中国養蜂業は「匠」の道へ 2018年養蜂産業高品質発展国際フォーラムが開催

「環境こそ財産」という展示場の内外に貼られた横断幕が目を引いた。論壇の両側には、「中国養蜂業に匠の精神を」、「世界の養蜂業に敬意を表する」というスローガンが掲げられた。12月4日から6日まで、中国品質万里行促進会エコ養蜂業専門委員会主催、『人民日報海外版日本月刊』などが共催する「2018年養蜂産業高品質発展国際フォーラム」が中国・広州市でおこなわれ、「2018年国際養蜂展示会」も同時に開催された。ここでは習近平総書記による環境重視の「両山」理論の遂行を推進するだけでなく、新中国の歴史においてはじめて名匠への道を歩む50万戸の養蜂農家に敬意が表された。また「高品質」を決め手として養蜂業に切り込んでいくだけではなく、さらに中国の養蜂業をグローバル化させ、世界に受容される新しい起点となった。

今回の活動は、中国国家市場監督管理総局などの関係機関に重視されており、国家イノベーションと戦略研究会、ブランド中国戦略計画院、中国国薬励展展覧有限公司などからも大きなサポートを受けている。

現場では、今回の展示会出展者は範囲が広く、数も多く、広範な養蜂業関係者と関連産業のサプライチェーン、インターネット、文化普及などの分野の100社に及ぶ企業が出展しているのを目にした。出展機関は中国の20余りの省、市、自治区に及び、展示品はスマート養蜂ツール、パッケージ、バイオ製薬、機能食品など数十種類にのぼった。そのうち、陝西省延安市、河南省長葛市、湖北省神農架中蜂保護区が中国の主要なエコはちみつ生産地の代表として専門チームを組織して参加し、中国のエコはちみつ生産地規格化策定の最新の成果と大きな潜在力を展示した。ニュージーランド、オーストラリア、トルコ、日本などの国や地域の海外の団体も出展し、活動の国際性を示した。

12月5日午後、2018年養蜂産業高品質発展国際フォーラムが開幕した。中国品質万里行促進会の劉兆彬会長、中国工会会計学会会長、中華全国総工会元党組織メンバーである、書記処の王瑞生書記、人力資源と社会保障部の楊士秋元副部長、元国務院参事、中国品質万里行促進会の郎志正副会長、ニュージーランド・マヌカハニー協会のジョン・ラクリフ主席、世界養蜂協会責任者、国際的な養蜂の専門家であるエミール氏、中国品質万里行促進会エコ養蜂業専門委員会の惲銘慶主任、ブランド中国戦略計画院の劉徳冰副院長、中国中薬協会中薬トレース専門委員会の趙潤懐理事長、中国貧困撲滅開発服務公司の安宏超総経理、陝西省延安市、河南省長葛市、湖北省神農架中蜂保護区の自治体のトップ等がフォーラムに出席した。

国家イノベーションと発展戦略委員会会長であり、中国共産党第十四期、十五期中央委員の鄭必堅氏と、日本の衆議院議長である日本養蜂協会の大島理森会長が祝電と揮毫を寄せ、今回の展示会と国際フォーラムの開催を祝った。


中国品質万里行促進会会長劉兆彬

中国品質万里行促進会の劉兆彬会長はあいさつの中で、「わが国の経済は高度成長から高品質な成長の段階へと転換しており、エコ養蜂業の構築は高品質な成長という主流に密接に関連しており、差を直視し、交流を強化し、短所を補わなければならない」と強調した。さらに、一気に「高品質、高ブランド化、高効率、高収益、優秀な人材、高技術、高エコ、高サプライチェーンという総体的要求」という「8つの高さ」の要求、さらに、「小規模養蜂を大規模産業にし、健康、エコ、文化を大規模化し、産業の高品質化と高収益化を実現したい」という「四つの希望」を打ち出した。


中国品質万里行促進会エコ養蜂業専門委員会主任惲銘慶

中国品質万里行促進会エコ養蜂業専門委員会の惲銘慶主任は、中国エコ養蜂業振興プロジェクトが実施されて以来、国家の関連機関、業界組織、地方自治体、研究機関と養蜂業関連企業の注視とサポートを得て、中国養蜂業はすでに消費のレベルアップ、国際競争の新時代へと突入しており、エコ養蜂業の確立と「両山」理論を、貧困撲滅、スマート農村、国民の大健康戦略と有機的に結合させ、高品質な成長の堅持を揺るがせず、匠の精神の堅持を怠らず、イノベーション成長の堅持を確実にし、現在の業界の高品質・高基準を飛躍的に発展させると述べた。


