実を言うと、清水雄介氏にお会いした時には驚きを禁じ得なかった。かつては「日本で一番若い教授」であり、現在でも日本の形成外科で三番目に若い教授であると知ってはいたものの、目の前の若く優秀な青年と、研究成果を積み重ねている科学研究の専門家とが結び付かなかったからである。
しかし格式の高い著名な学会や協会が、清水氏の卓越した専門性と確実な研究能力を保証しており、全幅の信頼がおけるのだ。清水雄介氏は琉球大学形成外科の主任教授、病院長補佐であり、日本形成外科学会、日本美容外科学会の専門医であり、その名前は整形と形成分野のハイレベルな学会で頻繁に目にする。彼は日本の有名医学専門誌に掲載される常連でもある。医学は難しい分野であり、名医となるのは更に難しいが、若くして名医となったことは、後に続く人たちへの励みとなっている。
土地の優位性と国家の支援
読者の皆さんは琉球大学についてあまりご存知ないかもしれない。琉球大学といえば、まず大学のある沖縄県の地理と歴史を説明しなければなるまい。地理的には優位な位置にある沖縄県は、古来から東南アジアと東アジアの人的交流や物流の重要な中継点であった。琉球王国は中国と薩摩藩に対して共に朝貢関係を持っていたが、19世紀に入り中国の国力が弱まると、中国との朝貢関係は次第に崩壊し、沖縄の重要な意義に気付いた日本政府は機会をうかがって沖縄を自国の領土に編入した。しかし、太平洋戦争が終わると、敗戦国の日本は沖縄の統治権を失った。1972年、米国は沖縄の施政権を日本に返還した。
その後、日本政府は沖縄の地方経済の発展、住民の生活のために、様々な政策によって援助しサポートした。また沖縄県内唯一の国立大学として、また日本最南端の総合大学として、琉球大学も他の大学に比してさらに大きな財政支援と有利な政策を得た。1950年創立の琉球大学は、すでに70年の歴史を重ねているが、その中でも医学部は最も代表的な、最も国際的な影響力を持つ学部である。
青桐の樹に鳳凰が現れる
清水雄介氏は東京出身。1998年に私立大学の雄、慶應義塾大学を卒業、また2010年には同大学大学院博士課程を修了した。日本で医学を修めるには、厳格な研修制度があり、学生の間も病院の医師をしなければならない。清水雄介氏も慶應義塾大学医学部、国立成育医療センター、静岡赤十字病院などの有名病院の外科、耳鼻咽喉科、形成外科に勤務し、豊富な臨床経験を蓄積した。
2015年、琉球大学医学部に形成外科が設置されることになり、医学界で影響力のある専門家を探し、先頭に立ってもらいチームを作る必要が生じたのだが、期せずして数人の決定者の頭に清水雄介の名前が浮かんだのである。当時の清水氏はすでに慶應義塾大学形成外科の准教授となっていた。
「自由平等、寛容平和」という建学の精神を掲げる琉球大学は、若い学者にさらに成長する空間を与えるとしたため、清水氏はこれに応えて決然と沖縄へと向かった。琉球大学は人体幹細胞分野の研究に財力と物力の支援をしていることも、清水氏が30年以上暮らした大都市を離れ日本最南端へと向かう決心を後押しした。
清水氏は琉球大学で形成外科主任医師と琉球大学病院の病院長補佐を勤めている。名医と大学が手を組んで産学官連携の密接なシステムを構築し、研究成果を産業化に転化させた。産業化を活性化することで経済効果をもたらし、さらに研究開発の成果を深めている。
産学官連携を促し、国民生活を支援
2012年、京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の発見によりノーベル生理学・医学賞を受賞し、日本の幹細胞研究分野の成果が注目を集めた。しかし、iPS細胞はがん化のリスクがあることや臨床応用に多額の作製費用がかかってしまうことが欠点であった。それに比べて成人の身体から容易に採取できる体性幹細胞は、臨床応用や医薬品開発の可能性が高いと考えられている。清水氏が着目する脂肪幹細胞も体性幹細胞の一つである。脂肪は人体に対して有効な保護作用があるが、過量の脂肪は人体の健康に負担を及ぼす。清水氏は身体から余剰の脂肪を採取し、脂肪幹細胞を抽出・培養させ、日本初の「顔面陥凹性病変に対する培養脂肪幹細胞移植」を行った。また現在までに135検体の脂肪幹細胞を収集して分析を行い、異なる個体の幹細胞は増殖能力、分化能力などの面で違いがあることを発見した。
清水氏は、科学が実験室内だけのものなら少数の専門家の特権であり、それでは科学の発展が人類社会に利益をもたらすということは空論だと考える。研究開発に深く関わると同時に、彼は研究成果を全社会に波及させ、人類に恩恵を施し、国民生活を豊かにすることを目指している。彼は産学官を連携させることにより、人間の身体にある余分な脂肪から脂肪幹細胞を優先的に採取し、様々な疾患に応用することで、人々に幹細胞科学の魅力を体験して欲しいと願っている。その考えに基づき、清水氏は日本健び堂の要請を受け、技術総顧問として特別に就任、ロート製薬株式会社にも技術顧問として招聘された。
ODM化粧品
今年、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、各国政府ともに厳しい都市封鎖や入国制限措置を導入したことから、人とモノの移動が世界的に停滞し、経済に深刻な打撃を与えている。新型コロナウイルスは、化粧品業界にも大きな影響を与えており、日本の化粧品は昨年より出荷額が減少している。
新型コロナウイルス感染拡大によって、外出機会の減少、外出時マスクの徹底がなされるようになり、メイクアップ化粧品の消費が減っている。コロナによって、化粧品業界では厳しい状況が続いているが、化粧や美容への意識が変化したことで、新たなチャンスは生まれる。それは健び堂にとって新たな挑戦と良いチャンスとなる。
健び堂は清水先生の経験と知識・技術を活かした企画提案、処方開発から生産・製品化まで、トータルにお客様のご要望にお応えする。コスメのニーズが変化したことで、皮膚の組織再生や免疫力の改善を促進する多機能スキンケア化粧品を開発している。
今後も清水先生と手を取り合い、幹細胞化粧品を始めとする安心安全なODM化粧品をご提供していく。
志は高く、未来に羽ばたく
日本健び堂との提携とAGGシリーズ製品を清水氏は高く評価している。彼は幹細胞を広く社会に認知してもらい、生活に奉仕するという意志をさらに強くした。清水氏の研究チームは日本の再生医療分野のプロジェクト基金の後押しも受けている。国の専門機関に認められたことにより、清水氏はさらに研究を深化させ、慎重にエビデンスを獲得し、幹細胞の効果を発掘し続けている。
清水氏を代表とする医学専門家達の努力によって、琉球大学には日本初の「産業利用倫理審査委員会」が設立された。清水氏は琉球大学を日本、そして世界で大きな影響力を持つ再生医療研究基盤にしたいという。今後も人体の修復を助ける幹細胞の研究を進めていく予定である。その研究範囲は脂肪のみにとどまらず、臍帯、骨髄、歯などにも及ぶ。
人類の長い歴史の中で、科学の発達、医学の進歩によって、人類の生活の質は向上し続けている。近い将来、さらに生活に恩恵をもたらす研究成果が花開き、実を結ぶことを期待している。健康で、幸福な、楽観的な、美しい人生を送ることは、もう単なる望みではなくなるだろう。
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