中国企業500社ランキング発表

江西省南昌市、中国企業連合会、中国企業家協会は9月10日、16回目となる「中国企業500社ランキング」を発表した。トップ3には国家電網公司、中国石油化工集団、中国石油天然気集団が並んだ。人々の注目を集めたのは、今年の500社の営業収入の総額が初めて60兆元(約1024兆1500億円)を突破して64兆元(約1092兆4200億円)に達し、新たなステージに突入したことだ。


中国石油化工集団

今回の500社の注目点

500社入りのハードルが過去最高製造業の純利益が著しく増加し、国際的地位がさらに向上している。

今年のランキングをみると、規模が緩やかに増加し、1000億元クラス(約1兆7069億円)の大企業の陣容が拡大した。この5年間に、中国企業500社の営業収入は27.9%増加したが、同期の米国企業500社の営業収入はゼロ成長にとどまり、世界企業500社は8.6%減少した。特に今年は500社入りのハードルが前年より39億6500万元(約676億7900万円)上昇し、2002年にランキングの発表を開始して以来最大の上昇幅となった。営業収入が1000億元を超えた企業は157社に上り、前年より5社増加した。

利益が改善を続け、製造業の純利益が著しく増加した。17年に中国企業500社の純利益は2兆8000億元(約47兆7900億円)に達し、過去5年間で30.2%増加し、同期の米国企業500社の純利益は8.5%増加にとどまった。中国では製造業の純利益が同18.03%増加し、500社の純利益全体のうち19.53%を占め、この割合は前年より約2.5%上昇し、過去5年にわたって続いた低下局面をついに転換させた。

構造の最適化が進み、新たな原動力が次々に出現した。17年の中国企業500社のうち、製造業の占める割合は49%となり、初めて50%を割り込んだ。サービス企業の営業収入の伸びが5年連続で製造業企業を上回った。特に阿里巴巴(アリババ)や騰訊(テンセント)を代表とする一連のインターネット企業が、新産業、新業態、新技術の力を借りて急速に成長し、一躍、時代を引っ張る世界企業500社の仲間入りを果たした。

また研究開発(R&D)の強度が上がり、革新の成果がますます顕在化している。この5年間に、中国企業500社のR&D経費は33.9%増加し、R&D強度は1.28%から1.45%に上昇した。保有する特許は73万7000件に上り、5年間で2.2倍に増えた。中興と華為(ファーウェイ)が世界企業の国際特許出願件数で1位と2位を占めた。米トムソンロイターが発表した「2016年グローバル革新報告」によれば、美的、格力、海爾は革新能力で世界の家電産業のトップ3に並んでいる。

さらに国際的な地位がさらに上昇し、世界レベルの企業が登場して頭角を現した。世界企業500社のうち、大陸部企業は12年の86社から現在は105社に増え、国別で2位になった。通信、設備、建築、家電、化学工業などの分野で世界的な競争力を備えた一連の中国の大企業が輩出されている。

成長のよりどころ

革新による駆動の強化、企業家精神の発揚、バリューチェーンの中間川上へ邁進などが挙げられている。中国企業500社は革新による駆動を強化し、バリューチェーンの中間や川上へと邁進している。

中国の工業が先進国に追いつき追い越すためには、革新によってグローバル経済の科学技術面での攻略点を勝ち取る方針を堅持し、常に革新を企業が変化を認識し、変化に対応し、変化をコントロールしていくための核心的要素とすることが必要だ。ランキングをみると、17年の中国企業500社のR&D経費は7359億元(約12兆5611億円)を上回り、前年比11.02%増加した。

中国企業500社は資産構造を最適化し、供給の質を改善している。供給側構造改革を深め、企業レベルで実施するには、資産構造を最適化し、資産の運営効率を向上させ、質の高い製品とサービスを供給し、消費者によりよい獲得感を与える必要がある。

「一帯一路」(the Belt and Road)のチャンスをとらえ、国境を越えた経営を進めていく。17年の中国企業500社のうち、284社は海外での営業収入データがあり、16年の営業収入は計43兆9400億元(約750兆円)に上った。海外での営業収入の割合が40%を上回る企業は19社あった。

「一帯一路」参加国を合わせた人口は45億6700万人で世界の62.2%、経済規模は22兆8600億ドル(約2570兆1500億円)で同30.9%を占める。中国黄金集団公司の宋鑫会長は、「『一帯一路』建設はゴールド産業を含む中国の大企業に広大な発展の新空間を提供しているといえる」と話す。