世界経済に活力を与える中国

第19回中国共産党大会後初の中央経済政策会議は大きな期待を集め、世界は2018年の中国の経済政策の行方にことのほか注目している。

こうした注目は中国自身の発展から得た巨大な成果によるものである以上に、中国が他のエコノミーにもたらす確かな発展のチャンスが世界経済に強大な活力を与えてきたことによるものだ。

第1に、中国は成長の原動力をもたらした。過去5年間、世界経済の成長に対する中国の寄与率は年平均30%を超えた。これは同期の米国、ユーロ圏、日本の寄与の総和を上回り、中国自身の経済規模が世界全体に占める割合も3.5%まで高まった。これは中国が世界経済成長の主要な原動力の源とスタビライザーになったことを意味する。


中国のスーパーマーケット

構造を見ると、生産力のたゆまぬ発展と技術の進歩にともない、先進エコノミーは新産業、新モデル、新サービスを開拓すると同時に、新技術によって従来型産業を改造することを必要としている。一方、途上エコノミーは自らの経済的テイクオフの実現、「後発組としての強み」を示す支えとなる、十分な外的要素の早急な獲得を望んでいる。この時期において、最大の途上エコノミーである中国による平穏な構造転換と高度化の実現が非常に重要であることは間違いない。中国の住民購買力の上昇は、より活発な巨大市場を先進エコノミーに提供し、中国企業は海外投資へ向かい、要素のグローバル化配置に参加することで、多くの途上国に資金技術雇用と需要をもたらした。

第2に、中国は発展のノウハウを模索した。食糧生産能力が6億トンに達し、また宇宙実験室の「天宮」や有人潜水艇の「蛟龍」、口径500メートル球面電波望遠鏡の「天眼」、量子科学実験衛星の「墨子」、国産大型航空機など重要な科学技術成果を相次いで達成させた。そして貧困層6000万人以上の貧困脱却、中西部と農村の教育の強化といったように1つ1つの発展の成果が、中国自身を世界経済の「模範生」にしただけでなく、世界の他のエコノミーに有益なノウハウをもたらした。

例えば、中国が探り出した「開発区ノウハウ」を、現在参考にするエコノミーが増えている。経済特区、経済開発区、あるいは自由貿易園区の設置は、成功した管理ノウハウを広め、発展のチャンスを捉え、制度資金人材技術などの要素の強みの集約利用を実現し、急速な発展を実現するとともに、発展の全局に対する模索リスクの負の影響を軽減することにもなる。


有人潜水艇の「蛟龍」の前で記念撮影

第3に、中国は効果的な構想を提供した。現在、世界の多極化と経済のグローバル化が深く進行している。不均衡で不十分な発展の引き起こす様々な矛盾が生じ続け、世界は信頼できる新たな成長の原動力を必要としている。一方で、今日の段階まで発展したグローバル化に世界の政治経済ガバナンス構造も歩みを共にしていかなければならない。

これに対して中国は積極的に人類運命共同体の構築を訴え、「一帯一路」」(the Belt and Road)イニシアティブを打ち出し、「一帯一路」国際協力サミットフォーラム、アジアインフラ投資銀行、シルクロード基金などの対話制度や協力プラットフォームの設立を推し進め、世界各国が溝を埋め、強みによる相互補完を実現するための中国の構想を提供している。現在、こうした構想は世界に恩恵をもたらしている。2014~16年、中国と「一帯一路」関係国との貿易総額は3兆ドル(約339兆円)を超え、関係投資額は累計500億ドル(約5兆6640億円)を超えた。

良い風の力を得て、帆を揚げる時がまさに来ていると言えるだろう。改革開放は中国経済のテイクオフを促進し、中国の発展もまたさらに開放を進めていく中で世界に酬いることになるだろう。そして中国の発展の活力が世界経済を好循環へと後押しすることを、歴史は最終的に証明することになるだろう。