交流を促進し、理解を深める
日中農林水産物貿易発展協会が東京で設立記念パーティーを開催

1月30日、一般社団法人日中農林水産物貿易発展協会が都内の日中友好会館で設立記念パーティーを開催し、中国駐日本大使館、農林水産省、外務省及び日本の複数の地方都市からの来賓、中日両国の関連業界関係者の代表百余名が出席した。

日中農林水産物貿易発展協会会長で、元農林水産省事務次官の枝元真徹(えだもと まさあき)氏があいさつし次のように語った。「当協会は日中の民間のビジネス交流を促進することを目的に設立されました。今後、日中両国の輸出入政策に関する講座やシンポジウムを継続的に開催し、名産品や新商品の品評会、地方都市や企業によるプレゼンテーション、異業種交流を企画し、安定的かつ健全な農林水産品の貿易ネットワークの構築に務めてまいります」。

協会の顧問に就任した、衆議院議員で元外務副大臣の鷲尾英一郎氏があいさつした。「日中間には依然としてさまざま摩擦がありますが、後継の世代として、田中角栄先生のご遺志を継ぎ、二階俊博先生のご指導の下、日中の末永い友好のために尽力してまいりたい。民間友好の力は不変かつ強力であります。当協会が困難を克服し、その役割を果たし、新しい時代の要請に応える建設的かつ安定した日中関係の構築に尽力されることを願っています」。

農林水産省の小川良助農林水産審議官は、中国語で「こんばんは」と呼びかけ、「範軍代表理事をはじめとする日中農林水産物貿易発展協会の皆さまのご尽力に感謝申し上げます。中国は日本にとって最も重要な貿易相手国です。先ごろの財界合同訪中代表団による訪中も、日中農林水産物貿易発展協会の設立も大変よろこばしい出来事であり、民間の力で日中の経済貿易交流がさらに発展することを願っています」とあいさつした。

中国駐日本大使館の宋耀明経済商務公使は次のようにあいさつした。「一昨年は中日国交正常化50周年、昨年は『中日平和友好条約』締結45周年でした。昨年11月、中日首脳は米国・サンフランシスコで会見し、一連の重要な共通認識を得ました。こうした背景の下、日中農林水産物貿易発展協会が発足しましたことを大変うれしく思います。当協会が食文化をはじめとするさまざまな分野で対話を推進し、両国の経済協力と交流が深まることを願っています」。

外務省の門脇仁一アジア大洋州局参事官は、「10年来、中国は日本の農林水産物の最大の輸出国であります。農林水産省は貴協会を全面的に支持し、貴協会の推進によって、日本の農林水産品の対中輸出が大きく前進することを期待しております」と語った。

在日中国企業協会の王家馴会長は、次のようにあいさつした。「在日中国企業協会は、常に日本社会との繋がりを大切にし、さまざまな災害救援活動を行ってまいりました。農林畜水産業は人びとの暮らしに大きく関わっています。在日中国企業協会は日中農林水産物貿易発展協会の皆さまと手を携えて、中日の経済文化交流の新たな章を綴ってまいります」。

日中友好会館の小川正史理事長が乾杯の音頭を取り、あいさつした。「昨年11月、日中首脳はサンフランシスコで会見し、両国の戦略的互恵関係を包括的に推進することを再確認しました。今年は日中関係の回復が期待され、協会の設立は絶好のタイミングとなりました。範軍代表理事とは長年の知り合いですが、氏は日中経済文化交流促進のため、多くの実践的活動に取り組まれ、果敢に新しいものを創造し、挑戦を続けておられます。日中友好会館は日中両国国民の相互理解と交流に取り組むあらゆる機関・団体との協力を強化し、連携を深めてまいりたいと思います」。

日中農林水産物貿易発展協会の副会長に就任した日中友好会館の黄星原中国代表理事は閉会の辞で、協会が設立された深い意義に触れつつ、中日関係が不安定なこの時に、励まし合いながら、中日間の経済・文化協力を強化し、両国関係の安定に寄与していきたいと語った。

設立記念パーティーには、株式会社神明の藤尾益雄代表取締役社長から祝電が寄せられ、中国駐日本大使館の洪志傑参事官、在日中国厨師精英協会の明信江会長、源清田商事株式会社の王秀徳代表取締役社長、株式会社中安実業の夏善志取締役ら、日中の経済、貿易、科学技術、文化交流の分野で活躍する代表が出席した。 

世界経済が正常に戻りつつある2024年、日中農林水産物貿易発展協会の設立によって、中日の関連分野で物産、技術、人材の交流が繰り広げられ、新たな局面が生まれる。日中農林水産物貿易発展協会は、辰年の正月、両国の友好交流、互恵発展の広大な新天地に向かってスタートを切った。