4月19日、東京のホテルニューオータニ・芙蓉の間で、遼寧省と日中経済協会の共催による「遼寧-日本経済貿易協力交流説明会」が開催された。中日両国のビジネス、科学技術、文化観光、メディアなどの各界から500人以上の代表者が出席し、遼寧省経済貿易代表団の東京訪問を機に交流を深め、発展に向けて共に模索した。
この交流説明会は、駐日本中国大使館、日本貿易振興機構(ジェトロ)、中国日本商会、日中投資促進機構、中国銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、大連日本商工会議所、日本ESG産業協会が後援、協力した。
交流説明会は遼寧省発展改革委員会の李鵬宇主任の司会により進行された。出席の来賓には呉江浩駐日中国大使、郝鵬中国共産党遼寧省委員会書記兼省人民代表大会常務委員会主任、王録衛中国共産党遼寧省委員会副秘書長、潘爽遼寧省商務庁長、羅麗遼寧省外事弁公室主任、段継陽瀋陽市副市長、冷雪峰大連市副市長、王忠昆鞍山市党委員会書記、邵巍中国銀行遼寧省支店党委員会書記兼支店長、範効華中国銀行東京支店長、佐々木伸彦日中経済協会理事長、荒井勝喜経済産業省審議官らが名を連ねた。
中国共産党遼寧省委員会書記であり同省人民代表大会常務委員会主任の郝鵬氏がまず挨拶に立ち、「私が遼寧省代表団を率いて訪日し、東京でこの説明会を開催したのは、昨年のサンフランシスコでの両国首脳による重要なコンセンサスを実行に移すためであり、遼寧省と日本の地縁や文化が似ているという利点を十分に発揮し、友好交流の伝統を堅固にし、経済や貿易、産業、文化などの各分野で双方の実務協力を引き続き深化拡大し、過去を継承し、引き続き遼寧省が中日協力の最前線に立つことを促進し、中日関係の健全な発展に遼寧省が寄与することを希望している」と述べた。
郝鵬書記は、今日遼寧省の経済はスピーディーに回復、引き続き改善しており、その発展と活性化は新たなレベルに達しており、特別で重要なポジションは新たな発展の機会を与え、産業の再編とアップグレードは新たな飛躍を実現し、科学技術の革新は新たなダイナミクスを生み出し、全面的な開放は新たな活力を呼び起こし、良好なビジネス環境は新たな局面で展開されていると感慨を込めて紹介した。
さらに郝鵬書記は、遼寧省は今回の説明会を新たな出発点として、友好交流の作業メカニズムを十分に活用し、経済貿易、重点産業、科学技術イノベーション、エコ低炭素、文化観光等各分野での協力を、ともに深化させていくことを望んでいると力強く述べた。
呉江浩中国大使はスピーチの中で、郝鵬書記が新型コロナ禍発生後初めて日本を訪問した省党委員会書記であること、また彼のスピーチは高所からの見解であり、また深く、詳細かつ包括的でもあり、中国に対する理解を深める助けとなるはずだと強調した。
さらに、「中国は今後も揺るぎなくハイレベルの改革開放を推し進め、市場化、法制化、国際化された一流のビジネス環境づくりに取り組んでおり、遼寧省はこの三分野で最前線に立てると信じている。地方の経済貿易協力は、中日両国関係の発展にとって重要な支えであり、活力の源である。遼寧省は中国各省の中で工業化の歴史が最も古く、各部門の工業が揃っており、地理的に日本に最も近い省の一つであるため、双方は強い協力の基礎と緊密な人的交流によって、独自の有利な環境を備えている。郝鵬書記が率いる今回の代表団の訪日が契機となり、双方が相互理解を深め、協力の可能性を掘り起こし、新たな成長点を生み出し、中日経済貿易を安定し長期的に発展させる推進力となることを心から期待している」と述べた。
日中経済協会の佐々木伸彦理事長は、遼寧省党委員会の歴代の書記の支援と配慮に感謝を述べ、遼寧省は投資にとってかけがえのない優位性を持っており、中国の改革開放以来、遼寧省には8千社以上の日本企業が進出し、日中経済協会と中国の遼寧省、吉林省、黒龍江省、内モンゴル自治区が共催する双方向の経済貿易交流活動である日中経済協力会議が遼寧省で最も多く開催されていることからも、遼寧省の日本経済界に対する期待と重視がうかがえるとした。
