中国は世界最大の 通販市場に


ネットで買い物している女性

米調査会社ACニールセンがまとめた最新の研究結果によると、ネット利用者の急速な増加、スマートフォンの急速な普及、インターネットの持続的浸透などを受けて、中国は世界最大の通信販売市場になったという。9月8日に行われたニールセン第4回中国消費者フォーラムでは、ニールセンの専門家たちが「オンラインとオフラインの融合を実現し、世界最大の通販市場で勝利を収める」というテーマに添って、中国小売市場に対する最新の考察を共有した。

消費者がどこでどうやって買い物するかを決定づける重要な要因は便利さだ。ニールセンは都市発展の見通し、チャンネル開拓の現状、消費者のニーズに基づいて、「コミュニティ型の便利さへのニーズの潜在力をもった上位50都市」ランキングを作成。小売企業にとって、このランキングに名前の上がった50都市は、オフライン店舗開拓の有利なチャンスがある場所というだけでなく、オンラインとオフラインとの有機的な結びつきを実現させる潜在的な資質をもった場所でもあり、ここをよりどころにして、通販戦略を積極的に展開すれば、よりスピードの速い流通を実現し、より多くの商品の選択肢を提供する上でプラスになる。

ニールセン中国法人の李昕副総裁は、「中国の消費者はオンラインのキャンペーン活動に参加することが好きで、通販で商品の選択肢がより多くなることを喜ぶ。オンライン消費は日に日に多様化している。企業にとって、通販限定商品を提供することが売上を伸ばす有効な手段になっている。ネットの浸透率と携帯電話の加速的普及が、小売市場全体の局面を変えつつある。消費の潜在力はさらに発揮されることが期待される」と話す。

ニールセンの研究によると、インスタント食品の販売量の22%はネットの通販限定商品で、マタニティ・ベビー用品、セルフケア製品などの重要品目も似たような状況だ。通販限定商品の人気は小売企業にとってみれば、市場の潜在力がさらに発揮されるのを待っていること、実店舗の売り上げに影響しなければチャンネルを開拓するチャンスがあることを意味している。消費財市場ではオンラインでの売上が全体の24%を占めており、増加ペースをみると、ネットチャンネルの増加率が伝統的チャンネルの6倍に達した。中国市場のネット通販の発展ペースは驚異的だが、これはネットチャンネルが実店舗での売り上げに取って代わることを意味しない。

李副総裁は、「消費者がただ1つの買い物スタイルを選んで消費する時代はもう終わった。消費者は買い物に際し、便利さ、快適さ、価格などの要因を検討して決定を下す。消費者はオフライン消費の体験を放棄しようとは思わないし、オンラインショッピングの便利さも享受する。こうした流れはオンラインとオフラインとそれぞれのショッピングへの期待値を融合させる流れを生み出し、メーカーや小売企業にとって、チャンスでもあり挑戦でもあるといえる」と話す。