経済作家呉暁波氏 東京大学で講演

初冬の陽光の下、樹齢百年のイチョウに黄色く染まる東京大学の伊藤国際学術研究センターで、2017年11月27日、中国の著名な経済作家・呉暁波氏が、「中国経済と訪日観光」をテーマに講演を行った。400人収容の大教室に100脚の椅子を加えても空席はなく、シンポジウムには530人が参加した。中国駐日大使館の王軍総領事、日本政府観光局の柏木隆久理事が挨拶し、日本旅行業協会の志村格理事長、北京吹米科技有限公司の劉暢董事長、日中コミュニケーション株式会社の可越董事長らによる活発な議論が展開された。

呉暁波氏は、中日間で“便座論争”を巻き起こしたことで知られる。2015年1月25日に発表したコラム―「日本に温水便座を買いに行く」は、数日間でアクセス数が数百万にも上り大きな反響を呼んだ。熱い世論を巻き起こしただけでなく、業界の有力者たちも相次いで声を発し、その年の両会でも度々取り上げられたほどで、日本での温水便座の爆買いを招き、中国に温水便座ブームを呼んだ。氏はこの一文で、昨今の中産階級について「理性的消費者の中堅であり、簡単には騙されないし広告に踊らされたりもしない。新技術や斬新な体験にお金を使うグループ」と指摘している。では、彼らの旅行スタイルはどのような動向にあり、日本への「爆買い」旅行はどう変化するのか。聴衆は呉暁波氏の見解に注目した。

呉暁波氏は鄧小平氏が訪日した際の写真から話を始め、四十年にわたる中国の改革開放政策の成果について言及し、データと写真で中国の経済改革の進展を振り返った。さらに、出席した日本の業界関係者に、「東洋の素晴らしい暮らしをともに構築し、日本の資本・技術力と中国の起業ブームがタイアップすることで、今後日本にもチャンスが生まれるでしょう」と呼びかけた。

中国の中産階級の消費マインドの高まりによって、日本への観光客は増加の一途を辿り、消費スタイルは変化し、ショッピング型から文化体験型へと移行している。そこで、主催者である北京吹米科技有限公司の劉暢総裁は、当社が開発した旅行プラットフォームアプリ「伴米」を紹介した。これは有料の旅行者向けガイドアプリで、5000人の達人たちによる現地のとっておきの情報が掲載されている。劉暢総裁はさらに「世界新KOL(キーオピニオンリーダー)募集計画」を紹介し、より多くの達人を仲間に加え、身近にある最高の旅の攻略法を共有していきたいと述べた。

当フォーラムは、北京吹米科技有限公司(伴米旅行)が主催し、日中コミュニケーション株式会社、中国駐日大使館領事部、日本政府観光局、一般社団法人日本旅行業協会が後援。日本観光経済新聞、ジャパンショッピングツーリズム協会、USPジャパン株式会社、全日空、株式会社ネットスターズ、交通銀行東京支店が協力した。