多くの国で、不動産価格の2けた上昇が今や「常態」になっている。関連機関の中には、「今回の世界的な『不動産市場の大ブレイク』はかつてない規模で、しかもこのような上昇傾向が来年まで続く可能性がある」との見方を示すところもある。
米国の不動産価格が過去最高レベルに到達
第3四半期(7-9月)には、北米エリアの不動産市場で上昇傾向が続いた。関連の報告によると、米国の不動産価格はすでに過去最高レベルに到達した。8年にわたって価格上昇が続いているというのに、今回の市場の上昇傾向はさらに強いものとなっている。超低金利と政府の大規模な経済活性化のための支出に後押しされて、米国では住宅の着工・建設が盛んだが、限られた供給量が販売を制約し、価格を押し上げることになったという。
21年7-9月期には、米国の季節調整後のS&Pケース・シラー住宅価格指数が13.41%に跳ね上がり、前年の5.63%から大幅に上昇し、さらに過去最高の前年同期比上昇率となった。
カナダでは、主要都市11ヶ所の住宅価格が2年間低下傾向にあったが、力強いニーズと経済見通しの改善により、再び力強い上昇に転じた。21年7-9月期には、同11都市の実際の住宅価格は同12.34%上昇と大幅に上昇し、前年の上昇率6.17%を大幅に上回った。カナダの不動産販売量も最多記録を更新した。
欧州のモンテネグロの不動産価格上昇幅は世界一
同報告によれば、21年7-9月期のグローバル住宅価格調査で最も力強い動きを見せた5つの市場は、モンテネグロ(32.4%上昇)、スウェーデン(17.97%上昇)、オーストラリア(16.08%上昇)、オランダ(15.33%上昇)、プエルトリコ(14.56%)だった。
この5市場のうち3つは欧州にあり、21年7-9月期の欧州不動産市場は急速な上昇傾向を維持した。同報告の指摘によれば、同期の調査可能なデータがある29の欧州住宅市場のうち、26以上の市場で価格が上昇したという。
また同報告は、アジアの15の住宅市場のうち、7市場は21年7-9月期に前年同期より力強い動きを見せたと指摘。10市場は価格が上昇し、中でもパキスタン、韓国、日本、中国の価格上昇が目を引いたという。韓国は同13.12%上昇し、19年ぶりに最高を更新した。日本の市場も明らかに上昇した。同期の既存マンションの平均価格は同10.12%上昇と力強い伸びを見せ、前年の3.97%上昇から大幅にアップした。
海外不動産市場が価格上昇ラッシュに
居外IQI(Juwai IQI)グループの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるカシフ・アンサリ氏は、「北米、オーストラリア、英国、ドイツの不動産市場は、新型コロナウイルス感染が拡大した年には需要の急増と政府の支援により価格が上昇を続け、予想では上昇幅は鈍化するものの、今回の上昇傾向は来年も続く見込みだ。住宅アフォーダビリティがますます各国の注目の焦点になっている」と指摘する。
今回の世界的な住宅価格上昇は主に新型コロナの影響によるものだ。アンサリ氏は、「まず新型コロナが人々の住まいに対する見方を変えた。人々は住宅に対しより広い室内と室外の空間を求めるようになったため、住み替えや引っ越しが必要になった。また、住宅を持つ人は簡単に家を売らなくなった。あとで買えなくなるかもしれないからだ。さらに新型コロナで建築材料と建設作業者が不足し、新築住宅の供給が需要に追いつかなくなった。米国では、ミレニアル世代(現在25-40歳)も住宅購入の時期を迎えている。この世代の住宅保有率は上の世代よりも低く、彼らは米国不動産市場で硬直的需要を持った主な購入者になり、今後数年間は引き続き不動産購入ニーズを持ち続けるとみられる」と述べた。
アンサリ氏は、「不動産市場がずっとこのように上昇し続けることはもちろんあり得ない。ローン金利が引き上げられ、物件販売数が増えれば、今後数年間で需給は徐々に正常な状態に戻るだろう」との見方を示した。
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