在日華僑女流画家の呂娟氏
シンガポールの「一帯一路」芸術展に出展

在日華僑女流画家である呂娟氏が、シンガポール第8回『翰墨伝情』芸術展組織委員会の招請に応じ、同展の審査員を務めるとともに、7月30日から8月5日まで、『一帯一路翰墨伝情』芸術展の一環として、個展を開催した。

 

今年5月には、鄭州で河南省政府文化庁による呂娟『一帯一路•牡丹と桜の対話』絵画展が開催されている。呂娟氏にとって、この度の個展は「一帯一路」をテーマとした海外初の展示会となった。

シンガポール『翰墨伝情』芸術展はこれまでに7回開催され、毎回、国内外から著名な書画家を招聘している。第7回には中国遼寧の画家宋雨桂、第6回には同じく中国遼寧の画家陳学良、第5回には在米の書画家謝天成らを招聘している。呂娟氏は、シンガポール『翰墨伝情』芸術展が招聘した初の女流画家である。

呂娟氏は河南省鄭州市に生まれ、留学、就労を経て、日本での生活は28年になる。ここ数年、日本の著名な華人書画家で東京新画派を創立した金醒石氏や、日本の著名な女流画家の福田千恵氏の下で、水墨画、彩墨画、岩彩画、日本画等を学び、中日の絵画の融合に力を入れるとともに、西洋の技法も取り入れるなど、独自のスタイルを生み出している。

呂娟氏は創作への心構えについて、こう語る。「芸術とは個性の追求です。創作に当たっては、特に、『垣根を超える』ということにこだわっています。国境、形式、民族の垣根です。私は日本画を学ぶ過程で、中国画の要素が多くあることに気づきました。私の作品で、日本で最も権威ある美術展である日展に入選した日本画の『桜』は、日本画の顔料を使用し、大半は中国画の基本画法と運筆法を取り入れていますが、日本の関係者や専門家の方々からも評価していただきました。私は中国の宣紙(安徽省宣城で産する紙)と文筆、日本画の画法と顔料にこだわり、独自のスタイルを創り出すことに努めてきました」。

「芸術で架け橋に」との思いで、呂娟氏はこの度の芸術展に、自らの『ひまわりシリーズ』、『桜シリーズ』、『牡丹シリーズ』を出展し、花を愛し、芸術を愛するシンガポールの人びとに披露するとともに、開かれた心で地域文化と世界文化の発展と交流に貢献した。

8月3日、呂娟氏は、シンガポールのマリーナベイサンズで開催された、「第8回『翰墨伝情』芸術展プレジデントチャレンジチャリティディナー企業家サミットフォーラム」に出席し、ハリマヤコブ大統領の協力も得て、『牡丹図』と題する自らの作品をオークションにかけ、落札された。

シンガポール大統領が海外華僑画家とともにチャリティ活動を行うのは、今回が初めてである。呂娟氏はさらに、『梅花』、『ひまわり』の二作品をオークションに出品し、売上金のすべてを慈善事業に寄付した。氏は記者に語った。「この度の企業家サミットフォーラムのテーマは、『世界貿易改革』です。これは、アメリカが保護貿易主義に走る中、特別な意義をもつものです。シンガポールは既に、中国との『一帯一路』建設に関する政府間の覚書に署名しています。在日華僑企業は、『一帯一路』建設に参画するだけでなく、新たな切り口で強力に推し進めていくべきです」。