「ダブル11」に天猫が12分で約2000億円達成

2014年のショッピングイベント「ダブル11」(11月11日)で、アリババ(阿里巴巴)は一日の売上高571億元(約1兆1025億円)という通信販売業界の奇跡を成し遂げた。この数字は2015年、いとも軽々と超えられた。日付が変わった11日午前0時からの1分12秒間で、アリババ系ネットショッピングモール天猫(Tmall)の取引額が10億元(約193億円)を超え、このうちモバイル端末による取引額が81.82%を占めた。2014年のダブル11では、アリババ全体で10億元を達成するのには3分がかかっている。また天猫は12分28秒で取引額100億元(約1930億円)を達成し、うちモバイル端末での取引額が74.83%を占めたという。2015年の「ダブル11」一日間、アリババの売上高は912億元(約1兆7495 億円)と記録を更新した。

「独身の日」に最初に目を付けたのは通信販売の巨人アリババで、2009年に初めてショッピングイベントを開催すると、この日は徐々に世界最大規模の通販優待デーへと変貌を遂げていった。毎年この日になると、さまざまなチャンネルの通販事業者が大挙して値下げキャンペーンを繰り広げ、一日の売上高はすでに米国の「ブラックフライデー」(感謝祭翌日の金曜日)や「サイバーマンデー」(感謝祭休暇明けの月曜日)などのネットショッピングイベントを超えている。

2015年のダブル11はイベントとしては7回目だ。アリババの張勇最高経営責任者(CEO)は10日に浙江省杭州市にある杭州技術指揮センターで、「今夜8時までに、モバイル版淘宝(タオバオ)の訪問者数は1億3000万人に迫り、2014年のダブル11のピーク値を上回った。2014年の1秒あたりの注文件数8万件との世界記録を土台として、弊社の技術チームは今年、1秒あたり12万件の注文件数、6万件の決済件数という記録を達成したい考えだ」と述べた。

張CEOは消費者のモバイル端末利用の動きの変化に対応するため、「2015年の天猫は『出勤退社』という2つのタイミングで大規模キャンペーンを予定しており、消費者が移動中でも各種キャンペーン活動に参加できるようにする。11日午後には時間限定の優遇イベントもうち出す」と述べた。

国際化が今年のダブル11の大きな特徴でもある。11日の午後10時30分には、米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)が、2015年天猫ダブル11グローバルイベントのため、特別に遠距離で取引開始の鐘を鳴らすイベントを開催する。NYSEが中国のネット企業のためにこのようなイベントを準備するのは今回が初めてのケースだ。張CEOは、「ダブル11はコース料理。私たちは料理の1品1品を用意して、すべての人に楽しいネットショッパーになってもらいたい」と述べた。