新たなメディアの「前向きなエネルギー」を沸き立たせよう

3億人のミニブログユーザー、4億人の携帯ネットユーザー。今日ほど民衆が新たなメディアに強く依存している時代はない。 そして、新たなメディアが単に大衆のコミュニケーションのパターンを変えただけではなく、政治、経済、文化など多くの分野に急速に浸透し、高度な社会的媒介となっていることを、誰もが認めざるを得ない。

「微」の革命

2012年6月時点の中国のミニブログユーザーの総数は2億7400万人で、5人に1人はミニブログを利用しており、中国はすでにミニブログユーザー数が世界No.1の大国になっている。

小を大きく豊かに、少を多くの集まりに。

私たちの身近に、「ミニブログ」、「WeChat(無料メッセンジャーアプリ)」に代表される新たなメディア「サイレントマジョリティー」の力が広がっている。現実の権力が有効な管理監督、制約の手立てを欠く中で、インターネットはすでに民意を訴える上で、最も敷居の低い手段となっている。

ミニブログの1本1本の200字に満たない情報が、たちまちの内に情報共有を実現し、巨大な社会的勢力となる。誰かが転載すれば、それは雪だるま式に拡がって対人コミュニケーションの枠を超え、強大な世論の力に凝集され始める。それによって社会のエネルギーが奮い立ち、社会的勢力の重要な一極を形作る。

鄧小平の南巡講和から20周年に当たる2012年12月上旬、中国共産党中央の習近平総書記は、初めて北京から改革開放の前線に足を踏み入れた。その行程中、総書記のさまざまな気さくで民衆と親しく接する行動がミニブログを通じて広く伝えられ、民衆の心を暖めた。ミニブログの情報は人心を結集させ、今後の中国の改革に対する民衆の希望はさらに燃え上がった。ネットユーザーの陸亜明さんは総書記の車列に偶然行き当たり、ミニブログにその目撃記を書いている:「車を連ねてではなく、間には何台かの一般の車も混じっていた。中型バスの透明なガラス窓はカーテンを下ろしておらず、スピードは約60㎞だった」。このブログは8万5000回転載され、2万1000本のコメントが書き込まれた。ネットユーザーは「外出の際に道路を封鎖しないのは、道を発言に開き、大衆との接触にさらに多くの道を開いた」と熱く論じた。

中国共産党第十八次全国代表大会の後、「ネットによる腐敗摘発」はネット上のホットワードとなり、毎日のように大なり小なりの役人が「槍玉」に上がっている。中央と地方の規律委員会が対外的に発表した、更迭された役人の数はここ1カ月で11人を下らず、その中には四川省党委員会の副書記・李春城、重慶市北碚区の区委員会書記・雷政富、太原市公安局局長の李亜力などの高官も含まれており、多くはミニブログで暴露されたものだ。ミニブログは汚職官吏をその地位から引き摺り下ろし、人々を痛快にさせるばかりでなく、ネットによる腐敗摘発の強大な力を十分に見せ付けた。

ミニブログの即時性と相互性は、行政機構と関係部門に「簡潔な言葉の中に、深い意味や道理が含まれ、大衆に奉仕する」という新たなプラットフォームを採用させ、中国のネットを通じた行政を推進した。現在、中国の行政ブログは7万を超えている。

特筆すべきは、2012年には『人民日報』に代表される伝統的メディアの法人ブログが続々と開設されて壮観な「国家ミニブログチーム」の体を為し、時事や政治ニュースの重要な供給源と議題の提供者になっていることだ。「国家ミニブログチーム」は一般のネットユーザーと呼応して、中央のハイレベルな交錯スタイルによる改善実践を宣伝し、党と大衆の心をネット上で見事に調和させている。

「クラウド」の革新

新たなメディアの絶え間ない技術革新は、まさに私たちの生活スタイルも絶えず革新させている。

2012年――携帯電話が初めてデスクトップコンピューターの台数を越え、中国で最大のネット接続端末となった/中国のネットユーザーの95%以上がネット動画を観ており、動画は中国のインターネットで最大のコンテンツになったいる/モバイル決済が金融イノベーションを生み出した/ネットショッピングが1兆元(日本円約14兆2000億円)を超え、イーコマースは混戦に突入した/等々……。

QRコード」技術は業界を超えて列車の切符、医薬品、証明書などの偽造防止分野で広く応用されている。「モノのインターネット(ビッグデータ)」は公共安全、都市管理、公共交通などの分野で応用されている……。

新たなメディア技術とプラットフォームがもたらした巨大なビジネス価値が業界人をわくわくさせている。中国の関連機関の予測では、2015年までに中国のQRコードの市場規模は1000億元(日本円約1兆4200億円)に達し、2015年には中国のモノのインターネット産業は5000億元(日本円約7兆1000億円)を超えると見られている。「ビッグデータ」の中国における潜在市場規模は2兆元(日本円約28兆4130億円)近いと見込まれている。2020年にはクラウドコンピューティングの全世界での市場価値が2410億米ドル(日本円約21兆4900億円)に達するだろう……。

2013年の、新たなメディア技術のホットワードは「モバイルインターネット」と「ビッグデータ」だ。モバイルインターネットは大ブレークするだろう。ビッグデータの勃興は、インターネットの付加価値に無限の可能性をもたらすだろう。

スマートフォンの普及につれて、モバイルインターネットは1つの番号でその人にアプローチできるという固有のメリットの故に、私たちをパーソナライズされたビジネスの時代に突入させる十分な役割を果たすだろう。フェイスブック、ヤフー、マイクロソフト、Googleがモバイルインターネットに続々と参戦している。百度(http://www.baidu.com/)、360(http://hao.360.cn/)、盛大(http://www.snda.com)、テンセントQQ(http://www.qq.com/)、新浪(http://www.sina.com.cn/)に代表されるインターネット企業はモバイル端末に競争を移し、スマートフォン端末、クラウドのオープンプラットフォーム、サーバー、モバイルアプリケーション、携帯マップ、QRコード……ハードからソフトまで、足を踏み入れないものはない。

ビッグデータ技術は膨大なデータの中から価値のある情報を速やかに取り出すことを可能にし、データを駆使した決定が一種のファッションや新しい考え方になる。私たちの身近で、百度、テンセントQQ、タオパオ、チャイナモバイルが続々とそれぞれのデータセンタープロジェクトを立ち上げており、容量とデータ処理技術で成果を測っている。

2013年の「新たな」期待

新たなメディアは情報伝達の仕組みと生活方式を変革するとともに、それ以上に社会の進歩に前向きなエネルギーをもたらす。

2013年、私たちは新たなメディアの多元的な伝達方式が中国の政治形態の絶え間ない適正化を促進し、政府とネットユーザー、公職に就いている者とネットユーザーとの間に良好な相互関係を形作り、「腐敗摘発」の戦いに勝利を収めることを期待する。

2013年、私たちは新たなメディアの三次元プラットフォームが健全な民主法治を促進し、社会の公平正義を実現することを期待する。

2013年、私たちは新たなメディアが情報セキュリティーの面で大きな一歩を踏み出し、ユーザーがデマに惑わされたり、プライバシー漏洩の苦しみから少しでも逃れられるようになることを期待する。

2013年、私たちは新たなメディアの技術変革が民衆の文化的生活をさらに豊かで多元的なものにし、民衆が「麗しい中国」で真の幸福を感じられるようになることを期待する。

2013年、ともに「麗しい新メディア」に期待しよう。