3月14日午前、温家宝総理は国内外に向けての記者会見で、ネット上での中傷問題について次のように答えた。
「政府のすべての権限は、国民からの負託を受けたものであり、国民が政府への意見や批判を言える環境をつくるべきである。そのため、ネット上での非難中傷もきわめて正常な事である。国民の多くの批判的意見は沈思に値し、政府が重視し決定した多くの重大な問題は、たびたび人々の批判から生まれたものである。私は代表の方々を中南海に招いて、直接意見をうかがいたいとさえ考えている」
インターネットの普及にしたがって、ネットユーザーの数も激増している。中国は新しい民意の時代に入った。こうした状況下で、政府幹部はネットユーザーの様々な批判的意見にも耳を傾けざるを得なくなった。
いかに正しくネットユーザーの批判に対応するかを、政府幹部は考えなければならない。温家宝総理の「政府が重視し決定した多くの重大な問題は、たびたび人々の批判から生まれたものである」との発言は、幹部たちにとって、強い啓発的意義がある。
「民衆の声は政治に届く」。ネットユーザーたちが注目の話題や政府・官僚の行動について熱く議論するのは、人々の願望を訴え、国を憂い、知恵を授けることである。
中には耳障りな言葉や理性を欠いた非難中傷も少なくないが、ネット上で自由な表現をすることによって、多くの民衆が政治に参加する機会を得、民意を伝える場をもつことができるのだ。
ネットユーザーたちの非難を正視できるかどうか、幹部にとっては挑戦であり、試練でもある。彼らの教養、度量や能力を注視したい。
ある統計によると、2011年末時点での我が国のインターネット普及率は、38.3%まで伸び、ネットユーザーは5億1300万人、ブログユーザーは3億1800万人、ミニブログユーザーは2億5000万人ほどに達した。
この現状において、いかに主導的にネット世論の陣営を張り、タイムリーに世論をリードする主導権を握り、ネット世論から民意を掴むかが、とりわけ重要となる。
それゆえ、幹部はネットから民意をくみ取り、人民の知恵を集め、人民の苦しみを理解し、さらには、広い心をもってネットを使いこなし、人々の批判を受け入れ、指摘された問題と向き合い、謙虚に耳を傾けて過ちを改めるべきであろう。
そうすることが、国民に対しても仕事に対しても責任を果たす決意の表れとなる。
そうしてこそ、知識、思想、情熱、鋭気をもって、各自の持ち場で知恵と汗を捧げている国民への最大の激励となり、関係各処への関わりの意欲を駆り立てるのである。
そうして政府は民衆の知恵を結集し、人心を勝ち取ることができよう。成果は倍となって、鬼に金棒である。さらに、調和のとれた社会の構築を成し遂げ、各事業を前進・発展させることができるであろう。
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