生産や暮らしをよりスマートにする新インフラ整備


スマート倉庫

「旅行に出かける前に(高速充電サービスサイトの)『e充電』アプリで経由ルートにあるすべての電気自動車(EV)の充電ポールを検索し、ルート沿線のどこでも充電には基本的に困らないことがわかり、エコ移動の『走行可能距離の不安』から解消された」。浙江省麗水市に住む張慧敏さんはこのほど、新エネルギー自動車を運転して、300キロメートルほど離れた同省嘉興市の烏鎮へドライブ旅行をした。道々での充電体験は非常に満足できるものだったという。

新エネ車の充電ポール建設は新インフラ整備の重要な内容の1つとして、ますます多くの新エネ車オーナーに利便性を提供するとともに、スマート交通網の構築に向けてエコな原動力を提供している。嘉興ではスマート交通、スマートエネルギーを代表とする「新インフラ整備」が科学技術のポテンシャルを産業のエネルギーへ転化させつつあり、地域のイノベーション発展とモデル転換バージョンアップを力強く支えている。

2019年に、中国の新エネ車生産販売量は120万台を超え、世界トップの座をキープし、新エネ車産業のスケールメリットも顕在化して、発展に向けた環境がますます好転した。2020年4月16日には、国網浙江省電力有限公司が2020年の充電ポール建設新プランを発表し、2億5000万元(約37億8200万円)を超える投資と82件の重点ポール建設新プロジェクトを計画した。公共交通、タクシー、オンライン配車など専用車の分野、団地の自家用車向け充電サービステストの分野をカバーし、充電ポールと電力網の協同運営を加速的に推進し、EV産業の急速で健全な発展にサービスを提供するものだ。

嘉興烏鎮では、新エネ車充電ポール建設が「相互接続」を目指すインターネットの発展理念に組み込まれた。(烏鎮で行われた)第6回世界インターネット大会の開幕に先立ち、烏鎮は5G自動運転による電気バスで「非接触決済」充電ポールを全国に先駆けて建設し、「5G+電力」の充電インフラ建設シーンにおける応用を刷新し、率先して60キロワットの5G公共交通専用充電ポールを2カ所建設し、路線バス4台が同時に充電できるようにした。電気バスのIDを自動識別することで、簡単な操作だけですぐ充電できるようになっている。

嘉興市では現在すでに新エネ車充電ポールが市内全域をカバーし、国網嘉興供電公司が率先して充電スタンド180カ所、充電ポール1326本を建設し、新エネ車の充電体験が全面的に向上してより便利で迅速になり、クリーンで高効率なグリーン都市交通網がほぼ完成した。

2020年に入り、嘉興供電公司はビッグデータ、モノのインターネット(IoT)、クラウドコンピューティングなどの技術を運用して、現代のスマートサプライチェーンの下でのスマート倉庫システムを推進し、物資の作業モデルを全面的に革新し、在庫物資の有効利用率を高めた。

たとえば「スマート小倉庫」の応用では、電力の緊急修復作業に必要なケーブル、ケーブル付属物などの物資の実際にある数量に基づき、ケーブル自動仕分け装置などを利用して精密な仕分けをして出庫エリアに送り、準備する資材と実際に使用する資材とのマッチング度を高め、緊急修復用資材の準備にかかる時間を短縮している。電力緊急修復作業員は現場の検証を終えると、携帯電話のアプリで修復に必要な資材を遠隔申請し、スマート倉庫に指令を出して資材が自動的に出庫されるようにし、最終的にコードを読み取って確認し資材の準備を終わらせる。これにより資材の入手にかかる時間が約70%短縮され、緊急修復のペースが40%向上した。

スマート倉庫と高効率の物流は仕分けのペースを速めただけでなく、人的資源の質向上と効率上昇にもつながった。嘉興桐郷電力パークでは、無人搬送ロボット(AGV)が秩序よく貨物の運搬作業を進めている。スマート倉庫の責任者である項勁堯さんの説明によると、「モバイル端末での遠隔コントロールにより、変圧器1台を倉庫で仕分け、出庫し、一時置き場に置くことが簡単にできるようになり、事前の物資調達作業がスムーズになった。これまでは4~5人が一緒に作業する必要があったが、今は作業員が1人いてバックグラウンドで遠隔操作すればよくなった」という。

新インフラ整備の急速な発展は、スマートな生産、スマートな暮らしの新たな情景を描き出している。