都市化は「質とスピード」の両立で

都市化は今後の経済発展の新しい動力だが、これからは過去のやり方、「大躍進」式の推進はできないと専門家は指摘している。今後は科学的で合理的な計画、地域の発展と協調しながら、環境に配慮した都市化を進めなければならない。物質主義のハードな建設から「人を主体としたソフトな建設へ」、速度のみの追求から「スピードと質の両立へ」と転換していかなければならない。

 

都市計画は合理性が必要

中央経済工作会議は、「科学的、合理的な都市計画が必要であり、都市と村落、都市群を科学的に配置し、地域経済発展や産業立地と密接に連携しなければならない」と発表した。

国家発展改革委員会中国都市・村落センターの易鵬研究員は、「都市化そのものが就業と消費をもたらすものではなく、経済、科学技術、実業生産そのものの発展によってのみ、住民への福祉が充実し、さらに多くの人が都市に引きつけられる。そのことにより都市化の拡大が促進されるのであって、その逆ではない」としている。

「都市化の質を高め、『5つの防止』を徹底しなければならない」とし、全国人民代表大会委員であり経済学者である辜勝阻氏は以下のように提案している。1、都市化の「ラテンアメリカの落とし穴」を防止し、産業を無視した「過度の都市化」を避ける。2、「スピーディーだが質は低い」都市化を防止し、「速度に質が伴わない」都市化を避ける。3、都市化の過程において出稼ぎ農民が隅に追いやられることを防止し、「半都市化」に伴う高すぎる社会的代価を避ける。4、「土地値上がり益」を過度に利用することを防止し、「都市化」が「不動産化」になることを防ぎ、不動産価格の高騰を避ける。5、大都市の「大都市病」を防止し、大都市人口の過度の膨張を避ける。

大都市集中ではない

都市化推進の過程では、その配置は地域の発展と歩みを共にしなければならない。地域の事情に合わせ、発展段階の違いに基づいて合理的に都市化を進めなければならない。

中国社会科学院農村発展研究院の李国祥研究院は、「新型の都市化は3つの問題を解決しなければならない」としている。まず、都市の土地拡張は農業人口の移転と結びつけなければならず、ただ都市を拡張し建設するだけではいけない。次に、都市化は産業の移転と結びつけ、産業の都市と農村間、地域内での合理的な配置を実現しなければならない。第3に、大都市は中小都市および市街地と協調して発展しなければならない。

過程を貫く環境重視

中央経済工作会議は、「集約化、インテリジェント化、エコ化、温暖化防止の都市化の道」を行かなければならないと指摘している。

専門家は、「地域の環境に適合した都市化発展の青写真を策定すべきで、そうすれば都市化と経済、社会、生態系のバランスと協調を維持できる」と提案している。

辜勝阻氏は、環境重視の理念と原則を都市化の全過程に溶け込ませるべきだとしている。発展の過程では、都市化は、量的拡大だけではなく、それ以上に質の向上を重視すべきで、数量を重んじる外延的拡大から質を重んじる内面的発展へ、すなわち「幸福都市」、「インテリジェント都市」、「調和都市」の建設を目指すべきである。