「第一回中日私立大学学長シンポジウム」を東京で開催

8月25日、第一回中日私立大学学長シンポジウムが東京で開催された。中国職業技術教育協会副会長の兪仲文教授、上海教育国際交流協会会長の姜海山博士の引率による中国の10の私立大学と、日本の20の私立大学の学長が一堂に会し、私立大学はグローバル教育の国際化の趨勢に如何に対応すべきかをテーマにディスカッションを行った。

昨今、中日両国の高等教育交流が盛んであるが、私立大学によるシンポジウムの開催は初めてである。日本の私立大学は高等教育の普及、さらには日本の経済、科学技術の発展に大きく貢献してきた。日本には700の大学があり、うち私立大学は600で、77%以上を占めている。中国には700の私立大学があり、全体の28%前後を占め、ほとんどが90年代に創立されている。歴史は浅いが何もないところから紆余曲折、刻苦奮闘を経て著しい成果を上げ、中国の高等教育の多様化、国民生活の不断の成長と多元化する教育ニーズに応える重要な役割を果たしている。

中国の私立大学の使命は、専門技術者の養成であるが、私立大学の教育のグローバル化は緒に就いたばかりで基盤は脆弱であり、国際交流を強化する手だてをより多く講じる必要がある。日本の私立大学は、多くの専門技術者を養成して日本経済の急成長を支えた。また、日本は世界で最初に大学の国際化戦略を打ち出した国である。しかし、少子高齢化は深刻で、今後、教育資源の過剰現象に直面するであろう。当シンポジウムの目的は、双方の大学間の理解を深め、今後のリーダーの相互訪問、専門分野の協力、教員交流、留学生の派遣などで一定の合意に達することである。

当シンポジウムは、中国職業技術教育学会私立職業技術教育委員会、上海教育国際交流協会が日本の一般社団法人日中科学文化技術センター、NPO法人JAFSA (国際教育交流協議会)、公益社団法人東京都専修学校各種学校協会、日本華人教授会議と共同で発起し、有和風教育集団及び上海工商外国語職業学院が運営、中国駐日大使館教育処が後援した。

東京理科大学学長で、著名な光触媒研究の第一人者である、中国工程院会員の藤嶋昭博士が招かれ、自身と中国学術界との関係を紹介しつつ、中国の伝統文化に対する深い造詣を窺わせた。岩手県立大学の元学長で国連大使を務めた谷口誠氏は、21世紀はアジアの世紀であり、アジア各国は共に手を携えて発展すべきであると語り、習近平主席が提唱する「一帯一路」構想に賛同の意を示した。

東京都専修学校各種学校協会会長で、ハリウッド大学院大学学長の山中祥弘氏及び上海市私立教育協会専門家委員会副主任、上海建橋学院創立者で学長兼副董事長の黄清雲氏がそれぞれ基調報告を行った。山中氏は日本の専門技術者の養成法やねらいについて解説し、共感を得た。黄氏は中国及び上海の私立大学の現状と現在の日本との教育交流について詳しく紹介し、交流の強化と協力の推進を訴えた。

午後の学長交流でシンポジウムは山場を迎え、中日の10の大学の学長が、テーマに沿ってそれぞれの大学の国際交流活動を紹介するとともに、協力をさらに進めていきたいとの意向を表明した。一日という時間では双方物足りず、今後議論すべき課題は多いと感じたシンポジウムであった。全参加者が大筋で合意し、こうした教育交流を継続していくことを希望し、今後は中日で交互に開催される。