目標は 3Gユーザー1億増と固定ブロードバンド2500万増
「ブロードバンド中国プロジェクト」が始動

山東省済南市南偉東新都小区に住む女性、賈さんは、昨年自宅にブロードバンド回線を引いたが、確かにネットの接続が速くなったと語った。賈さんは翻訳の仕事をしており、毎日海外のサイトを大量に閲覧するが、ブロードバンドを10Mbpsに上げたところサイトを開く速度がアップしたと言う。ユーザーのネット接続状況を改善するため、中国工業情報化部は昨年、ブロードバンド普及と速度アップ事業を実施した。

 

2月26日、中国工業情報化部の苗?部長は、今年は良質なブロードバンドの拡大環境を継続するだけでなく、ネットのバージョンアップを加速し、産業界との共同推進を強化してユーザーのネット接続を改善する。そして固定ブロードバンドへの新規加入を2500万回線以上、新規3Gユーザーを1億回線増とすることが目標だと述べた。工業情報化部と関連部門は「ブロードバンド中国2013プロジェクト・アクション」実施案をできるだけ早く公布、実施するとしている。

 通信費を30%安く

苗?部長は、昨年FTTH(光ファイバー)ユーザー家庭が1年間で4900万戸増加して9400万戸となり、カバー範囲は明らかに拡大されたとした。固定ブロードバンドインターネット接続ユーザーは新規増が2510万で、1億7500万に達した。またブロードバンドを新規導入した村は1万9000村となり、普及範囲は大幅に広がった。4Mbpsかそれ以上でブロードバンドに接続するユーザーの占有率は23%増加し、63%となった。ネット接続のスピードアップの効果は明らかである。全国的プロバイダのブロードバンドの平均接続料金は30%下がり、ブロードバンドのコストパフォーマンス上昇に効果をもたらした。同時に、無線LAN接続スポットも200万以上増加し、524万カ所となった。また教育部、中国身体障害者連合会と共同で100カ所の貧困小中学校と100カ所の特別支援教育機関にブロードバンドを接続、さらに多くの人々に恩恵をもたらした。

このほか、ブロードバンドの応用も日進月歩で、一般庶民の生活を便利にしている。例えば、中国電信(チャイナ・テレコム)は上海古美地区衛生センターの住民健康記録作成プロジェクトに参加し、中国電信の設置した総合無線ネットワーク健康管理プラットフォームの上に、人々が血圧、血糖値などのデータを入力するだけで、遠隔測定センターで専門的に処理されアドバイスが得られるようにしたことで、高齢者や慢性的な病気の患者の日常的な健康管理に役立っている。

「遅いブロードバンド」とは決別

昨年遅いブロードバンド状況は著しく改善したものの、先進国とはまだまだ差がある。そのため、「ブロードバンド中国2013プロジェクト・アクション」は新しい段階的目標を提示している。

そこで、工業情報化部は具体的に「都市ブロードバンドスピードアップ計画」、「農村ブロードバンド普及計画」、「農村学校ブロードバンド計画」、「応用イノベーション推進計画」、「ブロードバンド体験向上計画」、「ブロードバンド製品研究開発計画」の6つのアクションプランを組織、実施する予定である。

各企業も次々に「ブロードバンド中国2013プロジェクト・アクション」の段階的目標を達成する措置を打ち出している。中国電信は今年のブロードバンド新規加入ユーザーを1500万戸、光ファイバーのカバー家庭を2500万戸増加、都市部に8Mbps、20Mbps、さらに大きなブロードバンドへの接続業務を提供する計画である。中国聯通(チャイナ・ユニコム)はFTTHの接続家庭を1000万戸以上増加、固定ブロードバンドのネット接続ユーザーを900万以上増加させ、10Mbps、20Mbpsブロードバンドユーザーの大幅増を実現し、21Mbpsの無線LANの全面的普及、3Gの普及拡大を加速するとしている。