寧夏回族自治区のスイカをPRするオンライン・レコメンド従事者
2019年のダブル11(11月11日のネット通販イベント)では、ネット有名人やスターが次々登場する商品PRのライブ配信が、このショッピングイベントをこの上もなく熱狂的にした。発表されたデータによると、8時間55分で、淘宝
(タオバオ)のライブ配信経由の取引額が100億元(約1543億円)に達し、業者の半数以上がライブ配信を通じて流れを引き寄せ新たな伸びを達成した。ここ1年間の間に、こうした「ショート動画+ネット有名人のライブ配信+EC」による「オンライン・レコメンド経済」が猛烈な勢いをみせ、社会現象と言えるほどのライブ配信パーソナリティーを生み出し、社会で幅広く話題になった。
人材募集サイト・BOSS直聘が11月12日に発表した報告書「『オンライン・レコメンド経済』従事者現象ウォッチング」は、同経済の背後にいるより多くの従事者の実際の生活状況を記したもので、人材ニーズの状況、賃金、恋愛・結婚などさまざまな角度から分析を加えている。関連の調査対象は同経済の従事者2342人で、主にショッピング番組の司会、ビジネス、ショート動画の企画制作、仲介人、ライブ配信の運営など商品PR生態圏の中核的業務を担う人々だ。
業界市場は爆発的に拡大
公開されたデータによると、2018年には淘宝(タオバオ)のオンライン・レコメンド経済の規模が1000億元(約1兆5430億円)を突破し、2021年は5000億元(約7兆7165億円)に達する見込みだ。同経済の業界市場は爆発的に拡大し、大勢の人材を引きつけ、業界の平均収入の増加率は高い。データでは、2019年の平均収入は1万570元(約16万3100円)に達し、2018年より17%増加する見込みだ。
オンライン・レコメンド経済業界の人材ニーズ上位15都市をみると、広州が2位にやや差をつけて首位に立ち、ECの本拠地とされる杭州が2位、マルチチャンネルネットワーク(MCN)機関が集まる北京が3位、深圳が4位だった。新たに加わった成都は5位で、トップレベルのMCN機関が多くあることが後押しした。国内最大の女性向けコスメ・ファッションMCN機関の「摩卡視頻」や国内最大のグルメ垂直型MCN機関の「癮食文化」などは成都にある。
注目されるのは、人材ニーズ6位の上海は、関連ポジションの平均提示給与額がトップの1万2160元(約18万7670円)だったことだ。李佳琦の東家美ONEをはじめとするトップレベルMCN機関は月給が6万元(約92万5980円)を超えるポジションも多く、現地の平均給与水準を大幅に引き上げている。
戦いでは二極分化
データによると、オンライン・レコメンド経済従事者の一日あたり平均労働時間は8-12時間で、最長で10時間以上配信を続けたことがあるとした人は17.8%に上った。これはつまり、同業界従事者の多くは起きている時間のほとんどをカメラの前で過ごしているということだ。
こうした体力勝負、頭脳勝負のオンライン・レコメンド経済の戦いでは、二極分化の傾向が非常に顕著だ。同業界従事者で最高月収が1万元(約15万4330円)に届かない人は76.6%に上る。
最低賃金に出来高を加えた賃金体系がオンラインレコメンドの成長にとっては非常に重要だが、各プラットフォームのアクセス数の大部分は少数のトップレベルライブ配信パーソナリティーに偏る傾向があり、発信者の多くは仕事がなくて困っている。
同経済従事者のうち業界入りして半年未満の人が66.3%に上り、転職を検討中は58.2%に上り、この新興業界は大波にもまれながら淘汰されるのが日常になっており、やめるか転職するしかない人が大勢いる。
オンライン・レコメンド経済業界の人材ニーズの爆発的増加と人材確保の不安定さに対し、雇う側は低学歴で見た目の良い農村出身の若者を選ぶようになってきた。データによると、同業界従事者の75.7%が4年制大学より低い学歴で、農村出身が49.7%に上る。陝西省の遠隔地の農村から来たライブ配信パーソナリティーは、「苦労はいとわない。家族のために新しい家を建てたし、今は家族を4人養っている」と話す。
ワインをPRするオンライン・レコメンド従事者
独身の従事者が多い
データをみると、オンライン・レコメンド経済従事者の57.3%が20-25歳と若く、結婚適齢期だが、半数以上が独身だ。同報告書によれば、独身の従事者の71.6%が、「恋人がいない主な原因は恋愛より先にお金を稼ぎたいから」としている。
コスメ情報を発信するkikiさんは、「毎日起きている間はライブ配信をして、食事をする時間もないのに、恋愛する暇なんてどこにもない。この仕事は自分の才能を食いつぶす仕事で、自分にはそれほどたくさん時間は残されていない」と笑う。
商品を選び、キャッチコピーを考え、ヘアメイクをして、撮影をする。これを全部1人でこなすのが、大部分のオンライン・レコメンドライブ配信パーソナリティーの日常生活だ。アシスタントのいる人は想像するほど多くない。
調査研究データでは、ライブ配信パーソナリティーのチームの44.3%はメンバーが1人しかいない。オンライン・レコメンド経済業界が発展を続ける中、ネット有名人とスターが同じ土俵で競うようになって、同業界のルールに対する人々の認識がどんどん変わり、偏見も次々打ち破られている。データによると、ライブ配信パーソナリティーの60%以上が家族に認められ応援されているという。
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