ニュージーランド・マヌカハニー協会主席ジョン・ラクリフ

中国工会会計学会会長である中華全国総工会元党組織メンバー、書記処の王瑞生書記と人力資源と社会保障部の楊士秋元副部長は、それぞれ匠の精神の発揚と人材育成強化について重点的に述べた。ニュージーランド・マヌカハニー協会のジョン・ラクリフ主席と陝西省延安市林業局の付天平局長はそれぞれ国際的業界組織と国内はちみつ生産地管理部門を代表して祝辞を述べた。元国務院参事、中国品質万里行促進会の郎志正副会長、迪信通集団の劉東海会長、世界養蜂協会責任者、国際的養蜂専門家のエミール氏はそれぞれ基準の設立、モデル刷新、トレーサビリティー・システムなどについて基調講演をおこなった。

今回のフォーラムは「養蜂業」「高品質」「国際」の三つのキーワードをめぐり、国内・国際企業家と専門家・研究者の2会場でのサブフォーラムを開催した。本誌編集長の蒋豊がサブフォーラムの司会を務めた。

今回のフォーラムでは社会に向けて正式に「中国養蜂業名匠」リストが発表された。関係部門による全体的な評定と選出を経て、王品紅、張建武、梁昆、崔成林、孫旺東、張世元、周長興、高景林、安伝遠など9名の養蜂業者が「中国養蜂業名匠」にエントリーされた。同時に、今回のフォーラムでは正式にエコ養蜂業はちみつ生産地の認定業務の開始を公表し、中国エコはちみつ生産地環境保護を規範化し指導する。

中国品質万里行促進会エコ養蜂業専門委員会の惲銘慶主任は本誌のインタビューを受けた際、中国は養蜂業大国ではあるが、大きくても強くないのは周知の事実だと述べた。エコ養蜂業専門委員会は2017年に設立して以来、この局面を迅速に逆転させるという方針をとっている。専門委員会は全業界で習近平総書記の打ち出した「環境こそ財産」の「両山」理論を広く宣伝し、『中国共産党中央国務院の品質向上アクションに関する指導意見』を徹底して実行し、イノベーション駆動、品質第一、エコ発展とAI牽引などの国家発展戦略を堅持し、信用、品質、健康、専門、エコの発展理念を貫徹し、中国エコ養蜂業発展の現状と結び付け、チャンスとチャレンジ、改革イノベーション、鋭意進取、政府と社会の各分野の積極的なサポートと多くの養蜂業者の広範な参与によって、努力して実践し、積極的に新しさ、エコ、品質、フィンテックが率いる産業化発展という養蜂業の新路線を探求している。

惲銘慶主任はさらに以下のように述べた。この一年、エコ養蜂業専門委員会は計画の策定、基準の制定、ブランドの創出、ハイテクの牽引、産業化計画などの新しい方法により、品質を向上させ、価値を突出させてきた。良質なはちみつ生産地を育て、養蜂業名匠チームを養成し、はちみつの品質を向上させ、優良品により偽物を駆逐し、良質なブランドを創出する。AIとフィンテックを用いて先進技術のサポートを提供する。陝西省延安市など革命老区と協同して「エコ養蜂業振興プロジェクト」と「紅星照輝プロジェクト」を構築することで、革命老区と未発展地域の広範な養蜂業者の貧困撲滅、財富の創出を援助する。オーストラリア、ニュージーランドなどの国際養蜂業協会と連携を強化し、戦略提携協議を締結するなどにより、中国養蜂業の国際的な発言権と競争力を強化し、共同で公共財を産出する。つまり、エコ養蜂業専門委員会は一連の措置によって中国のエコ養蜂業の迅速なレベルアップと産業転換の発展を牽引し、効果は顕著であり、養蜂業の急速な成長を力強く促進している。

今回の展示会では「品質、エコ、健康、成長」をテーマとし、世界的な養蜂業発展の最新のトレンド、技術、産業とサービスを全面的に反映させ、重点的に中国エコ養蜂業振興プロジェクトの実施以来の優れた成果を重点的に展示している。

今回の展示会は地域化、技術化に顕著な特徴があり、陝西省延安市、河南省長葛市、湖北省神農架中蜂保護区を代表とする地方自治体、国有企業が参加し、習近平総書記の「環境こそ財産」という重要思想と養蜂業振興、美しい農村の建設、貧困撲滅の実現を有機的に融合させ、大きな成果を得た。海南省養蜂業学会、河北省青竜県養蜂業協会を代表とする業界協会は、業界組織がサービス、研修などの方法によって、現地の養蜂業の発展のために有益な試みを推進していることを展示した。上海能鏈衆合科技公司などのニューテクノロジー企業は展示会にブロックチェーン技術サービス養蜂業の最新の成果をもたらし、参加者の耳目を一新させた。

展示会とフォーラムに参加した外国企業の代表者たちは、今回のイベントでは中国の養蜂業の品質に対する新しい探求を目にしただけでなく、そこから中国の国民生活の品質がまた向上することが予測できると語った。