大きな経済の潜在成長力 改革の深化がもたらす大きなボーナス
海外投資家は中国株式市場を楽観

蛇年最後の1日に人民元で取引される中国のA株が下落したのに伴い、中国株式市場が午年に「幸先良いスタート」を切れるかどうかが市場の関心の焦点になっている。とりわけ2014年の年初、新興市場から外資が大量に避難した際、海外投資機関は逆に依然として中国株式市場を好感し、QFII(適格国外機関投資家)を使って中国株式市場を底値買いしようとしている。専門家は「2月は新株の発行が空白期に入るのに伴って、市場の資金面が緩和され、また国際機関が揃って14年の中国経済を楽観しており、外資の引き続く流入もA株のいっそうの下げ止まりと安定を促進して、2014年の株式市場の市況は期待できる」としている。

 

4年連続で世界の底

2013年は、全世界の株式市場が「氷火両重天(短期間に上下双方向に大きく振れる)」の状況を呈し、米国など、発展した国々の株式市場が何度も市場最高値を付けている一方で、A株市場は逆に世界の主要な市場の中で再び底をさまよっていた。

上海株式指数は通年で153.15ポイント下げて、下げ幅は6.75%となった。深?株式指数は994.69ポイントで、下げ幅は10.91%となり、ここでも中国株式市場は2010年以降4年連続で世界の株式市場で最低を走っている。

2014年のIPO(株式公開)が再開するのに伴い、A株市場は市場拡大の圧力で依然精彩を欠いている。とりわけ14年初頭には上海総合指数が2000ポイントの重要な節目を割り込んで、再び市場の信頼を挫いた。

だが、年明け以降のA株市場全体のパフォーマンスが低調だとはいえ、逆にQFIIがA株を積極的に取り込もうとする動きに特に陰りが出ているわけではない。

二級市場の実際のオペレーションとは無関係に、口座開設数から見るとQFIIはいずれもA株に極めて強い関心を示しており、低く評価されている優良株は依然としてQFIIが資金を投じる主要な対象になっている。

シンガポール取引所の中国A株50指数の先物は2013年に市場最高値を付け、取引量は対前年2倍以上の119%に達し、成約は2190万件に上った。中国A株50指数の取引量の上昇と、さらに多くのA株ETF(上場投資信託)ファンドの上場からは、投資家が中国のA株市場に対してさらに大きな関心を抱いていることがわかる。

 

国外資金は中国を支持

実際上、国際投資機関は一般的に中国経済の前途を楽観しており、そのためA株市場も海外資金の支持を受けている。

ドイツ銀行グレーターチャイナエリアの馬駿チーフエコノミストは「2014年の中国のGDP成長率は8.6%まで上昇し、中国株式市場は経済の周期的回復と改革のボーナスという2つの大きな要因の恩恵を受けるでしょう。一部の改革(例えば参入の開放)が潜在的な成長力を引き上げ、それによって市場からの獲得利益の伸びが向上します。同時に、地方債の発行や不動産税立法の推進、社会保障改革など多くの改革がどれもマクロ経済の安定や系統的なリスク引き下げに効果を発揮して、利益増の不安を引き下げます。ドイツ銀行は中国経済と改革に対する楽観的な判断をベースに、14年の中国株式市場の前途を楽観していると同時に、MSCI中国指数の1株当たり利益の伸びが13%に達すると予測している」と語っている。

注目すべきは、スイスのUBSがここ数年来初めて中国株式市場を優先株として選んだことだ。UBSのステファン・ディオ(Stephane Deo)グローバル主管は「私たちは中国市場に非常に信頼感を持っている。アジア太平洋地域が今後、順調な景気回復と輸出の伸びを示すだろうことも、中国市場とAPECのその他の国々の回復をいっそう推進するだろう」と語っている。

HSBCアジア太平洋地域の馬浩徳チーフ•インベストメント•オフィサーは「全世界の経済成長パワーが上昇するのに伴って株式にはより大きな投資対象となる潜在力があり、中国市場については特にそう言える。中国の経済成長は強靭で、企業の収益状況も良い上に低く評価されているため、平均の収益水準は15%から20%伸びると期待できる」としている。

 

春節後に安定回復の期待

A株市場が午年の春節で休止に入っている時、世界中の株式市場は中米経済データの低迷を受けて逆にいずれも大幅に下げている。だが、ニューヨーク株式市場の三大株式指標が最近下げ止まって反騰したこともA株が午年に「幸先良いスタート」を切ることを期待させている。

華泰証券の周林研究員は「株式市況から見て、午年の上海総合指数には大きな上昇チャンスがある。もし資金面と政府のマクロ政策面でより多くの積極的な要因がリリースされれば、市況はより楽観できるものになるだろう」と語っている。

この他、南方ファンドは「3月中旬以前には重大な経済データの発表がないため、株式市況が下落する要因は限られている。同時にIPOが空白時期に入り、中国人民銀行が一時的に流動性をリリースすることで資金面が大いに緩和され、A株の構造的市況が依然として存在する可能性がある」としている。

UBS証券は「まず、春節後の資金面とマクロ経済面の情勢が成長株とベンチャーボードにチャンスをもたらすこと。春節前の中国人民銀行の公開市場操作が予想を上回ったとはいえ、これは決して通貨政策の変更を意味するものではなく、春節が過ぎれば、大量の現金が銀行に回流して、マクロ面の流動性は中立かつ潤沢な枠組みを保つであろうこと。次に、新株発行が終了に近づくにつれて、新株購入用の資金が続々と市場に流れ込み、資金需要圧力が収まって新株発行の活気が投資家心理を緩め、ベンチャーボードのストック株に普段では得難い上昇の窓口を開くこと。それ以外に、全面深化改革小組(改革を全面的に深めるチーム)の第1回会議が招集され、改革に対する議論が3月の両会前まで続くであろうことで、直接的な影響は比較的小さいとは言いながらも市場の期待と投資家心理を好転させて、それらの要因がどれも成長株とベンチャーボードに対する投資環境に有利に働くこと」などを指摘し、市況の先行きを楽観している。