撫順市第一中学訪日研修団が実り多き研修

1月24日、在日華僑の趙詩蔓女史の企画、本誌の協力による、中国・撫順市第7次青年交流団・撫順市第一中学訪日研修団の研修がスタートした。当研修団は引率の6名の教員と32名の生徒によって構成され、研修は8日間の行程で行われた。研修行程には、これまでの研修団とは異なる以下の5つのハイライトがあった。

ハイライト1日本の高等学校を訪問

1月25日、財団法人千葉県日中友好協会の手配により、研修団一行は千葉県立松尾高等学校を訪問し交流を行った。当校は日本の文部科学省指定のスーパーグローバルハイスクール(SGH)であり、海外の第一線で活躍できるグローバル人材の育成を目標に掲げている。交流会では、松尾高等学校の佐藤校長が挨拶し、「我々は今回の交流をずっと心待ちにしていました。日中両国の学生が相互理解を深め、心を通わせることによって、国際感覚を磨き日中友好を促進することができるでしょう」と語った。その後、一行は教室に移動し、松尾高校の3年生とともに「やさしい日本語」の授業を行った。「やさしい日本語」は松尾高校の3年生の生徒たちが、2020年の東京オリンピックを迎えるに当たって、より多くの外国人選手やスタッフが、日本滞在中にスムーズに交流できるようにと自ら考案した、カードによる実践型の授業である。彼らの考案による類似のカードは、2018年に日本で開催されたソフトボールの試合でイギリスの選手が試用し好評を博した。引き続き、撫順第一中学の生徒と教員は『海よ、わがふるさと』と『あかとんぼ』の歌声を披露し、松尾高校弓道部の手ほどきで撫順第一中学の生徒たちは弓道を体験した。

ハイライト2日本の最高学府――東京大学を訪問

1月26日午前、研修団が待ち望んでいた東京大学の見学が行われた。研修団を案内したのは、東京大学の博士課程に学ぶ6名の中国人留学生であった。生徒たちにとって彼らは憧れの先輩である。留学生が引率し、研修団は6つのグループに分かれてキャンパス内を見学するとともに、先輩たちから日本の大学への出願制度や勉学の経験について話を聞いた。

ハイライト3「再生の大地」合唱団と交流

「再生の大地」合唱団は中日友好を熱望する日本の市民によって結成された合唱団である。当合唱団は、撫順戦犯管理所が日本の戦犯たちに行った感動的な教育改造の物語を描いた歌を12曲創作している。撫順は、当時の日本の戦犯たちから「再生の大地」と呼ばれ、「撫順の奇跡」とも称されている。生徒たちが会場に入ると、高齢の団員たちは中国語で「歓迎(ようこそ)」と書かれたプラカードを掲げて彼らを迎えた。高齢の18名の団員たちは40分間立ち通しで、12曲の合唱を披露した。真剣な歌声に耳を傾け、多くの生徒たちが感動の涙を流していた。

ハイライト4ホームステイ

「再生の大地」合唱団との交流を終えると、ホームステイ先のホストファミリーとの面会が待っていた。32名の生徒が13のホストファミリーと面会し、2泊3日のホームステイが始まった。この度のホームステイは日中友好協会東京都連合会の田中義教理事長の尽力によるものだ。ホストファミリーは世世代代の中日友好を願って、中国の生徒たちを受け入れた。ホームステイによって彼らは日本人の真心と中日友好に対する努力を感じ取るとともに、日本の文化を学んだ。わずかな期間であったが、ホストファミリーと中国の生徒たちは別れを惜しみ、深い友誼を結んだ。そして、彼らの心田には中日友好と世界平和の種が植えられた。

ハイライト5国会議事堂を見学

本誌の手配により、一行は日本の政治の中心にも足を運んだ。一行は衆議院第二議員会館で、本誌編集長・蒋豊の講義を聴講し、歴史と現実の側面から見た中日関係の発展と変化について学ぶとともに、中日関係は若者に託されているということを深く胸に刻んだ。青年議員である公明党の伊佐進一衆議院議員が一行を歓迎し、「日中友好の基盤は民間にあり、青少年にあります。両国は隣国であり、日中の友好平和関係は世界の平和と発展に直接影響するため、両国の世世代代の友好は必ず成し遂げなければなりません」と語った。この後、生徒たちは、本誌編集長・蒋豊の引率で日本の政治の殿堂―国会議事堂内を見学した。

生徒たちは、「今回の訪日研修を通して、視野を広げることができただけでなく、日本で様々なことを直接体験し、科学技術が日本社会の発展をもたらしたことも知りました。今回学んだことを活かし、帰国後もしっかり勉強してイノベーション人材に成長し、科学技術強国の建設に貢献していきます」と決意を語っていた。