Netflix版「三体」の視聴者が配信わずか10日で1100万人突破
中国IPの海外進出がもたらす新たなビジネスチャンス

世界的に高い人気を誇る中国国産小説の一つ「三体(Three-Body Problem)」の映画・ドラマ版に対する注目は、中国国内外のSFファンや文学ファンの間で高まり続けている。

Netflixにおける

史上最高額のプロジェクト

4月1日の時点で配信10日目を迎えたストリーミングサービスのNetflix版「三体」は、視聴者数が累計で1100万人を超え、再生回数が93カ国・地域でトップ10入りしている。

大人気SF小説の「三体」は、アニメやドラマなどに何度も映像化されてきた。公開されている資料によると、Netflix版「三体」は、「ゲーム・オブ・スローンズ」でクリエイターを務めたデヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスが手掛け、同シリーズのキャスト数人も出演している。

また、1話当たりの平均予算は2000万ドル(約30億3000万円)。全8話であるため、予算は合わせて約1億6000万ドル(約242億4000万円)ということになり、Netflixにおいて史上最高額のプロジェクトの一つとなっている。

映像化された「三体」が大ヒットし、そのIPの海外における影響力も高まっている。EC大手・アマゾンの統計によると、現時点で、「三体」の英語版オーディオブックは「文学・小説系」の売れ筋ランキングで2位に入っている。また、紙媒体・電子書籍も「文学・小説系」の売れ筋ランキングで2位に入り、総合ランキングは14位となっている。

 

小説・ドラマ・映画の

IPビジネスを展開

小説「三体」を中心としたIPビジネスも展開され続けている。取材では、「三体」はすでにアニメ化やラジオドラマ化、ゲーム化されているほか、アート展も開催されている。

また、公開されている資料によると、「三体」はIPコラボにより、20億元(約418億円)の価値を生み出しており、家電や文化クリエイティブ、日用消費財(FMCG)といった分野を含む100社以上とコラボしてきた。

海外市場で「三体」がIPビジネスを展開し、大きな競争力を発揮していることは、盛り上がる中国映画やドラマの海外におけるIPビジネス展開の縮図となっている。

2023年の春節(旧正月)に合わせて公開されたSF映画・「流浪地球(流転の地球)2 」の海外興行収入は1億元(約20億円)を超え、絶賛放送中のサスペンスドラマ「漫長的季節(The Long Season)」がNetflixでも配信されている。

ドラマ「去有風的地方(Meet Yourself)」は、多言語でYouTubeで配信され、ディズニーは、ドラマ「人世間(A Lifelong Journey)」や「小敏家(A Little Mood For Love)」を海外で配信するための版権を取得している。

映画「こんにちは、私のお母さん(原題:你好、李煥英)」は英語版でリメイクされることが発表されるなど、中国映画やドラマのIPビジネスの新たな可能性がどんどんと掘り起こされている。