上海交通大学老子書院代表団が桜の季節に来日
日中の老荘学者が鳩山会館で活発に交流

桜花咲き薫る四月、上海交通大学老子書院訪日団一行20数名が東京を訪れた。一般社団法人日本徽商協会の張書明会長の手配により、鳩山会館において、新境地を開く日中思想哲学交流会が開催された。これには鳩山由紀夫元首相が招かれ出席した。

『人民日報海外版日本月刊』副編集長の原田繁が進行役を務め、上海交通大学哲学科の教授である老子書院の杜保瑞院長と東京大学名誉教授で老荘思想研究の第一人者である蜂屋邦夫氏の間で、日中両国に大きく影響を与えている儒教、仏教、道教の三つの中国哲学をめぐって熱い議論が繰り広げられた。

杜保瑞教授は、「儒家思想の聖賢たちの気概はそれぞれ異なりますが、目的は同じく国を救い民を救うことです。その代表的人物である王陽明は、『知行合一』(知識と行為が一体であること)を旨として、知識人は他のために学を修め、社会国家のために学を修めるべきだと説いています。また、道家思想の代表は老子、荘子、列子ですが、老子は聖賢の道を、荘子は芸術の哲学を、列子は武術の哲学を説いています。仏教は彼岸を命題とし、死後の永遠の生命の哲学を探求しています。中でも、中国で生まれた禅宗は日本で異彩を放ち、日本の多くの建築、文芸、美術は禅宗の精神を宣揚しています」と指摘した。


鳩山由紀夫・元首相

蜂屋邦夫名誉教授は、「王陽明の思想は日本でも江戸時代に大いに信奉され、明治維新にも深い影響を与えました。老荘思想は日本の文学作品にも影響を与え、著名な俳諧師の松尾芭蕉や作家の夏目漱石等の作品には老荘思想をうかがうことができます」と語り、さらに、「中国では神道を神道教と呼んでいるため、日本の神道と中国の道教は関連していると誤解されがちですが、実際にはこの二つはまったく別のものです」と強調した。


杜保瑞・上海交通大学老子書院院長

蜂屋名誉教授の中国思想哲学研究に関する著作は豊富で、その多くが中国語に翻訳され中国で出版されている。今回の交流活動を記念して、蜂屋名誉教授から上海交通大学老子書院に多数の著作が贈られた。そして、杜保瑞教授から蜂屋名誉教授に対し、老子書院で講義をとの強い要請があり、今後、学術交流をより一層深めていきたいと望んだ。

上海交通大学老子書院訪日団の楊長彬団長、趙寰学生監、許業元総務からも素晴らしいコメントが寄せられた。


蜂屋邦夫・東京大学名誉教授

鳩山由紀夫元首相は、「中国を訪れた際、正に多くの若き革新的起業家が台頭しており、彼らは儒家思想や道家思想を企業の核心的文化として確立すべく、社内では常に中国の古典哲学が学ばれているとうかがい、素晴らしい変化だと感じました。日本の企業もここから積極的に学んで欲しいと思います。上海交通大学老子書院が中国文化の理論と実践を融合させ、定期的に国内外で学習活動や学生交流を行っておられることは称賛に値します。上海交通大学老子書院は中国の道家文化の現代における体現者であり伝承者であると言えましょう」と称えた。