「横琴・粤・澳深度合作区」構想
「一国二制度」の新たな実践モデルが明らかに

 

中国共産党中央委員会と国務院はこのほど、広東省珠海市の横琴島と広東省、澳門(マカオ)特別行政区が一歩踏み込んで協力する「横琴・粤・澳深度合作区の全体案」を発表した。

範囲

「横琴・粤・澳深度合作区」の実施範囲は、横琴島の「一線」と「二線」の間の税関監督・管理エリアで、総面積は約106平方キロメートル。

「一線」は、横琴島とマカオの間に設けられ、「二線」は横琴島と中国大陸部の税関エリア内の他の地域の間に設けられる。

 

管轄

横琴島の客観的な現状に基づき、合作区では分区・分類施策管理が実施される。

・マカオ大学横琴キャンパスと横琴通関地マカオ管轄区は、全国人民代表大会常務委員会から権限を授与されたマカオ特別行政区政府が管理し、マカオの関連する制度と規定が適用され、他のエリアと物理フェンスで隔離される。

・広東省とマカオは共に話し合い、共に建設し、共に管理し、共に分かち合うエリアでデジタルフェンス監督・管理、目録リストの方式を採用し、条件を満たす市場主体に対して、特別政策を実施する。

 

位置付け

その位置づけは、マカオ経済の適度な多元化発展を促進する新しいプラットホームとなる。広東省とマカオの資源の優位性、発展の基礎に立脚し、マカオの産業における多元化発展を取り組みの主な方向性とし、政策サポートを強化し、新技術、新産業、新業態、新スタイルの発展に尽力する。

また、マカオの住民にさらに便利な生活と雇用機会を与えることもその位置付けの一つ。合作区がマカオの公共サービスや社会保障体系と一歩踏み込んでマッチングするよう推進する。

そして、マカオの住民を対象に、合作区において一層便利な学習、就職、起業、生活の環境を提供し、マカオで暮らしやすく、働きやすい環境づくりに取り組む。

さらに、「一国二制度」を実践する新たなモデルづくりというのもその位置付けとなっている。

「一国」を基本に、「二制度」のメリットを活用し、合作区の「線分け管理」という特殊な監督・管理体制、発展の基礎に立脚し、改革開放の重要な分野、カギとなる部分において、率先して大胆にイノベーションを創出する。

そして、規則とメカニズムのマッチングを推進し、中国の特色あふれる「二制度」のメリットをPRできるエリア開発モデルを構築し、マカオとの一体化発展の実現を加速させる。

最後に、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深圳、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)建設の新たな新高地という位置付けだ。

粤港澳大湾区の制度改革のポテンシャルを十分に掘り起こし、マカオの自由港、珠海の経済特区のメリットを十分に活用し、合作区の総合実力と競争力の向上を加速させ、マカオ-珠海ポールの粤港澳大湾区に対する牽引的役割を効果的に下支えし、珠江西岸エリアの急速な発展を牽引する。

 

目標

マカオの祖国復帰25周年に当たる2024年をめどに、広東省とマカオの共に話し合い、共に建設し、共に管理し、共に分かち合う体制・メカニズムの運営を波に乗せる。

イノベーション要素を際立つ形で集め、特色ある産業が急速に発展し、公共サービスと社会保障体系がマカオと秩序立ててマッチングするようにし、合作区に住んで、働くマカオの住民を大幅に増やす。

そして、横琴島とマカオの一体化発展の初期段階の構造を構築し、マカオ経済の適度な多元化発展を促進する下支え的役割が初歩レベルで表れるように促進していく。

さらに、マカオの祖国復帰30周年に当たる2029年をめどに、合作区とマカオ経済が密接に連携し、規則が密接にマッチングする制度体系を全面的に確立する。

各種要素が効率的、かつ円滑に越境流動するようにし、特色ある産業が大規模発展するようにして、公共サービスと社会保障体系をさらに整備し、横琴島・マカオ一体化発展をさらにレベルアップさせ、マカオ経済の適度な多元化発展促進の際立った成果を挙げる。

その後、2035年をめどに、「一国二制度」の強大な生命力と、優越性を全面的に際立たせ、合作区の経済の実力とテクノロジー競争力を大幅に向上させ、公共サービス、社会保障体系を効率的に実施し、横琴島・マカオ一体化発展体制、メカニズムをさらに整備し、マカオ経済の適度な多元化発展促進の目標を基本的に実現する。