2014年、中国ネット業界はこう変わる

あなたはネットショッピングでお金を使っているか、それとも財テクで増やしているだろうか。過去1年間、インターネットは生活のすみずみにまで浸透し、それぞれの「小さな一歩」が、人びとの生活全体を大きく前進させた。2014年を迎えて、ネットはどんな新機軸と応用を見せてくれるのか。1月8日に行われた「2014中国ネット産業年次総会」では業界関係者、企業トップ、ネットユーザーらが熱い論議を繰り広げた。

 

 

4Gが全分野に

1秒で音楽を1曲ダウンロード、2分間で映画を1本ダウンロードなど、今年は4G高速通信により、これまで実現できなかった応用分野が、急激な発展を迎えることになる。

同年次総会で発表されたデータによると、昨年中国のモバイルインターネットのユーザーは6億5200万人に達し、市場規模は300億元(約5171億円)を突破した。そのうちウェアラブルデバイスの市場規模は、前年比301.64%増となった。これらの数字は今年も急増し続け、さらに中小都市の市場に浸透する見込みである。そのうちスマートフォンの出荷台数は4億5000万台を超えると予測されている。4Gはモバイルインターネットをより多くの伝統的な分野へと進出させ、1億元(約17兆円)クラスの産業チェーンを形成するだろう。

中国ネット協会の高新民副理事長は大会で、「4Gは携帯上での動画、クラウドストレージ、モバイルビジネスを含む新しい業態を発展させ、スマートフォン、タブレット端末などが通信やレジャーの道具にとどまらず、人びとの生活や仕事に不可欠な『パートナー』となり、モバイルインターネットも徐々に生活のすみずみまでカバーするようになるだろう」と語った。

 

ネット金融が主役に

過去1年間、アリババ、百度、テンセントなどのインターネット企業大手が金融サービスと商品を相次いで発表し、決済、ローン、為替、資産管理などの伝統的な金融業界に攻勢をかけたことは、インターネットが金融分野への進出を加速していることを表している。

年次総会で発表された報告によると、現在、中国の第三者オンライン決済企業のうち、支付宝(アリペイ)が市場で48.8%のシェアを占めており、昨年第3四半期の中国銀聯オンライン決済プラットフォームにおける決済、振込規模は4687億元(約8兆800億円)に達した。

実際にネット金融は単純な決済事業から、振込、クロスボーダー決済、小額ローン、現金管理、資産管理、サプライチェーン金融などの伝統的な金融事業に浸透しつつある。

例えば、ネット上での小額ローンは昨年2300億元(約3兆9650億円)に達しており、将来はさらに多くの零細企業関連のローン業務が阿里小貸のような小額ローンのプラットフォームを通じて実行されると見込まれる。

 

ビッグデータが表舞台へ

ビッグデータとは何か、ということが人びとに理解される前に、2013年で最も流行ったこの技術用語は正式に実用化の段階に入った。

業界の専門家は、すでに大量の情報から価値のあるデータを取り出す能力を持っており、ユーザーのニーズを正確に推定し、また社会の管理、医療、交通、金融サービスなどの分野にも応用されているとしている。

中国通信学会の張新生副理事長は、「例えば患者が心電図をとる際、医師は蓄積されたデータについて分析、モニタリング、予後判定ができる。ネットショッピングのサイトでは各時間帯の購入数に基づいて顧客の好みを判断し、商品の配列を改善できる。また金融や物流などの各業界でもビッグデータの分析とダウンロードにより、顧客のニーズを掘り起こし、取引のコストを削減できる」と述べた。

 

経営システムの転換へ

モバイルによるSNSが発展するに従い、紙のメディアを読む人はますます減少し、紙媒体の経営システムはまさにひっくり返されようとしている。2013年のネット広告出稿規模は紙媒体を追い越し、全国の新聞雑誌売り場の40%はすでになくなったというデータもある。

中国インターネット協会の石現昇副秘書長は年次総会で、「2014年はより多くの伝統的メディアが、ニューメディアの技術と伝播の優位性を利用して改革せざるをえなくなり、産業の上流や下流への拡大を加速させ、モバイルインターネットの入口を争い、より開放的な、より良いサービスを提供する方向に転換するだろう」と述べている。