生成的人工知能の応用は今後飛躍的に進むのか

2023年は大規模AIモデルが下支えする生成的人工知能の開発が急加速した年となった。業界関係者は、来年から、生成的人工知能が大々的に応用される時代に突入し、従来の業界をも変える「2.0時代」になる可能性があると予測している。

大規模AIモデルの

今後の動向

中国工程院の院士である、清華大学AI産業研究院(AIR)の張亜勤院長は、このほど開催された「WISE2023商業の王カンファレンス」において、「大規模AIモデルの今後の動向トップ6は、マルチモーダル・マルチスケール、新しいアーキテクチャ、オートノミーインテリジェンス、エッジインテリジェンス、物理インテリジェンス、バイオロジカルインテリジェンスだ。将来的には、情報インテリジェンス、物理インテリジェンス、バイオロジカルインテリジェンスが融合するだろう」との見方を示した。

最も前途明るいAIの応用シーンについて、張院長は、「今後5年、大規模AIモデルの牽引の下、自動運転とロボットの分野の企業が続々と登場する可能性がある。大規模AIモデルが、特にカギとなる問題を解決してくれた。これまでは、ロボットと対話する時、一般的な問題もなかなか解決できなかった。しかし、大規模AIモデルは大きな促進作用を発揮するだろう」としたほか、「AIのバイオ医薬品の分野における応用が今後かなり進むだろう。現在、AIが最も運用されているのは生産力やTo Cの分野だが、今後、To Bでの運用の見通しがかなり明るい」との見方を示した。

百度集団の何俊傑副総裁は、「強大な大規模AIモデルは今の技術変革の『1』で、大規模AIモデルをベースに開発される大量のAIネイティブ応用はその『N』。1が前提であるものの、Nの大きさこそが、その量子化できる実際の価値だ」と指摘する。

そして、「AI産業の応用のレベルを見れば、応用全体の発展牽引と加速を見ることができる。AIの技術スタックは、チップ、アーキテクチャ、モデル、応用の4レベルに分けることができる。チップもアーキテクチャも、モデルもAIの応用の牽引が必要だ。世界を見ると、AIネイティブ応用が現在、主な発展の動向となっている」と説明した。