経済産業省の荒井勝喜審議官は挨拶のなかで、2023年8月の日中経済協力会議の盛況ぶりを振り返った。特に同会議では遼寧省の具体的な数字や豊かなイメージが紹介され、400人以上の出席者に同省の投資環境やビジネスの魅力が紹介されたことに感銘を受けたと語った。さらに、遼寧省が日本企業の声に耳を傾け、困難を解決するための手助けをしている姿勢に感謝の意を表した。
当日出席がかなわなかった中国日本商会会長である本間哲朗パナソニックホールディングス株式会社代表取締役副社長は動画でメッセージを送り、中国における日本企業の発展動向とパナソニックの遼寧省における過去5年間の歩みを紹介した。本間会長は、会員企業へのアンケート調査の結果、在中国の日本企業の半数以上が2023年に新規追加投資を行い、中国を重要な市場と位置づけていることを明らかにした。最後に、本間会長は日本の同業者に対し、「百聞は一見に如かず」、中国に行って自分の目で確かめるよう呼びかけた。
遼寧省商務庁の潘爽庁長は、遼寧省と日本との経済貿易協力の主な利点について、第一に立地の優位性が明らかで、交通が便利であること、第二に産業基盤が強く、製造業が発達していること、第三にビジネス環境が継続的に最適化され、ビジネスがしやすいこと、第四に政策が強い権限を付与し、吸引力が強いこと、第五に科学教育資源が豊富で、研究開発のレベルが高いこと、第六に開放・協力のプラットフォームが完備されており、提携の潜在力が高いことであると、非常に親しみやすい言葉で紹介した。
瀋陽市の段継陽副市長が流暢な日本語で詳しく紹介すると、会場からは大きな拍手が送られた。日本人の出席者からは「大変な努力に敬服する」と称賛の声が上がった。
2024年は大連市と北九州市との友好締結45周年、舞鶴市との友好締結42周年に当たり、2月には陳紹旺市長が代表団を率いて来日し、「大連ウイーク」のイベントを成功させた。これについて大連市の冷雪峰副市長が紹介し、会場中から注目を集めた。それによると、日本は大連市にとって最大の貿易相手国であり、これまでに5千社以上の企業が大連市に進出し、投資額は200億ドル(約3兆1122億円)近くに達し、輸出入の貿易総額は累計2200億ドル(約34兆2342億円)以上に達している。大連全市で約30万人が日本語を話し、日本語を話すIT人材の数は中国で最も多く、これも大連の日本との提携の強力な支えとなっている。冷副市長はまた、今年6月25日に大連で開催される夏季ダボス会議への参加を呼びかけた。
オリックスグループ大中華区の劉国平董事長、東軟グループ(Neusoft Corporation)の劉積仁会長、キヤノンメディカルシステムズ株式会社の田口亘取締役 専務、瀋陽新松ロボット自動化股份有限公司(SIASUN Robot & Automation Co.,Ltd)の張進総裁、羅森(ローソン)投資有限公司の三宅示修総経理も、それぞれ遼寧省への投資の発展状況や今後の戦略と展望を紹介し、遼寧省への投資の決意と期待を示した。
上述の企業は世界的に有名であり、発言者は各分野のリーダーである。中でもオリックスは、最も早く中国に進出した日系企業の一つであり、中国の改革開放の目撃者であり、参加者でもあり、中国政府機関、大型国有企業、民間企業と良好な協力関係を築き、多くの有名ブランド企業に投資してきた。劉国平会長は会場の各界の友人たちに心から、「遼寧へようこそ! 大連へようこそ! きっと長く人気となり、人々が留まるでしょう」と招いた。
遼寧省と日本は長い交流の歴史があり、経済貿易協力の強固な基盤がある。日本は遼寧省にとって最大の貿易相手国であり、第二の投資国である。2023年、郝鵬書記の指導のもと、遼寧省はGDP成長率5.3%を達成し、同年度に日本は遼寧省で74の新規企業を設立し、増加率は61%に達した。
交流説明会の終了後も、来場者たちは積極的に交流を続け、名残は尽きないようだった。遼寧省経済貿易代表団の東京訪問を契機に、「遼寧-日本経済貿易協力交流説明会」を新たな出発点として、遼寧省というイノベーションと起業の土地、投資とビジネスの中心地は、さらにより多くの日本企業を引き付け、希望の種をまき、ますます多くの収穫を得るだろう。
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