元文化庁長官の「二重の慶事」を中日の友人が祝福

 

11月21日夕、平山郁夫シルクロード美術館の平山廉理事長と株式会社黄山美術社の陳建中社長を発起人とする、「文化功労者・青柳正規先生の喜寿を祝う会」が、東京の日中友好会館で行われ、中日各界の友好人士50余名が祝福に訪れた。

 青柳正規氏は1944年、中国・大連生まれ。日本の著名な歴史学者、考古学者である。西洋美術史、西洋古典考古学における功績は突出している。文化庁長官時代には「文化立国論」を提唱し、長年、中日両国の文化交流事業の推進に力を注ぎ、両国国民の相互理解を促進した。

 孔鉉佑駐日中国大使は祝電を寄せ、次のように述べた。「この度の青柳正規先生の文化功労者選出を、中国駐日本大使館、そして私個人と致しまして、謹んで心よりお祝い申し上げます。先生の中日両国でのシルクロード等の分野における精力的な交流活動は、中国政府機関および中国の民衆から高い評価を得ており、両国の友好関係の促進と相互理解の増進に大きく貢献してこられました」。

 日中友好会館の黄星源中国代表理事は、次のようにあいさつした。「青柳正規先生が、喜寿(77歳)のお誕生日の前夜に、栄えある文化功労者に選出されましたことは『二重の慶事』であります。青柳正規先生のお力添えにより、近来、中国で開催されました『平山郁夫シルクロードコレクション展』および『匠の心の極致――日本伝統工芸展』は大成功を収めることができ、中日両国の文化交流に大きく寄与されました。われわれは青柳正規先生の『二重の慶事』をお祝い致しますとともに、明年の中日国交正常化50周年における中日文化交流にも、さらなるご尽力をいただきますことを願っております」。

 株式会社黄山美術社の陳建中社長は、本誌の取材に答えて語った。「文化への造詣が深い青柳正規先生は、『文化立国論』を提唱され、文化には、両国関係に好影響を与え、国民の相互理解を促進する上で、かけがえのない役割があるとの確信をおもちです。先生は多くの文化交流の計画、準備、運営に直接携わってこられました。それらの文化交流が残した痕跡は、末永く影響力をもち続けることでしょう」。

 多くの来賓が青柳正規先生への贈り物を用意していた。本誌編集長の蒋豊は、二本の茅台酒を持参した。祝賀会が終わる頃、青柳正規先生は嬉しそうに話した。「もともと、茅台酒は5杯はいけますが、今、中国の国酒は手に入れるのが難しいようですので、3杯でやめました」。

 「柔よく剛を制す」。文化功労者・青柳正規先生の喜寿の祝賀会には、文化交流の結束の力が解き放たれ、充満していた。