深圳特区40周年改革・開放の歩みは止まらない

10月9日、ご祝儀イベント「羅湖への贈り物デジタル人民元紅包」がスタートし、1個あたり200元(約3130円)の紅包(ご祝儀)が抽選で5万人にプレゼントされた。消費の促進が狙いだ。これは深圳市政府が中国人民銀行(中央銀行)と共同で展開するデジタル人民元の紅包を通じたテストイベントで、常態化する新型コロナウイルス感染症対策が内需を牽引するために実施された革新的な実践だ。


深圳

深圳では、このような改革の革新的措置は珍しいものではない。8月24日には、創業板(新興企業向け証券市場)が登録制を実施し、第1弾として企業18社が深圳証券取引所で上場を果たし、創業板の改革とテスト登録制という重大な改革任務が実施された。

深圳市ではこれまでに、短期間で認可された事項が250件近くに上り、手続きが簡略化された事項も200件に迫った。あらゆる政府サービスがオンライン手続きプラットフォームで100%取り扱われるようになり、「1つのサイトですべての手続きを処理」、「市内のどこからでも手続きが可能」を真に実現した。また深圳は全国に先駆けて個人の破産に関する法律の整備を推進するなどして、最も安全で安定した、最も公平で正義に基づく、最も法治環境が整った都市になろうと努力している。

今年1-7月、深圳で新たに登録された企業の数は前年同期比14.1%増加し、事業体の規模と起業の密度は全国大中都市のトップに立った。

勇気をもって前進し、勇気をもって試み、勇気をもって人の先に立ち、一所懸命に努力し、深圳はこの40年間で中国の改革開放の旗印になった。

9月11日午後8時、深圳の平湖南にある国家物流ターミナルでは、貨物を満載した国際定期貨物列車「中欧班列」の「湾区号」が準備を整えて発車を待ち、16日間にわたる大陸間輸送の旅に出発しようとしていた。「湾区号」は8月18日に第1便が運行してから、これまでに1130トン、総額7000万元(約10億9600万円)以上の貨物を欧州へと運んだ。

8月30日、深圳市政府は世界2位の小売企業コストコホールセールとの間で本部経済発展協力合意に調印した。これにより、この世界トップ500社に入る企業の華南エリア本部と初の旗艦店舗が深圳に設立されることになった。今年上半期、深圳市で設立された外資系企業は2000社近く、契約ベース外資導入額は80億ドル(約8400億円)近く、実行ベース外資導入額は40億ドル(約4200億円)を超えた。

同時に、深圳の多くの現地企業も全面的な対外開放の中でグローバル競争の舞台の中心へと徐々に躍り出ていった。海外市場に力を入れるスマートフォンメーカーの伝音ホールディングスは、アフリカ市場でシェアが45%に達する。世界のスマートウエアラブルデバイスは8割が深圳で製造されている。ドローンの大疆(DJI)は、世界の普及型ドローン市場で70%以上をシェアを占める。

深圳と世界とのつながりは、ますます緊密になっている。現在、深圳は21世紀海のシルクロード沿線国地域のコンテナ定期航路200本以上と接続している。国際旅客輸送船の寄港地は41カ所で、20カ国をカバーする。国際旅客輸送便の就航都市は60都市に上り、2019年には旅客処理能力がのべ5000万人を突破、国際旅客処理能力がのべ500万人を突破という2つのブレークスルーを達成した。

深圳税関によると、2020年1-8月には、深圳の輸出入額が1兆8800億元(29兆3130億円)に達して、前年同期比2%増加し、全国の対外貿易輸出入額の9.4%を占めた。

ここ数年、深圳市は国家実験室、国家重点実験室、ビッグサイエンス装置などを積極的に獲得して配置を進め、基礎研究の脆弱さという発展における弱点部分を補強してきた。これまでに設立された基礎研究機関は12カ所、ノーベル賞を視野に入れた実験室は11カ所を数え、鵬城実験室や国家スーパーコンピューターセンターなどの各種イノベーション媒体が2642カ所ある。

今年上半期、深圳の先進的製造業の付加価値額は同2.4%増加し、増加率は第1四半期(1―3月)を12.6ポイント上回った。ハイテク製造業の付加価値額は同2.2%増加し、増加率は第1四半期を11.7ポイント上回った。現在、深圳は応用技術のイノベーションから、基礎技術、コア技術、先端技術のイノベーションへと転換しているところで、追随型模倣型のイノベーションからオリジナルのイノベーション、牽引型のイノベーションへと飛躍を遂げつつある。