日本の観衆を魅了「漢字は中日文化交流の礎」
東京で『漢字三千年』展が開幕
在日新華僑が三年の歳月をかけ企画

『漢字三千年』展――いま再び、日本の民衆の眼前に中国文化の饗宴。

10月18日午後、在日新華僑・陳建中氏が率いる黄山美術社が三年の歳月を費やして企画した『漢字三千年』展が、中国人民対外友好協会、中国文物交流中心、日中文化交流協会、毎日新聞社の共催により、東京富士美術館で盛大に開幕した。

日本ではすでに、陳建中氏の黄山美術社は“中国文化の饗宴の提供者”として広く認知されている。2008年、黄山美術社が中国の37の博物館から200点の文物を選定・企画した『大三国志展』は、日本の七大都市を巡回し来場者は延べ101万に達し、日本で開催された中国文物展覧会の新記録を樹立した。2012年には再び『地上の天空―北京故宮博物院展』を企画し、日本中を揺るがした。来場者は延べ105万人に達し、再び中国文物の国外展覧会の最高記録を打ち立てた。そしていま再び、三年の歳月を費やして6の省・市を訪れ、17の博物館から23点の中国一級文物を含む110点を選定し、『漢字三千年』展として打ち出したのである。

日本の創価大学を卒業した程永華大使は日本語で挨拶し、「漢字は中華文明の悠久の文化と歴史を記しているだけでなく、東アジア文明の発展に大きく貢献してきました。中日両国はともに漢字を使用し、漢字は両国の文化の橋渡し役、仲介役としての重要な役割を果たしてきました。本展覧会が、日本の皆様の漢字の歴史と中国社会への理解を深め、両国の文化交流と協力を推進し、相互理解と友誼を深める機会となることを確信致します」と語った。

中国人民対外友好協会の李小林会長からは祝電が寄せられた。この日のために北京から駆け付けた中国対外友好協会の戸思社副会長が挨拶し、「漢字には中国五千年の文化が刻まれており、現在の世界の文字体系の中で最も完璧で、構造が緻密な、音、形、意味の三位一体の文字であります。遣唐使から清朝の留学生に至るまで、漢字が両国の文化交流と友好往来を育んできたことが分かります。ですから、漢字の影響力を掘り下げ高め続けること、深い歴史的背景を遡ること、現代の世界の文化における漢字の価値を掘り起こすことには大きな意義があります」と述べた。

中国文物交流中心の王軍主任は両国各界関係者の『漢字三千年』展への尽力に深謝し、「『国の交わりは民の相親しむに在り、民の相親しむは心の相通ずるに在り』といいます。文化交流は中日関係に非常に重要な役割を果たします。本展覧会を通して、多くの皆様が漢字の興趣、神秘、魅力と奥深い意味を感じ取り、両国民衆の相互理解、両国の友好交流の促進に大きく貢献するものと信じます」と述べた。

東京富士美術館の原田稔名誉館長は、「漢字には未来を拓く力があります。漢字は人々に希望と幸福と平和をもたらします。漢字には先達の知恵が詰まっています。『漢字三千年』展で紹介されている一文字一文字は、両国の未来を明るく照らしゆくことでしょう」と熱く訴えた。

ある日本の学者が記者の取材に答えた。「『漢字圏』、『儒教圏』、『仏教圏』は中日文化交流の『基軸圏』です。中国で生まれた漢字は日本文化の基底部となり、その上で生み出された『和製漢字』は中国文化に回帰し、現代の中国語に溶け込んでいます。日本人は漢字に対して他の国家・国民にはない特別な感情を抱いているのです」。