『モバイルの未来』レポート発表
スマホ、最大のチャンスは中国に

米国のニュースサイトであるビジネスインサイダーのヘンリー・ブロジット編集長兼CEOが発表したレポート『モバイルの未来』が、今注目を集めている。レポートでは、移動情報端末はレジャー、通信、メディア、ビジネスの新しい形をもたらし、通信アプリケーション、電子商取引アプリケーション、モバイル決済などが猛烈な勢いで発展していると強調、同時に中国などの市場がスマートフォン販売量を牽引する主力となっていると指摘している。

 

成長のチャンスは中国とインドに

レポートのデータは、モバイルインターネットの発展が主力となっていることを示している。

ハードウェアの分野では、世界のインターネット接続機器の出荷情況について、PCのシェアは減少し続けている一方、スマホ、タブレット端末、スマートテレビとウエアラブル端末の販売量は急速に増加する傾向にある。そのうち、2013年の世界のスマホの出荷量は10億台に迫る勢いで、サムスンとアップルの出荷量がそれぞれ1位と2位を占めている。同時に2013年のタブレット端末の出荷量は2億2500万台近くに上り、PCの市場に食い込み続けている。

レポートでは、スマホの分野については具体的に、「まさに発展のチャンスの後期に入っているところ」だとし、スマホ販売量がすでに多機能機を超えている反面、先進国のスマホ市場は飽和状態に近づいており、米国のスマホ普及率はすでに65%に達し、増加スピードは減速しているとしている。

レポートは、「現在、最大のチャンスは中国とインドにある」とし、2014年スマホ販売量は人口大国である中国とインドに代表される新興市場の新ユーザーによって牽引されると断定している。データでは、中国のインターネットユーザーはすでに米国の2倍に達しており、中国のアプリダウンロード量も米国に次ぐ規模になっている。

また、レポートは世界のスマホの平均価格の下降傾向はさらに続くと見ている。

 

モバイル広告「お金は目とともに動く」

レポートでは、モバイル端末はレジャー、通信、メディア、ビジネスの新しい形をもたらしており、巨大なチャンスとチャレンジを創造しているとしている。

データによると、米国ではスマホユーザー1人当たりの1日使用時間は58分間で、そのうち28%の時間が通話、21%がメールなど文字情報の発信、17%がSNS、15%がネットサーフィン、9%がゲームに使われていた。このほか、ユーザーが毎日タブレット端末を使用する時間は30分間だった。

消費時間の長さから見ると、モバイル媒体だけが消費時間が伸びている媒体であり、2012年の12%増から20%増へと伸び、これと同時に、テレビ、ラジオ、印刷媒体はすべて減少している。

データ通信量からみると、世界のインターネットのデータ通信量の消費では、すでに5分の1が移動端末によるものとなっている。PCのデータ通信量のシェアは下がり続けており、この傾向はまだ続いている。具体的に見ると、モバイル動画が目下成長中でデータ通信量が増え続けており、SNSと音楽のデータ使用量は、現在モバイル端末が主流になっている。このほか、モバイルインターネットの普及により、WhatApp、微信、Lineなどのモバイルアプリも毎月ユーザーが急増している。

中国では、テンセントによると、4月11日夜9時11分にQQのオンラインユーザーが2億人を突破し、過去最高となったが、そのうちモバイル端末で登録したユーザーが7割を超えた。

レポートは「お金は目とともに動く」とし、モバイル広告の支出はまだ消費者の時間の支出に追いついていないとしているが、ユーザーの目がモバイルに移っていくのに伴い、「お金もそれに従っていく」としている。

データからは、アメリカのモバイル広告の支出が急速に増加しており、同時にモバイル広告料金も上昇傾向にあることが分かる。

 

アンドロイドがプラットフォームの勝者に

プラットフォームの競争について、レポートはアンドロイドが勝者となっているとしている。

レポートのデータによると、世界のスマホの80%がアンドロイドOSを搭載しており、60%近くのタブレット端末がアンドロイドとなっている。すべてのコンピューターのうち、60%近くがアンドロイドを搭載し、Windowsが2位、アップルが3位となっている。

ソフト開発についても、以前のアンドロイド不人気は変化しており、データでは34%の開発者がアンドロイドを用い、iOSの開発者は33%に下降している。これと同時に、アンドロイドのフラグメンテーション問題も改善されつつある。

 

自動車へのネット接続も増加中

モバイルネットの発展に伴い、ユーザーは「モバイルのみ」のユーザーとなってしまうのだろうか。レポートではそうならないとしている。現在は複数の端末を持つユーザーが増えており、「モバイルも」のユーザーとなっているとしている。

今後の発展という点でレポートは、搭載できる機器も飛躍的に増えるだろうとし、そのうち健康機器が最も人気だろうと予測している。

同時に、レポートはスマートネット自動車に注意を向けている。自動車のネット接続はスタンダードとなりつつあり、ネット接続の自動車はますます増えている。レポートでは、これにより電気通信業者や遠隔情報業者、関連ハードウェアや車内サービスなどの分野の発展がもたらされ、音楽、地図、天気、交通、ニュースなどがキラーアプリとなるだろうとしている。