次の10年へ
中国のインターネットは変化を求める時代へ

騰訊(Tencent)董事会主席兼CEO・馬化騰、新浪(sina)CEO兼総裁・曹国偉、網易(NET EASE)首席執行官・丁磊、360董事長兼CEO・周鴻?、創新工場CEO・李開復―――23日に北京で開幕した2011中国インターネット大会は、近年では中国インターネット界の大物が最も顔をそろえた大会となった。

中国移動、中国電信、中国聯通の3キャリアからも幹部が参加した。工業情報化部、インターネット情報弁公室、商務部、国家新聞出版総署、中国科学協会、中国インターネット協会などの関係部門の責任者も顔を揃えた。

ネットユーザー4.85億人、市場規模1513億元のインターネット―――急速な成長を遂げた中国のインターネット、その発展の次の一歩に関心が集まっている。

当日、大会の参加者は「変革」が中国のインターネットの次の10年のキーワードであると述べている。中国のインターネットは変化を求める新時代に入ろうとしており、モバイルインターネットが熱い注目を浴びている。

奇跡は常に起こる

2001年には総額でわずか0.5億米ドルに過ぎなかった中国のインターネット関連投資が、2010年にはインターネット業界全体で20.9億米ドルと、約40倍にまで増大している。

また、2000年にはわずか4.2億米ドルに過ぎなかったインターネット関連上場企業の時価総額は、2011年の最新のデータでは既に1462億米ドルを超え、350倍近くに増大している。

過去の10年間、中国のインターネット関連の経済規模は年平均60%以上のペースで拡大した。これは中国のGDP拡大速度の5倍以上だ。

インターネットユーザーも10年間で15倍に増えた。同時にネットユーザーの構成にも変化が起こりつつあり、若者中心から日々様々な人々をカバーするようになり、インターネットは大衆のプラットフォームとして成長を続けている。

ポータルから検索へ、オンラインゲームからモバイルへ、動画からソーシャルメディアへ、盛んになってきたグループ購入やミニブログへと、中国のインターネットは成長の加速期に入っている。この1年で、過去10年間の総数を超える16社のネット企業が海外で上場を果たしている。

艾瑞公司 (iResearch)の楊偉慶総裁が見るところ、インターネットは絶え間なく奇跡を生み続ける産業であり、毎年新しい変化を遂げる。

 ヤングヒーロー登場に期待

今回の大会に出席したゲストの多くはいつもの顔ぶれであった。「10年前、初めてこの大会を開いた時も、実はこの顔ぶれだった。当時は皆30歳前後で、ネット界のヤングヒーロー、若き才能と呼ばれていた」「10年後、多分アメリカではネット界の新たなヤングヒーローの一群が現れ、一方では50歳になった我々が相変わらず中国のインターネット界を率いている。これは決してよい状況とは言えない」と周鴻?は率直に述べている。

実のところ、革新と創業力の欠如、活力不足は中国のインターネット分野に一貫して存在するネックであり、専門家は「今大会が『中国のネット――責任と活力』をテーマとして定めているのはこの問題に対する懸念を表している」と述べている。

周鴻?氏は「中国のインターネット企業は、その成長につれて、自社の成長と同時に革新とプラットフォームの開放を通じて新たに創業した企業の発展を助け、若い創業者の成長を励ますことは社会的な責任感の現れであり、能力が高ければ責任も大きい」と呼びかけている。

李開復氏は「現在は創業にとって非常に良いタイミングであり、イーコマースが既に飛躍し、モバイルネットも飛躍しようとしている現在、次はクラウドコンピューティングだ」として、さらに多くの創業者がこの機会を捉え、正しいタイミングでなすべきことをして欲しい、と希望している。

周鴻?氏は「パソコン時代のネット界の巨頭は既に定まっているが、ワイヤレスの領域では、さらに多くの巨頭になるための挑戦の機会がある」と述べるとともに、「創業とは酒の醸造のように、時間のかかるものだ」として、創業者に対して焦らず、忍耐心を持つよう指摘している。

変わるべきは変わるが最大のポイント

馬化騰氏は「中国のインターネットの発展にとって最も大切なのは、一言で言えば『変化』だ」と言う。

実のところ、中国のインターネットが今直面している最も核心的な任務も正に変化である。

変化の重点のひとつは伝統的なパソコンによるインターネットからモバイルへの転換である。データによれば、中国のモバイルネットユーザーは今年の6月末時点で3.18億人に達し、2010年末より1495万人増加した。2010年の第4四半期には全世界のスマートフォンの出荷量は既にパソコンを凌いでいる。LBS(位置情報サービス)などのモバイルネットに基づく応用も急速に拡大している。

中国移動、中国電信、中国聯通なども既にモバイル通信網の拡大に向けた一連の措置を発表済みで、伝統的なネット大手もとっくに積極的にモバイル通信網の布石を打っている。

他にも、開放と融合も変化を求める一つの方向になる。インターネット大手の、それぞれの優位な分野を超えた参入とシナジー効果の期待できる分野への頻繁な投資につれて、開放と融合も将来のインターネットの構造変化をもたらすだろうと専門家は分析している。