ネット有名人を養うのは誰か

ライブ中継で数十万元(1元は約15.4円)を稼いだとか、百万元を稼いだとかいったニュースは枚挙に暇がない。ネット有名人のライブ中継は今や多くの人がうらやむ高所得獲得の手段だ。それではライブ中継の高い報酬を支払っているのは誰なのか。人気ライブ中継サイト・花椒直播(携帯電話対応のソフトウェアでもあり、中継を通じてネットユーザーと相互体験を楽しめる)のプレゼント番付の公開データをみると、このプラットフォームを通じてネット有名人が1年間に稼いだ金額は15億元(約244億5400万円)に上るという。


オンライン中継中のネット有名人

同プレゼント番付の上位100位に並んだネット有名人は月収がいずれも10万元(約163万円)を超えており、1万元(約16万3000円)を超える人は1万人以上いる。ライブ中継産業のギャラの割合についての調査によると、人気ライブ中継サイト・映客直播の7対3が標準で、プラットフォーム側が7割、有名人側が3割を取ることが多い。花椒のように攻めの戦略を採り、有名人側の取り分を8割にして、業界の平均を遥かに上回るというプラットフォームも少なくない。プレゼントだけをみても、花椒で有名人は毎年約15億元(約244億5400万円)以上を稼いでいる。

第三者調査機関の頭榜が7月に発表したライブ中継収入上位100人リストをみると、モバイル中継サイトの双璧とされる花椒と映客の有名人の収入を比較することができ、花椒は57人が番付入りして映客をやや上回った。両プラットフォームのライブ中継の収入総額は1億1800万元(約19億2400万円)で、花椒が6761万元(約11億円)で映客の5089万元(約8億2964万円)を上回る。番付上位10位の有名人は、収入が200万元(約3260万円)を超えており、エンターテイメント界の第一線のスターと肩を並べるほどだ。ライブ中継プラットフォームはネット有名人が生きるために稼ぐ場所となっており、有名人と気前のよいファンたちのために淘宝(タオバオ)や中小企業のような経済が循環する生態システムを構築している。

ネット有名人たちはライブ中継の「いいね」で稼ぐだけでなく、より大きな発展や想像の可能性ももっている。通信販売、イメージキャラクター、オフラインの活動など、さまざまな商業活動があり、ネット有名人達はビジネス界でイメージキャラクターの候補になりつつある。またエンターテイメント界に進出する中継も多く、大手プラットフォームは有名人育成プランを相次いでうち出している。今や、ネット有名人のライブ中継は変身して高額を稼ぎ出す職業として確立している。就職情報サイト・中華英才網の研究院がまとめたデータでは、2016年にネットのライブ中継をした人の年間所得は50万元(約815万円)を超え、ソフトウェアの技術者を上回り、ライブ中継は最も稼ぎのよい職業の一つになっている。