都市別ネットユーザーの 性格研究を発表

中山大学(広東省広州市)ビッグデータ伝播実験室と広東省中山市インターネット文化協会は7月2日、中国初の「中国ネットユーザー性格研究報告」を、同省広州市で発表した。

同報告によると、中国全土の67都市のうち、発信力が最も高いのは安徽省合肥市のネットユーザーで、日常生活に関する投稿を頻繁にしている。話題のニュースに最も注目しているのは浙江省温州市のネットユーザー。最も「理性的」なのは、陝西省咸陽市のネットユーザーで、最も「感性ある」のは浙江省杭州市のネットユーザーだった。起業に対する熱意指数が最も高かったのは北京、上海、広州市のネットユーザーだった。

中国においてネットユーザーが急増し、インターネットの普及率が日に日に高まるにつれ、インターネットを通して何かを表現したり意見を述べることが活発化している。2015年の「政府活動報告」は、「インターネットプラス」という国家戦略に言及している。クラウドコンピューティングのデータ処理と応用スタイルを基にした同戦略により、中国の国民の生活が一層便利になると期待されている。その他、政策に刺激され、イノベーションや起業をめぐって、中国の国民が実際の行動に出ており、注目を集める話題となっている。

このような現状を背景に、同研究は、2014年微博(ウェイボー)における書き込みをベースに、ビッグデータや数理統計を運用し、「ネットユーザーの注目能力」「批評・思考能力」「発信力」との3つの角度から、中国のネットユーザーの表現の仕方や性格を描き出している。また、最新の百度指数(キーワードの検索数やその推移が見られるツール)と合わせて、中国全土の都市のネットユーザーのイノベーションや起業に対する注目度を分析し、「起業指数」をはじき出している。


スマートフォンを通じてインターネットを利用している若者たち

最も「感性ある」のは杭州のネットユーザー

統計によると、温州市のネットユーザーが最も「真剣」で、法治や政治、経済などの話題に最も注目している。最も「理性的」なのは、咸陽市のネットユーザーで、ネット上での表現方法が最も論理的だ。最も「感性」があるのは、浙江省杭州市のネットユーザーで、表現方法が比較的感情的。しかし、同時に最も「ポジティブ」で、「信じる」や「満足」などの言葉がよく使われている。

発信力の分野を見ると、最もランキングを投稿するのが好きなのは合肥市のネットユーザー。微博における投稿率も高い。しかし、同地のネットユーザーの各種ニュースに対する注目度は下位に沈んでおり、日常生活関連の投稿が多い。その他、投稿が好きなのは、北京や深?、杭州、広州、南京、上海、海口(海南省)、天津、武漢市(湖北省)などのネットユーザーだ。

一方、テキスト解析プログラム・Linguistic Inquiry and Word Count(LIWC)によるビッグデータの分析によると、咸陽や石家荘(河北省)、常徳(湖南省)、杭州、北京などのネットユーザーが、感情の表現の点で理性的で、政治関連のニュースに対する注目度も明らかに高い。最も「感性ある」ネットユーザーランキングトップは、杭州市で、中国随一の景勝地で、古来、 多くの詩人に詠まれてきた西湖がある同都市のイメージとも合致する。

「起業指数」上位3位は北京、上海、広州

ネットユーザーの「起業指数」上位10都市は、上から順に北京、上海、広州、成都(四川省)、杭州、鄭州(河南省)、深?、蘇州(江蘇省)、武漢、西安(陝西省)。北京、上海、深?、広州、武漢、成都、西安の7都市は、中国国家発展・改革委員会が「起業・イノベーション」が活発な都市として言及している都市だ。ネット上で注目されている話題やニュースなどは、起業に対する熱意をある程度反映している。

起業指数によると、今年上半期、「仕事を探すのが難しい」と書き込んでいる大学生が、2014年同期と比べて31.5%減少した。うち、北京、上海、広州、成都、杭州、鄭州、深?、蘇州、武漢、西安の10都市の減少幅が最も大きかった。


アリババの決済サービス「支付宝」を使っているネットユーザー

起業に対する熱意が最も高い省は広東省

ショッピングサイト・当当網の統計によると、起業系書籍の販売量が大幅に増加している。14年、同サイトで販売された「起業・イノベーション」系の図書は計160万冊で、13年に比べて32%増となった。15年に入り、社会全体の起業に対する注目度が上がり、同ジャンルの図書の1~2月の販売数は前年同期比40%増に達した。図書の消費データは、各地域の企業に対する熱意を反映している。同サイトの統計によると、起業系図書の3分の2(100万冊以上)が中国全土20都市(地級市以上の都市の統計に基づく)で購入されている。うち、購入数が最も多いのは北京、上海、深?、広州、杭州、成都。直轄市以外で、最も起業に対する熱意が高いのは、広東省で、トップ20に深?、広州、仏山、東莞の4都市が入っている。広東省は中小企業が多く、民間経営が活発であることと関係があるだろう。中国西部の省でトップ20に入ったのは成都と西安だけだった。

同報告によると、13年から今に至るまで、ネットユーザーの起業やイノベーションをめぐる議論が活発化を続けている。具体的に見ると、インターネットや自動車、食品、環境、安全生産などの分野におけるイノベーションに対する注目度が最も高い。