各国の高速鉄道発展を概観

高速鉄道は速くて便利、低炭素でエコな交通手段として、未来の世界の交通運輸の発展方向を象徴している。統計によると、現在、世界で運行している高速鉄道は2.5万kmを超え、中国、日本、フランス、ドイツを含む17カ国と地域に分布している。

日本の新幹線

日本の新幹線の正式名称は「高速鉄道運輸システム新幹線」であり、流線形の車体の先頭が巨大な銃弾に似ていることから「弾丸」とも呼ばれている。(注)

日本の新幹線の発展の歴史は1964年にさかのぼる。当時、営業運転を実現した世界初の高速鉄道が東海道新幹線で、開通時の時速は210kmに達しており、かつ試運転では443km/hの記録もつくった。2011年までに日本の高速鉄道の距離は2534kmに達し、中国に次いで2番目である。

ドイツの高速都市間列車

ドイツ高速都市間列車は略称をICE(Inter City Express)という。ICEの汽車は1979年には研究開発に成功していたが、実用としての高速鉄道運行は1991年になってやっと開始された。最初の線はマンハイムからシュトゥットガルトまでで、時速は250kmに達した。その他の路線は1992年建設のハノーバーからヴュルツブルクまでである。

フランスの高速列車

フランスの高速列車は日本の新幹線、ドイツのICEと並んで、世界高速鉄道の三大主要システムと言われており、日本の新幹線の後、世界で2番目に実用運転に投入された高速鉄道システムである。これは、世界にフランスの製品として名が知れると、多くの国で導入された。

世界の高速鉄道技術発展の先駆者として、現在もフランスの高速列車は574.8km/hの鉄輪式列車の速度記録を保持している。高速鉄道技術の発展は、フランス国内鉄道ネットワークを迅速に拡大させただけでなく、欧州のその他の国々をもつないだ。

米国の高速鉄道システム

米国は今のところ、本当の意味の高速鉄道は1本だけだ。それはワシントンからボストンに向かう「アセラ・エクスプレス」で、その最高速度は時速240kmであるが、ほかの列車と共用の線路を走っているため、平均速度は最高速度を大きく下回っている。

米国は奮起して追いつこうと、23の州で54の高速鉄道建設プロジェクトの着手を計画しており、財政支援は24億米ドル(約2144億6400万円)に及ぶ。これにより、この先、世界の高速鉄道の技術競争はますます激化していくことだろう。(祝偉)

 

訳者注:

翻訳内容は原文通り。実際には、「新幹線」は「新幹線鉄道(新しい幹線鉄道の意)」の略称であり、「日本の高速鉄道システムの固有の名称」である。また、「弾丸列車」という言い方は、日本以外の通称「bullet train」からきており、弾丸に似ているからではなく、弾丸のように速く走る列車――高速列車の意味で使われる。