中国、世界2位の研究開発大国をキープ


新疆で導入された風力発電設備

米国立科学財団が今年1月に発表した「科学工学指標」によると、中国の科学技術の世界的な地位は日増しに高まっている。研究開発費、科学技術系論文の産出、ハイテク産業の付加価値額などで世界2位を占め、理工学系人材の育成、風力発電能力で世界一となっている。中国は今や正真正銘の、世界2位の研究開発大国になっている。

研究開発費の対GDP比、10年で2倍に上昇

同指標によると、世界の研究開発費は全体的に上昇傾向を示しており、北米・欧州・東アジア・東南アジアに集中している。米国は依然として世界一の研究開発大国であり、中国は2位につけている。中国の研究開発費は、EUの合計に近づいている。

東アジア・東南アジア諸国の研究開発費はこの10年間で急増し、うち中国が最も顕著だった。中国は2003~13年に、世界の研究開発費の増額分の約3分の1を占めた。欧米が占める比率が低下し、うち米国は35%から27%、欧州は27%から22%に低下した。東アジア・東南アジア諸国は25%から37%に上昇した。

研究開発費の対GDP比を見ると、中国と韓国は10年間でほぼ2倍に上昇している。

理工学系人材の育成は世界一

科学・工学人材は、一国の革新力と経済競争力にとって極めて重要だ。同指標によると、中国が2012年に授与した大学の学位の半数弱が、科学・工学系となった。米国の同比率は33%のみ。世界の科学・工学系の大学学位授与件数は640万件で、うち中国が23.4%、インドが23.0%、EUが12%を占める。米国は9%のみ。

中国の大学学位件数の伸び率は、主要先進国を大幅に上回る。2000~12年に中国の科学・工学学位授与者は3倍以上に増加し、米国、欧州、アジアのその他の国を大幅に上回った。また中国の科学・工学博士学位授与者は、米国に次ぐ世界2位となった。米国では2000年以降、半数弱の科学・工学博士学位が短期滞在査証所持者に授与された。中国、インドなどのアジア諸国の場合、これらの博士学位授与者は主に自国民となっている。

ハイテク産業の付加価値額は世界2位

同指標によると、2014年の世界ハイテク産業付加価値額は1兆8000億ドル(約204兆7770億円)にのぼる。中国は27%を占め世界2位で、米国の29%をやや下回った。21世紀以来、中国のハイテク産業付加価値額が激増し、2001~14年の間に10倍に増加した。中国ハイテク産業は情報通信技術と製薬に重点を置く。情報通信技術製品は世界の39%、製薬業は世界の28%を占めた。2014年の世界ハイテク製品輸出額は2兆4000億ドル(約273兆円)で、中国がその4分の1を占めた。

2014年の世界の知識集約型ビジネス支援サービス業(KIBS)付加価値額は12兆8000億ドル(約1456兆円)で、中国は10%を占めた。しかしKIBSは中国で急速に発展しており、すでに日本を抜き米国とEUの後を追っている。2013年の世界のKIBS輸出額は1兆5000億ドル(約170兆6300億円)で、中国は7%を占めた。インドの比率は中国と同等。EUと米国が約半分を占めた。

同指標によると、2014年の世界のクリーン・再生可能エネルギー投資総額は2810億ドル(約32兆円)に達した。うち中国の導入額は31%を占め、EUと米国が続いた。中国の太陽光・風力発電投資額は世界一で、発電能力が急速に拡大した。中国の風力発電能力は世界一で、低コスト太陽電池の生産量も世界一となっている。