インターネットの発展には高齢者が必要

アリババのある求人情報が2018年1月16日、微信(WeChat)のモーメンツで話題を集めた。その求人広告とは「ベテラン淘宝ユーザー研究員」の募集広告でその中のある2点が特に注目を集めた。それは募集年齢が60歳以上であること、そして年収が30~40万元(約500~700万円)であることだ。


天津西沽公園で運動している年配者たち

アリババのこの募集広告は、職場と市場ニーズが地域の限界に次いで、年齢の限界をも打破したというインターネット時代の一つの特徴を示している。従来の仕事は、そのほとんどが65歳になると、定年せざるを得なかったが、今は高齢者向けの仕事も生まれるようになっている。

アリババが高齢者を募集する目的は何だろうか。それは高齢者の角度から、家族向けの電子商取引サービスを深く体験することによって、問題を発見してフィードバックすること。つまり、アリババの今回の求人は製品の高齢者市場の進出に役立たせることを狙っているのだ。

アリババだけでなく、広場ダンスなどをする高齢者に注目し始めるほかの企業もある。ある企業は高齢者の広場ダンス活動を賛助することによって、微信グループを作り、各地の特産物を宣伝していくなかで、高齢者市場の大きさを発見している。高齢者は微信グループの運営と特産物の宣伝をサポートするだけでなく、購入前の質問に対する回答やアフターサービスまですすんで担当する。このように電子商取引サービスにおける高齢者のグループには莫大な潜在力を備えた市場が控えていることがわかる。

高齢者とは往々にして忘れ去られやすい人々であり、より多くの注目と関心を必要としている。先日、ある高齢者が4年間で約20万元(約345万円)の保健商品を買っていたことが報じられた。その原因は寂しさから誰かに話し相手になってほしかったからというものだった。この高齢者にとっては、保健商品が効くかどうかは関係なく、お金を払ってでも付き添いサービスを買えるならば損ではないということなのだろう。このニュースは高齢者向けの消費市場の乱れた現状を反映しているのと同時に、高齢者たちの寂しさを物語っているといえる。

モバイルインターネット時代にはいり、スマートフォンを持ち、微信や淘宝などを登録し使用する高齢者も増えてきている。だが、彼らに相応しいコンテンツや製品が多いとは言いがたい。国内の高齢化社会の到来につれて、高齢化経済及び高齢者向けのコンテンツやオーダーサービスが必要となってきている。インターネットは高齢者を忘れてはいけないということを念頭に、この分野に先に進出した人々は、そこで経済的な利益を獲得できるだけでなく、社会からの優れた評価を得ることもできる。