中国企業が「アニメジャパン2017」に出展
世界が中国アニメの「ソフトパワー」を評価

桜花爛漫の季節、日本のアニメは100周年を迎えた。3月25日、26日、世界最大級のアニメイベント―「アニメジャパン2017」(主催:一般社団法人アニメジャパン、後援:経済産業省、一般社団法人日本動画協会)が、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。アメリカのオバマ前大統領がかつて、「日本が生み出したアニメは世界言語となった」と語ったように、国境、人種、年齢、性別などすべての壁を越えた自由で快活な文化は世界が認めるところとなった。

100年前の1917年、日本初のアニメ作品『なまくら刀』が誕生してより、100年間のタイトル数は1万1546作品、話数で16万エピソードを超えている。1917年から1919年の間に33作品だったのが、2010年から2015年には3564作品が生まれている。

この100年で、日本のアニメは数の上で爆発的成長を遂げただけでなく、手塚治虫、藤子不二雄、鳥山明、尾田栄一郎、井上雄彦等、優れた漫画家を次々と生み出していった。多くのアニメ作品によって日本文化は世界中に広まった。

「アニメジャパン2017」には世界中からアニメファンが集結した。出展企業は234社、作品数は170点にのぼった。中でも中国企業が大きな注目を集めた。

北京漫聯創意科技有限公司、北京魚肚白動画設計公司、広州動漫行業協会、北京璀璨星空文化発展有限公司のブースの前には人だかりができ、中国のアニメ作品への問い合わせが殺到した。中国アニメがこれまでにないスピードで世界に広がっていることを痛感した。では、中国のアニメ制作会社が出展した目的は何だったのか――。

北京漫聯創意科技股份有限公司は中国の優秀な漫画・アニメのサプライチェーンであり、アニメジャパンへの出展によって、中国のアニメ・漫画を日本及び世界に発信したいとしている。

CEOの夏霓氏は「現在、日本は世界の優秀なアニメ作品を中国に紹介し、中国のアニメも世界に進出しています。中国アニメを日本に広めるために、中国のアニメを日本で制作したり、日本のアニメを中国に紹介するなど共同制作の形を進めたい。当社は全力で中国の優れたオリジナル作品を世界に紹介し、中国のソフトパワーの発信源になっていきたい」と語った。

広州動漫行業協会は文化産業に30年間従事している。

協会の責任者は、「広州のアニメ・漫画産業は政府の強力な支援を得て大きく成長しています。今回は協会に所属する10社がトップレベルの20数作品を携え、国際舞台で世界の優れた企業と競演することを目的に来日しました。もう一つの大きな目的は、日本から学び、広州のアニメを多元的に発展させることです。さらに、国産アニメの門戸を大きく開き、コンテンツ、IP版権の普及・拡張にも努めたい。これぞ中国アニメ!との意気込みをお見せしたい」語った。

北京魚肚白動画設計有限公司は、リリースされて3カ月のアニメ作品『女子学生寮の日常』を出展し、日本市場への参入を計画している。

ブースの担当者は、「この作品はネット配信されてわずか3カ月で、1.7億クリックを超え30万人が投稿するという、成功した中国アニメの代表作の一つです。この作品はリアリティを追求し、大学生の生活を忠実に描き、大学生の共感を呼び人々の好奇心を駆り立てています。制作スタッフが事前に世界各国のアニメを通覧し、優れた点を集約したことで、このようなユニークな作品が誕生しました」と語り、「我々はまずストーリーにこだわり、視聴者が求めるリアリティを大事にし、画像にも注力しています。こうした努力によって、いつか日本アニメを超えることができると信じています」と自信を覗かせた。

日本には歌舞伎、中国には京劇がある。北京璀璨星空文化発展有限公司は『京劇猫』を出展した。

ブースの担当者は、「この作品は中国文化の色彩が濃く、当社は初めてのオリジナル作品によって、中国文化を伝承する文化建設事業の先駆者となりました。2015年~2016年、『京劇猫』のアニメシリーズは中国の数十のテレビ局で放映され、全国の同時間帯で13.5%の高視聴率を獲得し、何度もトップに輝いています。ネットによる配信は7億回を超え、繰り返しアニメチャートの一位を獲得し、国産アニメの記録を塗り替えました。中国市場で大きな成果を収めた『京劇猫』は、今年下半期の日本上陸を計画しています」と述べ、「民族的であってこそ世界に通用するのです。従って我々は『京劇猫』で中国文化を世界に広め、世界の文化交流を進めようとしているのです」と話した。

この世界最大級のアニメイベントを見て感じたのは、アニメは国境を越えたソフトパワーであるということだ。それは日本だけの専売特許ではない。中国企業においてもアニメの革新、創造、逆輸出が大きく前進している。これは中国のソフトパワーの多様化、国際化の表れと言えよう。