躍進する「メイドインチャイナ」

2013年、世界は「中国の時間」を刻み、全世界の産業チェーンで「中国の躍動」が演じられている。

「メイドインチャイナ」が急速に躍進

オランダのアルメールにある広西柳工集団公司(柳工)のヨーロッパ本部に、英国のディーラー、コンストラクション・プラントのゼネラルマネージャー、ブリアン・プレスコット氏が招待された。

同氏は柳工のCLG856IVホイールローダーを自ら運転した後、「メイドインチャイナ」に対する先入観を一掃し、「中国の建設機械メーカーの、ハイエンド市場を征服しようというこんなにも強い気迫は今まで感じたことがない。これが、私が最終的に柳工と提携して英国市場を開拓しようと決断した決定的要因だ」と語った。優れた品質と革新的技術によって、柳工はすでに世界の建設機械メーカーのトップ20に躍進している。

広西玉柴重工有限公司、瀋陽機床、吉利自動車、首都鋼鉄集団有限公司などが製造する、多くの「中国製知的製造物」-中国製機械がミュンヘン、ラスベガスなどで開催される世界的に名の通った専門展示会にデビューしている。その製品とブランドは今まさに「海外に根を下ろす段階」から「結実段階」へと進みつつある。

こうした「パイオニア」の成功の陰にあるのはメイドインチャイナ全体の構造転換とバージョンアップだ。データから見ると、2013年の1月から11月まで、全国の輸出入総額は23兆4300億元(約397兆8910億円)で、為替要因を除いて前年同時期比で7.7%増となっている。

その内、機械および電気製品の輸出は7.9%増の1兆1478億9000万ドル(約120兆円)で、同期間中の中国の輸出総額の57.3%を占めており、ハイテク製品の輸出は同じく11.1%増の5992億7000万ドル(約62兆5800億円)となっている。

関係者は「世界経済の低迷というなかで、機械および電気製品が依然として輸出全体の半分を占めていることは、『メイドインチャイナ』の実力と吸引力を十分に証明しています」と語っている。

 

国際分業の列の中で

中国はサービス貿易を拡大

昨今、サービス貿易の発展は徐々に世界各国の国際収支状況改善と国際分業における地位の向上のための重要な手段となりつつある。

2013年の年初、百度は米国のシリコンバレーに人工知能実験室を設立し、11月には蘇寧電気もシリコンバレーに研究所を定めた。クウェートのZainはGSM/UMTS/LTE融合ネットワークに華為技術有限公司の多周波超広帯域アンテナを配置することを選択し、現在1000基地局の配置を終了している。TencentのWeChatは東南アジアや中東地域に広がり、現在は積極的に欧米の国々を開拓中だ。

多くの成功事例は中国企業が絶えず「中国のサービス」を拡大し、「スマイルカーブ」(電子産業などの収益構造を表す言葉の1つで、製品の組み立て・製造工程の利益率が低くサービス関連が高いことを、顔のスマイルで表現)の両端を占領して国際分業における地位を向上させていることを証明している。

13年の第3四半期までに中国のサービス輸出入総額は前年同時期比13.4%増の3905億ドル(約40兆3988億円)に達している。高付加価値サービスの中では保険、コンサルティング、およびパテント・ロイヤリティーとライセンスの輸出が急速な成長を見せており、それぞれ前年同時期比で21.7%、19.9%、16.7%の増となっている。コンピューターと情報サービスの輸入の伸びも顕著で、伸び幅は53.6% となっている。

サービスのアウトソーシング分野では、中国の産業構造が初期のソフトウェア•コーディング、プログラムテストから情報技術のアウトソーシング主体に発展し、金融アウトソーシング、医薬品の研究開発、プロセスマネージメント、工業デザインなどが多元的に共に進められる枠組みに成長し、業務構造が徐々に適正化されている。

13年の1月から10月の情報技術アウトソーシング、業務プロセスアウトソーシングおよび知識プロセスアウトソーシングの割合はそれぞれ54.3%、13.8%、31.9%である。

 

経済のグローバル化には

「中国語」を響かせること

「中国語」を響かせることができるかどうかは、ある程度中国市場、中国による投資および政府の国際的パフォーマンスにかかっている。

データによると、2013年の1月から11月、中国が実際に使用した外資金額は前年同時期比5.48%増の1055億600万ドル(約11兆200億円)だった。中国向け投資はアジア10カ国/地域では前年同時期比7.45%、米国では同じく8.6%、ユーロ27カ国では17.36%の伸びとなっている。データは中国市場の「マグネット効果」を再度証明し、「中国の吸引力下降説」に効果的に反論した。中国商務部の姚堅報道官は「中国が吸収した外資の規模はすでに世界第2位で、21年連続で吸収外資の最も多い発展途上国となっている」と語っている。

世界に目を向けると、13年の1月から11月、中国は前年同時期比28.3%増となる802億4000万ドル(約8兆3012億円)の非金融分野の直接投資を実現している。

5年に及ぶ国際金融危機の中で、発展諸国は新たな国際貿易投資ルールの制定を大いに推進し、労働基準や環境保護などの新たな議題の交渉を積極的に推進して今後の国際競争における攻防ポイントを押さえようとしている。

中国は13年は重要な経済協力交渉に参画し、開放能力を全面的に強化した。4月にはアイスランドと、7月にはスイスとの自由貿易区交渉調印が成功裏に終了した。中国は現在までに18の自由貿易区を建設中だが、その内12の自由貿易協定(FTA)が調印され、6つが現在交渉中だ。

中国商務部の高虎城部長は「開放を強化するというトップレベルのデザインと戦略配置は、経済グローバル化の推進者、貿易投資自由化の実践者、国際ルールへの参画と制定者、共同利益の擁護者および調和のとれた世界の建設者となることだ」と語っている。