飲食業界の無人化を進めるスマートレストラン

レストランの厨房では、ロボットアームがずらりと並んだ棚から料理を取り出す。食事ホールでは、配膳ロボットが美味しい料理を客の席に運ぶ。これは多くのスマートレストランの日常的な光景だ。自動化、スマート化、無人化のスマートレストランが近年ますます盛んになり、飲食業の高度化・モデル転換の新たなトレンドの一つになっている。

テクノロジーチックなレストラン

スマートレストランの「スマート」とはどこにあるのだろうか。このほど北京市朝陽区の海底撈スマートレストランを取材した。

ショーウィンドウを通して、厨房で数台の白のロボットアームが料理を乗せる棚の近くでリズミカルに動いていたのは自動配膳装置だ。海底撈新技術研究開発センター研究開発マネージャーの胡傑氏は、「客の注文後、コンピューターシステムが配膳装置に情報を伝える。ロボットアームが配膳業務を行い、人による配膳の作業量を大幅に減らす。海底撈が独自に開発したスマート厨房管理システムは、厨房スマート設備のブレインだ。システムがスマート厨房の各部分のデータを集め分析を行い、リアルタイムで厨房の運営状態、生産状況、在庫状況などをチェックする。例えば消費期限を過ぎそうな料理があれば、自動的に判別し取り除くことができ、料理の質をより良く保てる」と述べた。

配膳ロボットが好評

新型コロナウイルス感染症の発生後、飲食業界におけるロボットの需要が拡大を続けている。産業チェーン川上で、新松、優地、擎朗智能など多くのスマートロボットメーカーが続々と同分野の研究開発に取り組んでいる。

うち擎朗智能の配膳ロボットは、配膳や食べ終わった皿の回収などが可能で、さらに自主的に障害物を回避できる。「非接触」をより良く実現するため、ロボットにはさらに新機能が追加された。

料理が運ばれた後、客が確定ボタンを押さなくても、ロボットは自ら感知し来た道を戻る。例えば外婆家レストランはスマートロボットの導入により人員の接触を減らした。

客がQRコードで注文を行ってから、配膳ロボットは各テーブルのメニューにより配送するとともに、会計の支払いコードを提示し、食事の全プロセスにおいて人手によるサービスを必要としない。

擎朗智能の統計データによると、配膳ロボット2台で20~30テーブルの食事に対応でき、飲食企業の人件費を効果的に削減し、作業効率を高める。

擎朗智能の関係責任者は「効率、コスト、食品安全の視点から考えると、飲食スマート化のたゆまぬ発展に伴い、業界全体の無人配送など新技術への依存がますます強まることになる」との見方を示した。