華人女性企業家が架け橋に四川と広島の経済交流を促進


四川博覧事務局との経済提携調印式

日中国交正常化40周年記念の佳節にあたり、“日中国民友好交流年”記念イベントの一環として528日、『天府四川・日本行』が東京から始まった。東京、大阪に次いで、四川省の発展を促進し、四川省と日本の産業提携を結ぶため531日、甘霖四川省副省長を団長とする四川省友好代表団一行が広島に到着し、湯崎英彦知事と広島県の企業家たちによる熱烈な歓迎を受けた。

この訪問交流の架け橋となったのが、広島県在住の在日華人、株式会社中栄の村瀬施蓉代表取締役である。

広島県と四川省が友好提携を結んでから28年。主に農業に関する交流を行ってきた。中国経済の発展、西部大開発戦略の実施などに伴い、四川省はすでに中国内陸地区において、最も発展の早い消費マーケットのひとつとなった。

長年にわたり日中友好に力を注いできた村瀬施蓉氏は、祖国が飛躍的な発展を遂げたのを機に、広島県内の企業による四川省への投資促進を考えた。両県・省ともに経済がより一層発展することを願いつつ。

そのため、2011年、村瀬施蓉氏は広島県内の企業と中国企業との交流を促進するため、「国際企業交流会」を設立。日本企業に四川省の最新情報と投資コンサルティングを提供するとともに、広島県と積極的に協力し、日本企業の四川投資を応援するものだった。

その結果、同年、湯崎知事が四川省を訪問し、経済交流の覚書を締結した。これによって、四川省と広島県の関係は新たな協力段階に入った。この度の四川省友好代表団の広島訪問も彼女の努力の賜物と言えるだろう。

201261日、四川・広島企業フォーラムの席上、甘霖副省長は「四川省は資源・人口・経済ともに豊かで中国で最高レベルの省のひとつであり、中国の西部開発の重要な窓口である。大きな潜在力と広い提携領域を持っている。広島県内の企業の皆さまの投資を歓迎します」と発言。

また、広島県内の企業を同年9月に開催予定の「中国西部国際博覧会」に招致し、広島県との経済提携の意向を表明。このフォーラムにおいて、四川博覧事務局と広島信用金庫、ヤマコー株式会社及び株式会社中栄は総額20億円の提携契約を結んだ。

村瀬施蓉氏は『日本新華僑報』記者の取材に対し、次のように抱負を語った。

「今回、四川省代表団の広島訪問が実現したことを、とても喜んでいます。また、四川博覧事務局と提携できて、本当に良かった。今年9月、広島県内の企業とともに、四川省で開催される中国西部国際博覧会に参加する予定です。今後とも、彼らの広島への投資を促進したい。そして、四川省企業の広島への投資誘致も行っていきます。四川と広島との交流発展のために、私は甘んじて『いしずえ』になります」

いかなる情勢下でも、日中の経済交流は絶えることなく進展している。今後のさらなる経済交流を図る上で、在日華人の力は軽視できない。村瀬施蓉氏は自ら努力して、日中の架け橋たらんとの志を具現化した。今後もより多くの在日華人が、彼女とともに「交流の橋」を広げることだろう。