中国弁護士研修団が来日し、西村あさひ法律事務所と交流

8月4日、中国各地から集った弁護士、学者31名から成る研修団が来日し、8日間の日程で訪問交流活動を行った。

8月8日、日本で最も長い歴史と最大の規模を誇る総合法律事務所である西村あさひ法律事務所が、研修団の要請に応じて交流セミナーを開催し、ともに若手弁護士の育成や中国関連の法律業務について討議した。西村あさひ法律事務所の執行パートナーである保坂雅樹弁護士が挨拶し、中国業務の責任者を務めるパートナーの伊東啓弁護士、外国法パートナーの張翠萍弁護士がそれぞれ基調講演を行った。

保坂雅樹弁護士は「中国弁護士訪問団の皆さまの来訪を心より歓迎致します。本日、中国各地から集われた経験豊富な弁護士の先生方と交流できますことは、当法律事務所にとっても、日中両国の交流にとっても大変に有益なことです。このような貴重な機会をいただきましたことに感謝するとともに、皆さまがこの交流会で多くの収穫を得られますことを願っています」と挨拶した。

中国の徳和衡法律事務所パートナーの牟菲弁護士が訪問団を代表して挨拶し、「中日両国の法律の交流には長い歴史があります。近年、両国の経済協力は年々深まりを見せ、法律分野における交流の重要性は増すばかりです。西村あさひ法律事務所は日本の企業法務のパイオニアとして、絶えず企業戦略の革新的ソリューションを切り開き、法律の分野における理念と実践を牽引し、中国の同業弁護士の尊敬と評価を勝ち取って参りました。この度、西村あさひ法律事務所と深く交流を結べますことを大変光栄に思います。そして、この訪問・交流を通して相互理解が深まり、中日の弁護士間で業務提携の機会が増えることを願っています」と述べた。

交流会では、伊東啓弁護士と張翠萍弁護士が、主に西村あさひ法律事務所の概要と若手弁護士の育成及び中国関連の業務について講演を行った。

両弁護士の紹介によると、西村あさひ法律事務所は、弁護士の特性を尊重し、組織機構の一体化と業務のクオリティを重要視することを経営理念とし、規模においても専門能力においても業界の第一人者である。現在、西村あさひ法律事務所は日本の四つの主要都市に事務所を構え、海外には提携事務所、関連事務所、駐在員事務所等11の海外拠点をもち、およそ600名の弁護士が、国内外のトップ企業及び金融機関、日本の行政機関、海外の政府機関、国際機関に法律相談サービスを提供している。さらに、日本と中国大陸間の投資、貿易の法律関連業務だけでなく、香港、台湾、シンガポールを加えた大中華圏及びその他諸外国との広範なクロスボーダー取引等の関連の法律サービスを提供している。特筆に値するのは、西村あさひ法律事務所は対日投資、対中投資、企業買収、契約交渉、知的財産権等の分野で豊富な実務経験をもつ日本人弁護士と中国人弁護士のチームであるという点である。

中国弁護士訪問団のメンバーは真剣に耳を傾けながら、法律事務所の人員構成、中国と日本の大手法律事務所の特長と管理構造の違い、中日の法律事務所業務の異なる点、弁護士の採用ルートと育成システム、政府機関への人材出向の具体的な形態、人材育成コストと人材流失、近年における中国の対日投資と日本の対中投資の変化等について質問を行い、伊東啓弁護士と張翠萍弁護士から懇切丁寧な回答があった。

近年、中日両国の経済交流は深化し続けている。両国の企業は相手方市場に参入する際に、戦略実現のためには先ず専門的な法律サービスの助けを借りなければならないとの認識をもっている。中国弁護士訪問団のメンバーも西村あさひ法律事務所の二人の講師もともに、引き続き中日の経済交流活動を全面的に支援していきたいとの意向を表明した。

交流会終了後、中国弁護士訪問団の一員である、北京極光弁護士事務所首席パートナーの周麗霞弁護士は取材に応じ、「来日前に、西村あさひ法律事務所は日本で最大の規模を誇る法律事務所と聞いていたので、この交流会に参加することを楽しみにしていました。お二人の先生から紹介のあった人材育成システム、チームワーク、業務内容、ワンストップサービスモデル等、すべてが大変勉強になりました。今後、弁護士人材の採用と育成を彼らのモデルから学び、優秀な学生を一から育成していきたいと思います。一人のクライアントに全力で奉仕するという理念にも大いに啓発を受けました」と語った。