「一帯一路」5周年
中国の物流企業に新たなチャンス

8月5日午前2時35分、順豊航空公司の深圳とチェンナイ(インド)を結ぶ大重量貨物機が深圳宝安空港から離陸し、5時間以上の飛行を経て目的地に到達した。これは同社のチェンナイを目的地とする初の大重量貨物機路線であり、深圳とインドを結ぶ初の貨物直行便でもある。

「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブが打ち出されてから5年間にわたり、中国と沿線諸国の貿易協力の深化が続き、一帯一路主要貿易国の重要な輸出入市場になった。中国の物流企業は大きなチャンスを迎え、順豊速運のような「空の倉庫」が増え続けている。また国民経済を後押しすると同時に、国際貿易成長に前向きな影響を及ぼしている。


中欧班列

貨物輸送がより便利に

記者が2018年8月4日夜、深圳空港を取材したところ、貨物到達から順豊航空公司の大重量貨物機の離陸までに費やされた時間はわずか8時間前後だった。税関が通関データを受け取り、貨物を通過させるのにかかった時間は1時間未満だ。

一帯一路の建設に合わせ、貨物通関時間を3分の1短縮する目標を達成するため、深圳空港税関当局は深圳空港集団と協力し、7月16日よりさらに便利な通関措置を開始した。

航空物流担当者の李玥氏は、「技術面において我々は電子物流情報化システムを採用し、通関時間を大幅に短縮した。検査については、5次元スキャン技術を使い箱を開けずに検査することで、検査と押収の効率を高めた。また政策面では、従来の到達後の申請を、到達前の申請到達後の検査に変更することで、通関時間を3分の1短縮した上でさらに1−2時間短縮した」と説明した。

さらなる国際協力

順豊速運海外エリア事業責任者の尹剣氏は、「中国と一帯一路沿線国の貿易額はすでに2桁台の成長を示している。当社の一帯一路沿線における物流業務と宅配業務量が増加を続けている。当社は2017年に、タイとベトナムの事業を開始した。今回のインド行きの便は、当社が一帯一路沿線国の物流業務の需要に対処する新たな試みだ」と述べた。

インドは世界2位の人口大国で、中国製スマホが高い市場シェアを占めている。2018年第1四半期のインド売上トップ5のブランドに中国ブランドが4社ランクインした。うち小米(シャオミ)は31.1%のシェアで首位をキープした。

航空輸送の速度の優位性により、順豊は中国の特色ある農産物と生鮮食品の輸出を試みている。2018年6月7日、順豊広州区はライチ650キロをアラブ首長国連邦のドバイに輸出し、順豊国際と広州区のライチの海外輸出を初めて実現した。情報によると、順豊はさらに特色ある経済事業の模索を続け、ザリガニを中東に輸出する予定だ。順豊航空の劉良浩董事長(会長)は、「国際業務の拡張に伴い、順豊速運はさらに世界の12都市とつながる直行便を試験的に開通する。多くの国際都市にサービスを提供し、一帯一路建設の発展のチャンスをつかむため取り組む」と表明した。

越境ECがさらに活況

一帯一路の推進と従来の貿易方法のモデルチェンジアップグレードに伴い、B2Cの越境ECの発展の潜在力がさらに引き出されている。越境ECは高度成長ルートに入っており、宅配業務量が毎年増加している。

国家郵政局のデータによると、2017年の全国宅配サービス企業による国際及び香港地区マカオ地区台湾地区宅配業務量は、2013年の3.2倍の8億3000万件に達した。2018年上半期は前年同期比43.1%増の5億2000万件で、業界全体の伸び率を15.6ポイント上回り、13ヶ月連続で業界の平均伸び率を上回った。

郵政企業の越境ECを対象とする主要商品である中国郵政の国際EMS、国際e郵宝、国際小包などの商品の業務量は2017年、2013年の6倍以上の12億件にのぼり、国際市場に進出する中国企業の間で最も人気のあるルートの一つになった。

国家郵政局の関係者は、「一帯一路の建設により良く貢献するため、関連国際組織及び沿線諸国との政策のコミュニケーションを強化し、郵便物速達便航空輸送ネットワークの建設を強化する。中欧班列(国際定期貨物列車)による郵便物速達便の輸送の推進を加速し、国境地帯貿易速達ルートを構築する」と表明した。