中国黄酒の芳醇な香りを日本へ
紹興酒PRイベントを東京で盛大に開催

8月22日、紹興酒をPRするイベント「紹興黄酒日本行」が、東京帝国ホテルで盛大に開催された。今回の紹興日本視察団は馬衛光紹興市委書記が引率し、日本に黄酒文化と中国伝統の美酒である黄酒「古越龍山」を紹介するとともに、紹興で開催される第25回紹興黄酒フェスティバルに日本の同業者を招致することを目的としている。

馬衛光紹興市委書記、海江田万里衆議院議員が挨拶し、孔鉉佑中国駐日本大使、日本経済団体連合会・経済外交委員会企画部会の清水祥之部会長、法政大学国際日本学研究所の王敏教授、WGD(株式会社ワールド・グッドデザイン)の中西元男総代表、紹興市委宣伝部の徐荻常務副部長、紹興市柯橋区の瀋志江区委書記、紹興市上虞区の陶関鋒区委書記及び日本の各界の代表、紹興市の関連部門、区、県(市)の担当者等約100名が出席した。

はじめに、紹興市の馬衛光市委書記が紹興の輝かしい歴史と文化について紹介し、「紹興は恵まれた気候と地理的環境、千年にわたって蓄積された醸造技術によって、独自の黄酒醸造業を発展させてきました。黄酒は中国の代表的なお酒であり、世界三大発酵酒のひとつで、悠久の歴史があります。紹興酒と日本酒の関係にも長い歴史があり、日本人にも愛されてきました。日本は醸造技術や文化クリエイティブ産業において先進的な側面が多く、今後も中日が協力を強化し、共に黄酒文化を大いに発揚していきたいと願っています」と語った。

海江田万里衆議院議員は紹興市視察団に心から歓迎の意を表し、1970年に魯迅文学の研究のために紹興を訪れ、以来、紹興を心の故郷と思い、数年毎に訪問していると紹介した。さらに、海江田議員が曹操の詩を詠じると、会場の拍手は鳴り止まなかった。
続いて、紹興市宣伝部の徐荻常務副部長が、第25回紹興黄酒フェスティバルの開催を宣言し、組織委員会を代表して、中日各界の代表に参加を呼び掛けた。

最後に、孔鉉佑中国駐日本大使、海江田万里衆議院議員、馬衛光紹興市委書記によって鏡割りが行われ、日本の友人たちに再び芳醇な紹興の黄酒「古越龍山」が振る舞われた。紹興市が日本に紹興酒のプロモーションに訪れた目的は、紹興黄酒の知名度とブランド好感度を高め、海外市場を開拓し、「古越龍山」ブランドと紹興の豊かな文化的観光資源をアピールすることである。

イベント終了後、馬衛光紹興市委書記は本誌の取材に応じ、次のように語った。「紹興市はこれまでに、日本の七都市と友好都市関係を結んでいます。今後は、一致協力して紹興酒のプロモーションを行うだけでなく、紹興の文化人、紹劇、書道等の紹興文化を伝承・発揚し、時代の変化に応じて、国内外に向けた宣伝活動を展開して参りたい。今年は中日青少年友好交流年でもあり、我々は中日の青少年の文化交流を広げていくことを活動の焦点と考えています。今回の日本訪問で、我々は紹興の文化をプロモーションするだけでなく、名古屋、京都、大阪を訪れ、日本の製造業を視察し、酒蔵、トヨタ自動車の工場、大疆創新科技有限公司の日本支社を見学し、紹興と日本との間にさらに強固な協力の基盤を築いていきたいと願っています」。

紹興は2500年の歴史を有し、中国初の国家歴史文化名城であり、古越、会稽、山陰、越州、呉会とも呼ばれ、日本との関係は緊密であった。紹興市は近代化が急速に進み、人口は常に500万人を超えている。上海から高速鉄道で僅か一時間の距離で、長江デルタ地域の重要都市、杭州湾沿岸地域の中核都市、杭州都市圏の副中心都市であり、総体経済は中国の三線都市では上位に位置する。伝統とモダンが結合した文化形態は、この街の人文風景を見事に融合させている。

黄酒は中国独自の伝統ある美酒で、文化的な価値を有し、国内外で高い評価を得ている。紹興黄酒の醸造の歴史は7000年にも及び、2500年前にはその記録が残されている。中国の代表的な酒類であり、黄酒は紹興市のシンボルとされてきた。紹興酒とはすべての黄酒の代名詞である。紹興市政府は黄酒製造を優れた強い産業にすることを重要な戦略と位置付け、継続して国内市場にも力を入れながら、近年は東南アジア等の海外市場も開拓している。紹興黄酒の国際市場での知名度と影響力を高めていくことが、業界の重要な取り組みとなっている。

日本は中国の隣国であり、経済・貿易協力の最も重要なパートナーである。また、両国には似通った飲酒の伝統や消費習慣が多くあり、日本は一貫して黄酒の消費大国であり、紹興の主要な海外黄酒市場である。この度、紹興市の視察団が日本を訪れ、黄酒文化のプロモーション活動を行い、各界の来賓を招いて紹興黄酒の試飲会を開催したのは、消費層をさらに拡大し、有識者とともに新たなブランドマネジメントを探求するためである。紹興は改革開放後の大きな変化を伝えながら、多くの日本人に紹興を理解してもらい、日本市場で紹興黄酒の販売銘柄と数量を拡大し、上質の紹興黄酒のシェアを徐々に拡大してきた。それは、紹興市が今回の訪日で伝えたかったメッセージでもある。