サイバー空間において中米は協力すべき

中国の習近平国家主席が9月23日、シアトルで中米インターネットフォーラムの出席者と面会した際のインターネット問題についての演説は、協力・ウィンウィンを核心とする新型の大国関係の理念をサイバー空間に応用する中国側の誠意と願いを反映したものだった。

一時期から米国の朝野は中国によるサイバー攻撃を非難し、「中国サイバー脅威論」を誇張する発言が溢れ、さらには中国の企業や個人に対する制裁を鼓吹し、準備してすらいる。中米首脳会談の前に発せられたことから、こうした情報が対中圧力の意図を持つことは明白だ。

伝統的な安全保障と比べるとサイバーセキュリティーは比較的新しい概念だが、日増しに重要性を高めている。習主席が指摘したように、社会の情報化が急速に発展する今日、インターネットはいたる所に存在し、安全で安定した繁栄するサイバー空間が一国さらには世界の平和と発展に対して持つ意義は重大性を増している。

サイバー空間の中米関係は伝統的分野の中米関係の特性を反映し、溝と共通利益が併存し、競争と協力が併存する状況を呈している。

サイバー大国である中米はサイバー分野ですでに相互依存関係を形成しており、両国共にサイバーセキュリティーを自らの肝要な利益に関わる重大な問題と捉えている。自らの安全を強化し、自国の利益を確保するために相手国の利益と安全を損なうことがあってはならないのは明らかだ。非衝突・非対立はサイバー空間においても中米関係の守るべき一線となるべきだ。

中米はサイバー空間に対する関心が異なり、立場と主張も多少異なる。これは客観的事実だ。こうした溝が両国関係発展の障害となるべきではない。双方は相互尊重の姿勢に基づき、対話を通じて溝を縮小し、すぐに解消できないものは効果的に管理・コントロールすべきだ。米側が何かというと中国の政府と軍当局をサイバー攻撃の黒幕と疑い、さらには制裁に訴えると脅すことは、双方の対立を招くだけだ。

習主席が指摘したように、中国はサイバーセキュリティーの揺るぎない擁護者であり、中米が相互尊重と相互信頼を基礎に、サイバー問題について建設的な対話を行い、中米協力の目玉をつくり、サイバー空間が両国および世界の人々により良く幸福をもたらすようにすることを主張している。この発言は戦略的、長期的観点から中米がサイバーセキュリティーの苦境に陥らず、サイバー空間の協力・ウィンウィンを実現するための道筋を示したものだ。

習主席はシアトルでワシントン州と米国の友好団体による歓迎会で演説した際「中国はサイバー犯罪を共同で取り締まるハイレベル対話制度を米国と築くことを望んでいる」と表明した。米側は中国側の善意と誠意に前向きに応じ、中国側と同じ方向に向かい、両国の相互信頼と協力を強化し、国際サイバー空間の平和・安全・繁栄を共同で守るべきだ。