シェアリングエコノミーはいかに世界を変えるか

「シェアリングエコノミー」は「共有経済」や「共同消費」とも呼ばれる。国家発展改革委員会の定義によると、これはネットワーク情報技術を利用し、インターネットプラットフォームを通じて分散した資源の配置を改善し、資源利用効率を高める一種の新型経済モデルを指す。横方向において、シェアリングエコノミーは交通や宿泊などの共有から、オフィス、資源、知識などの共有に徐々に広がりを見せている。縦方向において、シェアリングエコノミーはサービス業から製造業に拡張しており、産業チェーンの川上・川下に深く浸透している。

中国のインターネットシェアリングエコノミー業界の規模は、2015年に2兆2300億元(約36兆647億円)を突破した。2016年の市場取引額は約3兆4520億元(約55兆8275億円)で、参加者は前年より約1億人増の6億人に達した。国家情報センターシェアリングエコノミー研究センターによると、シェアリングエコノミーは今後数年にわたり年平均40%前後の高度成長を維持し、2020年には取引規模のGDPに占める割合が10%以上になる見通しだ。一部のシェアリングエコノミー分野における中国の革新は、すでに世界トップレベルに達している。

そして中国の自動車保有台数が増加を続けており、「インターネット+駐車」をモデルとするシェア駐車場が流行している。長期的に見ると、駐車場の増築、駐車データ運営、インターネット駐車サービスなどの新産業モデルの普及は、スマート駐車業界の高い潜在的需要を引き出す。総合的に見ると、中国のスマート駐車規模は1000億クラス以上に達する。

参考となる他国の過去データがないため、中国のシェアリングエコノミーは革新が活発化し、急速に発展すると同時に、認識の未統一、制度の不備、保障の不健全といった問題が存在している。その発展は、多くの課題に直面している。発改委は「シェアリングエコノミー発展指針(意見募集稿)」の中で、モニタリング管理メカニズム、市場参入、信用システム、法律・法規、権益保護、労働関係、税制などのマニュアルを打ち出した。

全国20都市以上でカーシェアリングサービスが提供されているが、その発展の問題と課題はシェア自転車を大きく上回る。調達コストと停車コストが高くつき、関連施設が整備されていない。いかに拠点や充電スポットの不足を補い、ナンバープレートを取得するかが焦眉の急となっている。

住宅共有プラットフォームについて、既存の市場主体機関がほぼ形成されている。途家、小猪短租、Airbnbを始めとするC2Cモデルが市場のトレンドになっており、発展の高い潜在力を秘めている。

そして近ごろ、カラフルなシェア自転車を、都市部のあちこちで目にすることができるようになった。同業界のリーディングカンパニーとなっているofoと摩拜単車が2017年3月までの資金調達額は計100億元(約1617億円)以上に達しており、さらに資金調達の間隔が非常に短かった。

共有Wi-Fiにより、遊休インタネット資源を効果的に利用し、現金に変えることができる。所有者はWi-Fiを収益源とし、自分のホットスポットをネットワーク内に置き、利用者の累計利用時間などによって収益を手にする。ネットユーザーはアプリをダウンロードすれば、無料でWi-Fiを利用できる。しかし共有Wi-Fiは玉石混交で、個人情報漏洩のリスクがある。