人民元の国際業務が飛躍的に前進

中国人民銀行の李東栄総裁補佐は1月11日、第10回中国輸出入企業年次総会に出席し、中国の人民元建国際業務管理の枠組が基本的に整備され、各種の人民元建国際業務が飛躍的な進展を遂げたと明らかにした。

 李氏は、「国務院の認可を経て、現在国際間貿易における人民元建決済の試行範囲は全国に拡大され、業務範囲も貨物貿易、サービス貿易とそれ以外の経常項目から一部の資本項目にまで拡大し、中国企業の対外直接投資、外資企業の人民元建直接投資、運用の決済に便宜を提供している」と語った。

 今後、中国は人民元の国際業務を着実に推進し、貿易投資の利便性を促進する。

 李氏はまた、「現在中国国内との間で実際に人民元建の支払い業務を行っている国と地域は既に181に上っており、それぞれの業務規模も着実に拡大している。2011年末までに銀行が経常項目として処理した人民元業務の決済金額は2兆5800億元で、資本勘定としての人民元決済量も着実に増加している。2011年通年で銀行が処理した人民元建対外直接投資金額は累計で201億5000万元、外資企業による直接投資の決済金額は907億2000万元となっている」と述べている。

 データによると、この間、香港でも人民元業務が急激に拡大し、2011年11月末時点で人民元業務を取り扱う香港の金融機関は既に132社を超え、人民元建貸付も256億元に上っている。人民元建預金残高は6273億元で香港全体の銀行預金残高の10%前後を占め、人民元は既に香港ドル、米ドルに次ぐ第3の通貨となっている。

 李氏によれば、各国中央銀行間の通貨協力の面では、2011年末時点で中国人民銀行は韓国、マレーシア、香港、ベラルーシ、アルゼンチンなど14の国と地域の中央銀行、通貨当局と総額1兆3000億人民元の二国間通貨スワップ協議を結んでおり、一部は既に実質的な運用段階に入っている。

 李氏は、「人民元の国際業務を発展させる過程には、まだ多少の完備すべき余地があり、次の段階として、中国は二つの面で人民元の国際的な各種取り扱いを推進していく。一つは人民元の国際的、良好な循環実現の推進で、人民元の国際的流通チャネルをさらに拡大し、国内外の人民元市場と協調していく。二つ目は、商業銀行による高品質の国際的人民元建金融サービス提供の推進で、中国?行業監督管理委員会の要求に沿い、リスク回避の強化を図った上で、商業銀行による「海外進出」企業への包括的な国際的人民元建金融サービス提供を奨励していく」と述べている。