在日中国系企業家の橋渡しで日中企業が互いの強みを活かし提携


(左)小川贒八郎 菱洋エレクトロ株式会社 代表取締役社長
(中)郭 為 神州数?控股集団(デジタルチャイナグループ)董事局主席
(右)王 遠耀 株式会社キング・テック(中王科技集団)代表取締役社長

従来、在日中国人が経営する企業は日本市場において『単独』でビジネス展開するケースが多かったが、市場が成熟するにつれ、生き残りを図るために日本企業と連携を組み、互いの強みを組み合わせて共同で中国と日本の市場を開拓し始めた。

2012年6月18日、日本中華総商会常務幹事、株式会社キング・テック代表取締役社長の王遠耀氏の精力的なあっせんにより、北京中関村に本拠を置く中国ITディストリビューター最大手の神州数碼控股公司(デジタルチャイナ)と日本の菱洋エレクトロ株式会社が正式に提携関係を結び、キング・テック、デジタルチャイナ、菱洋エレクトロ三社による業務提携が実現した。

在日の中国人企業家、王遠耀氏は1987年に日本に留学し、1996年の大学卒業後、日本IBMの関係する仕事会社に入社した後、2000年末に独立して、自身で株式会社キング・テックを設立した。

キング・テックはわずか10年にも満たない間に急速に成長し、中国と日本双方のIT市場で頭角を現し始めた。

王遠耀氏が創業の過程で痛切に感じたのは、中国人企業が日本で確固とした足場を築くのは容易ではなく、また日本企業も中国進出に当たって正確な情勢を把握することが難しいということだった。

そこで彼は2009年に日本中華総商会に加入すると、在日中国人企業と日本企業の協力の橋渡しをし、共同でアジア市場を開拓することに力を注ぎ始めたのだった。

2003年、キング・テックは中国最大のITディストリビューター(流通業)であるデジタルチャイナと資本提携を開始して中国市場を切り拓くと、2011年にはさらに半導体製品を中心とした日本の大手専門商社である菱洋エレクトロ株式会社と資本提携して、中国と日本の半導体やIT産業に新たな活力を注入したのだ。

今回、キング・テックがデジタルチャイナと菱洋エレクトロの提携を橋渡しして三社の提携が実現したことは、今後の日中間の提携強化と市場拡大の尖兵(せんぺい)となり、さらに多くの日中企業がともに繁栄の道を歩む先駆けとなるものだ。