会の合間には、中日友好シンガーソングライターのSao(中国名:艾唯)が中日の情感を歌いあげ、優しい歌声がゲストを魅了した。

中国と日本で数多くの賞を受賞している著名な琵琶奏者の何晶氏と中国の伝統音楽を日本に紹介した二胡奏者の周昂氏の共演は、内なる共鳴を呼んだ。

『CCCJ WEEK』は、主催者である日本中華總商会によって、アジア青商歓迎会、アジア青商茶話会、華商経済フォーラム、賞月会、CCCJ杯懇親ゴルフコンペなど多岐にわたるイベントが開催された。

1999年9月に設立された日本中華僑總商会は、『CCCJ WEEK』の活動を通して、過去に感謝し、未来を展望し、日本と世界の華僑団体を繋ぐ架け橋を構築し、未来創造のバトンを青年華商へと引き継ぎ、持続可能な未来のための道筋を示した。「任重くして道遠し」であるが、未来は希望に満ちている!

(撮影:本誌記者 呂鵬、蔡暉/在日天津同郷会・李振溪会長等)